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昼休み。
鴻上 彰尋
は校舎屋上のフェンスに凭れ、自身の体で影を作るようにして手元の台本を読み込んでいた。
それは、彰尋の
祖父が残した演劇の古い台本
。彰尋は家の事情で放課後に部活動が出来ないため、こうして空き時間を見つけては1人自分で演劇の練習をしてるのだ。最近では自分だったらどう動くか、なんて考える事も増えた。だから……台本がボロボロなのは、祖父だけのせいではないかもしれない。
彰尋は今日もきょろりと辺りを見回す。そして人影がない事を確認すると、台詞の練習をするために立ち上がった。
目の前には、いるはずのない登場人物。しかし彰尋にはきちんと見えている。このシーンでは俺は彼女を逃がさず、迫るように近付かなくてはならない。相手の腕を捕まえようか、それとも身体ごと抱き寄せるか。いやいっそ壁際に追い詰めて……。
身体を動かしながら実際に台詞をつけると、より一層世界にのめり込む。彰尋は夢中だった。
どうして俺は演じてしまうのだろう。色々な事があった。いっそやめた方が楽になれるのかもという事もあった。それでも。
心が、体が逆らえない。演じる事に吸い寄せられてしまう。これを血のせいだと彰尋は片付けたくなかった。
台本を開く喜び。舞台を見れば心が熱くなる。演じる事が大好きだ。ただそれだけなんだ。その事だけははっきり分かる。こんな感情、止められっこない。
湧き上がる情熱に浮かされたように彰尋の演技にも熱が入る。この場面、いっそいきなり壁に手をついて相手の動きを止めてもいい。でも舞台映えはしないか? ワンショットで収まるから、どちらかといえばテレビや映画向きか……。
フェンスに腕をつき、台詞を声に載せながら彰尋はまた様々に思考を巡らす。そしてふうと息を吐き、一区切りつけた。
(よし、もう1度やってみよう)
顔を上げ彰尋がくるりと後ろを振り向くと。
にこにこ顔の
七夜 あおい
と目が合った。
「あお、あお、あお……!」
あわわと口を震わせフェンスにガチャンと背をぶつけると、彰尋は朱を吸い上げたように真っ赤になった。しまった、演技に夢中になりすぎて人が来た事に気づかなかった。それもよりによって……あおいさんなんて!
あおいはそんな彰尋の慌てぶりに気づいていないのか、のんびりと笑いながら小首を傾げた。
「いいお天気で気持ちいいよね~、彰尋君。 それで……何してたの?」
「う……いやその……」
人がいないと思ったからの、動きをつけた稽古だった。青空の下結構な声量で。ちょっと蜂を追っ払ってました……とは言えないだろうなぁ。彰尋は観念して話し始めた。
「わあ、1人でお稽古なんてすごいね!」
簡単に事情を聞いたあおいは、感心したように声を上げた。ただ好きでやってるだけの彰尋はこそばゆくて仕方ない。でも何だか自分の密やかな事情を、大事な人と共有した事が嬉しかった。
大事な人。そう、演技と同じくらい……俺は気持ちを止められない。
彰尋は頬を軽く掻いた。確かに相手が実際にいてくれた方が感覚が掴めるというのもあるし、あおいが頼みやすい人柄だというのもある。そしてちょっとした……下心もあるのが本音。君という名の恋心に、俺は結局勝てないんだ。
心中で苦笑しながら、彰尋はあおいに向かい思いきって口を開いた。
「あのさ、もし良かったら……練習に付き合ってくれないかな?」
「え、私?」
意外そうに自分を指さすあおいに、彰尋はこくんと頷いた。
「私演技なんてできないよ~? 役に立つかな?」
「大丈夫。いてくれるだけでずいぶん助かるから」
そう言って彰尋はあおいに今やっているシーンの説明をする。そして自分に背を向けフェンスに立ってくれるようお願いした。
「それで彰尋君が『美和』って呼んだら、私が振り向けばいいのね?」
「うん」
大丈夫かなぁできるかなぁなんて言いながらあおいがフェンスに立つ。その小柄な背中を彰尋は見つめていた。
逃がさないように、迫るシーン。俺は君を捕まえて、振り向かせる。俺の声は君に届くだろうか。俺の気持ちは。そう、いつだって俺は。
台本と現実の世界が溶ける。彰尋はあおいの背に被さるようにフェンスに両手をつくと、心を言葉に載せた。
「あおい」
「え……っ?」
綺麗な青色の瞳が振り返った。ふわりと浮かんだツインテールが、彰尋の手首をくすぐる。ああ、そんなに目を大きくしたら瞳が零れちゃうよ、あおいさん……あれ、俺さっき何て……。
しばし青色の瞳と黒色の瞳が間近で見つめ合う。何を口にしたか悟った彰尋がそのままカーッと真っ赤になった。
「いや、あの、その……」
完全に、アドリブ。というか役越えて自分出したら駄目だろ!
余りの恥ずかしさに彰尋はしどろもどろになってしまい、次の台詞が出てこない。あおいは彰尋の両腕に挟まれながら少しきょとんとすると、はにかんだように笑った。
「自分の名前だとびっくりするね。そっか、これは舞台で何が起こっても慌てないための訓練ですね、彰尋センセイ?」
「え? う、うん……」
……俺はあおいさんが舞台にいても舞い上がらない訓練をしないとまずいみたい。
あおいに無邪気に見つめられ、赤い顔で小さく溜息をつく彰尋だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年08月29日
参加申し込みの期限
2017年09月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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