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壁DON! DON!
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八十八旗 信彦
は世界中のレディが幸せになれるよう、常に戦っている。
レディは全員カワイイ。もうそこにいるだけでカワイイのだが……もしレディ本人がその魅力に気付いていないのなら、それは悲劇だと信彦は思うのだ。
だから彼はキラリンと輝くブラックカードを手に、日々戦うのだ。カワイイレディ達が自分の魅力に気がついてくれるように。そしてそのチャーミングな唇に花のような笑みを浮かべてくれる事を願って。
そんな信彦の本日の標的は
黒兎 都
だった。コスプレ部の先輩である都。信彦は彼女を見る度常々思っていた。
(ミヤコちゃんは前髪をアップにした方が絶対カワイイのに……)
確かに都の厚く下ろされた前髪の下には、チャーミングな紅い瞳が隠されている。けれども彼女は自分の魅力を信じていないのか、信彦がいくら説得しても耳を貸そうとしない。でもそんな事くらいであきらめる信彦ではないのだ。
「昔のエライ人曰く、『押してダメなら、もっと押せ』……ってね」
違うぞ信彦。けれども彼は勿論そんなこと気にも留めず、スッと胸ポケットからいつものブラックカードの代わりに、可愛らしい髪留めを取り出した。
これは、ミヤコちゃんの可愛らしいおでこと瞳を光の下に取り戻す、大事な武器。これを彼女につけてもらおう。
前髪をアップして1日過ごせば、周りの反応からもきっと彼女は前髪を上げた方が良いってことに気付くはずさ。
……レディの意に沿わないことを無理強いするのは本意ではないけれど。レディが自分の隠れた魅力に気づく切っ掛けになるなら、これも紳士としての責務じゃないか?
キラキラキラ。信彦の決意が謎の光となって彼から溢れだし廊下を歩く生徒に降りかかりぺぺっと無造作に払われている。しかし信彦はそんなことお構いなしに、きょろきょろと辺りを見回した。
ミヤコちゃんはどこだろう。早くレディに魔法をかけてあげよう。けれど……。
信彦の眉が少し曇る。都が恐らく素直に髪留めをつけてくれないであろうことに思い至ったのだ。
しかし信彦はふるふると首を振った。
(『百転び八起き』じゃないか)
キランと信彦の瞳が不敵に輝く。百回転んで八回しか起きないのはなかなか大変そうだが、きっと信彦なら何とかするのだろう。
可愛らしい髪留めを持ったレディ限定の魔法使いは、頼まれもしないのに都を探しに元気に歩き出した。
「今日も変わらず平和な寝子高~っと」
魔法使いの魔の手(?)が迫ってるのも知らず、都はのんきに廊下を歩いていた。うむ、何もないのは良いことだの。平和1番!
と、廊下の奥に人影が。その金髪に都はん~っと前髪の下の瞳を細めた。
「んや、あそこに見えるはちゃら彦くんじゃないかの?」
あの頭の上に光るサングラス。あれを本気でやっちゃうのはちゃら彦くんぐらいだからの。
うむうむと頷くと都は後輩に挨拶しようと手を挙げかける。しかしその前に信彦の声が飛んだ。
「ミヤコちゃん!」
「おーう、ちゃら彦くん……って……ど、どうした?!」
都は手を挙げるのをやめ驚きの声を上げた。廊下の端にいた信彦が、真面目な顔でぐんぐんぐんとこっちに向かって突進して来たのだ。
「何があったちゃら彦くん……ってちょっと待て! ちかいちかいちかいー!」
都の言葉など全く耳に入らないかのようにスピードを緩めることなく進んできた信彦の勢いに、都は思わずのけぞってしまう。信彦はそんな都を前に壁に追い詰めるように立ち、腕を伸ばした。
信彦には考えがあったのだ。
普通に髪留めをプレゼントしても、都は絶対につけてくれない。かと言って強引につけようとしてもスルリと逃げられてしまう可能性が高い。
それなら。彼女の退路を断った状態で口説いてみればいいではないか。髪留めをつけてもらう説得と……ナンパも同時に。口説くことなら俺の専売特許。お手の物だ。
だから、腕を伸ばしたのだ。都を壁に追い詰め、身動き出来なくするために。そう、それは壁ドン。レディが憧れるシチュエーションの魔法を、俺がかけてあげるよミヤコちゃん。
