学校の廊下を歩きながら、
八神 修は首を傾げた。
「今日は……何かがおかしい気がする」
一緒に暮らしている動物達が、今朝はやけに素っ気なかった。
登校中、街行く人にぶつかられかけて危うく避けたのに、
「向こうは、悪いと思う思わない以前に、俺に気付いていないようだったし……」
おかしいといえば、校門を潜ってからもそうだ。
出会った先生に挨拶をしたのに何故か気付かれない、というようなことが続いている。
「……これは一体、どういうことだ?」
修が眼差しを伏せた、その時。
「やあ、おはよう」
声を掛けられて、修は慌てて「おはようございます」と顔を上げた。
声の主は、
黒崎 俊介先生だ。
今日も今日とていい声&整ったかんばせには柔らかな微笑を湛えていて、
「きゃー! 黒崎先生に挨拶されちゃった!」
「今日も素敵な声! 一緒にアフタヌーンティーとか憧れるよね!」
なんて、女子生徒達が黄色い声で騒いで……騒いで?
(いやいやいや! そういうキャラじゃないぞ黒崎先生は!?)
イケメンかつできる男の黒崎先生だが、彼は何故だか不憫なほど影が薄いのである。
それが今日は、輝かんばかりの姿に修の目にも見えた。
「これは……まさか!」
じきに、異変に巻き込まれた者達の頭に
テオの声が響く。
知らせれたのは、神魂の影響で黒崎先生へと周囲の《存在感》が集束していること。
このままでは被害が拡大し、《存在感》を奪われ尽くされた者達は消滅してしまうこと。
そして、それを食い止めるには――、
『とにかく目立って、あいつから《存在感》を取り戻せ!』
というわけで、《存在感》を巡る戦い(?)の火蓋はここに切られた!
お世話になっております、巴めろと申します。
このページを開いてくださってありがとうございます!
八神 修さん、ガイドへの登場誠にありがとうございました!
なお、もしこのシナリオにご参加いただける場合ですが、
ガイドは一例ですのでご自由にアクションをかけてくださいませ。
以下、シナリオの詳細でございます。
このシナリオの概要
神魂の影響で、人々の《存在感》が黒崎先生へと集まる事態になってしまいました。
今のところ大きな影響が出ているのは一部の人のみですが、
このままではこの世の《存在感》は奪われ続け、《存在感》を奪われ尽くされた人達は消滅してしまいます。
テオの言う通り目立って目立って《存在感》を取り戻し、自分達と世界を救うのが目的です。
寝子島中の人が多かれ少なかれかなり《存在感》を奪われているので、
テオが世界を切り分けたものの、寝子島の様子は普段とあまり変わりませんが、
一応切り分けられた世界での出来事ですので、
人間を含む生き物に直接害を成す行為以外(例:壁に落書き、路上でゲリラライブなど)は、
大抵、思いっきりやっちゃってOKです。
このシナリオに参加のPC様は皆、かなり《存在感》を奪われている状態ですので、
同じく《存在感》を多く奪われている人々以外には、余程目立つことをしないと認知されません。
なお、《存在感》を多く奪われた者同士は、常のように互いを認知することができます。
また、平日の学校が一応の舞台ではありますが、
《存在感》が薄れているせいで学校を抜け出し街へ繰り出しても先生に見咎められることはありませんし、
逆に、寝子高の関係者でなくても、校内にするっと入ることができます。
ですので、好きな場所で好きなように、存分に目立っちゃってくださいませ!
なお、《存在感》を多く奪われてしまった人達に関しましては、
今回は例外的に、もれいび・ひとを問わずガイド本文のテオの声を聞くことができます。
登場NPC
本シナリオでは下記のNPCとの接触が可能ですが、
皆様のアクション次第で、全く登場しない場合もございます。
○黒崎 俊介先生
周囲から《存在感》を吸い取っている張本人です。
というと聞こえが悪いですが、神魂の気紛れですので本人には自覚はありません。
事情を知ったとしても、止める術も知りません。
事件の元凶に近いところにいるからか、《存在感》が薄れた人達のこともいつものように認知できます。
○津止 孝道先生
PC様方と同じく《存在感》をかなり奪われており、テオの声も聞いています。
フツウではない事態に理解の深いもれいびなので、事件の解決に協力的です。
○樋口 弥生先生
PC様方と同じく《存在感》をかなり奪われており、テオの声も聞いています。
もれいびではないですがフツウではない事態に理解が深く、こちらも事件の解決に協力的です。
○泉 竜次先生
PC様方と同じく《存在感》をかなり奪われており、テオの声も聞いています。
公然と何か面白いことができるのではと、この事態を楽しんでいる様子。
○野菜原 ユウ
PC様方と同じく《存在感》をかなり奪われており、テオの声も聞いています。
え? 俺、何したらいいの? マジで。
それでは、目立って目立って目立ちまくってくださいませ。
ご縁がありましたら、よろしくお願いいたします!