久保田先生の女子力アップ大作戦！　着物編！｜リアクション

久保田先生の女子力アップ大作戦！　着物編！

　自身の着付けが終わった五月。彼女は花と蝶が描かれているヒヨコ色の着物を選んだ。スミレ色の帯に宝石風のガラスの帯留めを合わせている。
「佐藤さん。こちら終わりましたので、お手伝いしますー」
「あら。なら、あの赤い髪の子を手伝ってあげて。苦戦しているみたい」
「はいー」
　セレッソが来るのを内緒にしたがっているのは知っているが、困っているなら手を貸したい。そう考えながら五月はトテトテと畳を歩く。
「んー。ここをギュってするのカシラ……」
　セレッソはおはしょりが上手に作れず苦戦しているようだ。引っ張ったり引っかかったり忙しいらしく、右見て左見て忙しくしている。ミントグリーンのうさぎ柄の着物にヒヨコ色の帯を合わせていた。
「セレッソさん。背中の中心がずれないように、せんたくばさみとかで襦袢と着物を挟んでおくといいよー」
「五月チャン……！」
　話しかけられて一瞬の間ビクーッ！！と髪の毛が逆立ったセレッソ。
「あ、あああ、ありがとナノ」
　照れ笑いを浮かべながら素直に礼を言い、五月からせんたくばさみを借りた。
「さ、五月チャン！　ワタシ、今日は自分でがんばってみたいノ！　器用なほうじゃないけど、きっとできるワ！」
　そういってグッと拳を握ってみせる。
「だけど、このままじゃ終わらないから、ヒントは欲しいノ！（拳グッ」
　セレッソの言葉を受け、五月はピンと親指を立ててみせた。
「ふっふ。じゃあ、後ろから応援しておくね」
「えへへー。あとで一緒にお写真撮るのが楽しみナノ！」
　セレッソは五月にヒントをもらいながら何度も着付けに挑戦し、少しバランスは悪いが自力で着られるようになった。