こねこのふしぎなひみつきち～愛と葛藤の脱出劇～｜リアクション

こねこのふしぎなひみつきち～愛と葛藤の脱出劇～

【エピローグ】

「……ただいま」

　恵御納が桜花寮に着いたのは真夜中だった。

　子猫の秘密基地から解放されたと思ったら、なんと森の中。
　どうやら九夜山中だったようで、満月の明かりと比較的猫鳴館に近かったからなんとか帰路につけたが、下手をすれば一晩野宿するところだ。

　一息ついた恵御納に、催促の鳴き声がかかる。

「……ああ、遅くなってごめんね」

　寮には内緒で同居中のレンズ猫のおはぎに、慌てて夕食を準備した。

　ふと思う。
　この不思議な猫であるおはぎも、いつか遠い未来に、あの子猫の秘密基地に行くのだろうか。
　その時、あのユキのように、幸せだったと思ってくれるだろうか。

　見つめていたことに気がついたようだ。
　おはぎは恵御納を見上げて目の代わりであるレンズのピントを合わせて鳴くと、再び食事を続けた。

　その様子に和みながら、恵御納は思う。

　幸せだったと思ってくれるだろうか、じゃないよね。
　絶対に幸せにしてあげよう。
　僕がもらった幸せの分まで、いっぱいいっぱい幸せに。
　いつか、おはぎがあの秘密基地で誰かに会ったときに、胸を張って言えるように。

　恵御納は改めておはぎを見つめて、優しい笑みを浮かべたのだった。

【終わり】

このページにイラストを設定する

あとがき

担当マスター：阿都
ファンレターはマスターページから！

シナリオガイドを担当しました、阿都（あと）と申します。
ご参加ありがとうございました。
最後までリアクションをご覧下さり、感謝申し上げます。
そして、公開が遅くなり申し訳ございません。

少し神秘的な物語にしたつもりですが、いかがでしたでしょうか。
楽しんでいただけたら幸いです。

それでは、次のシナリオガイドでお待ちしております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

↑ページトップに戻る