シナリオ「ナゾコイ・シンドローム」

ナゾコイ・シンドローム

「うーむ……」
　木天蓼大学、寝子島キャンパスの一角、薄暗い研究室で年老いた禿げ頭の男がひとり。
　男の名は久田嵐(くだらん)。通称、くだらん博士。
　名前のとおりいつもくだらない研究をして、くだらない発明品をつくっている。
「おかしい……」
　どうやら惚れ薬をつくっていたようだが、失敗に終わったようだ。
　机には、怪しい色をした謎の液体の入った瓶。
　今はもう、ただの色水でしかない。
「ふっ……」
　くだらん博士は窓の外を見るでもなく見ていた。
　自分の研究はなかなか成功しない。
　ああ、研究はなんと虚しいことか。
　表の道では、男子学生が２人、肩がぶつかったとかなんとかと大声で言い争っている。
　ああ、世の中はなんと虚しいことか。
「うるさい！」
　くだらん博士は液体をぶちまけてやる。
　そのときだった。
　神魂が液体にちょっとしたイタズラを仕掛けてしまった。
　
　男子学生２人は、胸ぐらをつかみ合ってにらみ合っていたが、
「お前、なんだよそのツラは」
「てめえこそ、なんだその目は」
「お前、そのツラ……意外とやさしく包み込んでくれそうな表情してるじゃねえか」
「てめえこそ、その目……なんだか俺のハートが吸い込まれちまいそうだぜ」
「お前……」
「てめえ……」
　２人は静かに唇を重ね、抱き合っていた。

　失敗に終わったはずの惚れ薬は神魂の影響によって特定の効果を発揮しながら気化し、寝子島全土に広がっている。
　そう、同性限定の惚れ薬として。
　そして、そうとは知らない博士はとっくに窓に背を向けて、次の研究に没頭していた。

運営部より

【追記】１月５日
大変お待たせしておりまして、誠に申し訳ございません。
都合により、本シナリオの一部を笈地行マスターの担当に変更させていただきます。
リアクションの公開は、１月２０日までを予定しております。

ゲームマスターより

担当ゲームマスター

笈地行／禰琉

マスターコメント

同性限定の惚れ薬ウイルスに感染してしまうシナリオです。

なお、
・感染場所・このシナリオの舞台は寝子島全土、どこでもです。
・感染する瞬間はアクションで指定しても構いませんし、なければこちらで見繕います。
・発症期間は日の出から日の入りまで。
・感染して最初に目にした同性PCさんにモーレツに恋愛感情を抱きます。
・感染していないふりをするのも可能です。
・体質によって感染しない人もいるようです。（状況を楽しむ方向け。アクションでご自由にご指定ください）

NPCについて
久田嵐(くだらん)
通称くだらん博士。いつもくだらない発明ばかりしている。
希望があればリアクションにも登場させていただきます。

それでは、ご参加お待ちしてます。

サンプルアクション（1）