意外に背の高い後輩に、都はドキリとした。自分がすっぽりと隠れてしまう。スローモーションのように近付く信彦の顔と伸ばされる腕に、都は時の流れに取り残されていた。
(おおぅ、これは、かの有名な壁ドンってやつかの……)
逆光でよく見えない信彦の表情。こんなに顔が近いのに。
(く、確かにこれはちょっとドキッとするのー)
少女漫画のようなキラキラシチュエーションがまさか自分に降りかかってくるとは思わず、都はここから抜け出すことも忘れ少しぽおっとなってしまった。
(むぐぐ、彼女もちのくせにこやつめ……や、でも悪い気はしないですね、うん)
後ろは壁。前には信彦。もう逃げられない。都は自分の頬が心持ち赤くなるのを感じていた。そうか、これが壁ドンマジック。まさか自分はちゃら彦くんに頬を染める日が来るとは思わなかった。そして、伸ばされた信彦の手が自分の顔のすぐ傍を通り壁を……ドンとする事はなかった。
―――信彦は、むにりと都の胸に触れていたのである。
(ちょっわぁ!?む!胸さわっ…!?って本人気が付いてない!!?いや、ラッキースケベを装った確信犯かこれ?や、でもマジに気が付いてなくぁwせdrftgyふじこlp)
余りの出来事に都の頭の中は一瞬で、言葉にすらならない文字の羅列で埋め尽くされた。
目の前の信彦は髪を掻き上げながら自分に酔いしれるように何か言っている。それはTV画面の向こう側の出来事のよう。自分の胸には確かに感触があるのに。
マジで気が付いてない、という事は。
都の瞳からすっと光が失われる。その口から抑揚のない声がした。
「ここ……壁ですか、ノブヒコ君」
地を這うような都の声に、信彦は都を口説くのをやめ、初めて自分の手元を確認する。そしてちょっと驚いてようやく都の胸から手を離すと、首を捻りながらマジマジと不思議そうにもう1度彼女の胸を見た。
「おかしいなー、確かに壁ドンしようとしたのに」
その瞬間、どす黒い妖気が都から溢れ出た。
「……誰の胸が壁だって?」
「え? ち、違うよミヤコちゃん! ちょっと間違えただけだよ?」
自分に近付く禍々しい空気に恐れおののきながら、信彦は手と首を同時に振る。しかし都は俯いて言葉を続けた。
「乙女の胸さわっておいてその上間違えたとかどういう了見かの? そりゃ確かに他と比べたら膨らみ少ないかもしれんけど、一応あるつもりなんですが」
「ミヤコちゃんが立派なレディだっていうのは知ってるよ! 大丈夫! 誤解なんだよ、誤解!」
「そっかー、誤解かー……とりあえず言い訳は死後でいいよね?」
「な、何で怒るのー?! ミヤコちゃん俺の言うこと全然信じてないよね!?」
必死の形相の信彦に、都は唇に笑みを浮かべて言った。
「いやー? 怒ってない、怒ってないよー?」
「……ほんと?」
上目遣いの信彦に、都は極上の笑顔を見せた。
「これは怒ってるんじゃなくて殺意を抱いてるんだよー?」
「ひいいっ!」
思わずずりずりと後ずさる信彦。しかしコン、と壁に当たったその踵が無情にも彼の人生の終わりを告げる。行き場を失った信彦に、都は前髪の隙間からその美しい紅い瞳を光らせて言った。
「よっし、それじゃあ……逝ってみようか……」
(あ……ほら、ミヤコちゃんの瞳はとっても綺麗だ……)
都から放出されるおびただしい妖気に包まれながら、信彦は思う。
ミヤコちゃんが何か言ってる。キサマノチハナニイロダ―――? やだな、俺の血の色はレディの涙色だよミヤコちゃん……。
切れ切れの意識の中で訳の分からないモノローグを呟く信彦。そんな彼を都の妖気は容赦なく呑み込んだ。
―――それが、彼が目撃された最期の姿。その後、寝子島で彼を見た者はいなかったという。
【完】(チャンチャン!)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年08月29日
参加申し込みの期限
2017年09月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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