ナゾコイ・シンドローム｜リアクション

ナゾコイ・シンドローム

　Ｃａｓｅ８．ミッシェル・ナイスゲイの場合

「くっそ……なんて日だ……！」
　岡瀬靖久がその言葉を発したのは、本日二度目であった。
　アケーチ・タッマーキの抱擁から逃れたのも束の間、今度はミッシェル・ナイスゲイに遭遇してしまったのである。
「いや～ん、渋メンよ～ん！」
　ミッシェルはアケーチ以上に容赦なく靖久に飛びかかってきた。
「アナタのテクでイかせて欲しいわん！」
　そこにアケーチが追いついてきた。
「お待ちなさい！　その方と愛を育むのはこの私です」
　凛と告げるアケーチを見て、ミッシェルの目はさらにハートになる。
「ああっ！　アナタはノーパンプリ尻の！」
「あなたはＹ字バランスの！」
　妙な挨拶を交わし合うミッシェルとアケーチ。
　アケーチは今日はノーパンではなかったが、スーツに包まれたプリ尻は健在である。
　ミッシェルは風のようにアケーチの背後に回り込み、そのプリ尻をすりすりすり～と擦り上げる。
　靖久はドン引きだ。
「やばい……早くこの場から立ち去らないと……」
　抜き足差し足忍び足。
　三歩そおっと後ろに下がると、そこからはまた全力疾走。
「チッ、渋メンを逃がしたわ！」
「なんということでしょう。ミッシェルさんとの愛を確かめている間にあの方が行ってしまわれるとは」
「こうなったら変態同士、イクところまでイクわよん！　アナタのプリ尻を撫でまわすわん！　ついでに＊＊＊も愛でるわよん♪」
「ふふ、ふふふっ……参りましょう、めくるめく愛の世界へ！」

　ええと……おふたりさん、いちおう公道なので……。
　ナイスゲイ汁ブッシャーはお控えいただければ……。
「アッーーーー！！！！」

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