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こねこのふしぎなひみつきち ~愛と葛藤の脱出劇~
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【月にかかる虹】
夜になり、縁側には寒々しくも美しい、琥珀色の光が満ちてきた。
子猫たちは昼間の様子が嘘のように押し黙り、ただ静かに夜空を見上げている。
残ったメンバーもまた声もなく、そんな子猫たちの背中を見つめていた。
「そろそろかのう」
直前まで眠っていた猫又が、床の間から出てきて呟いた。
その言葉に合わせて、子猫たちが細く通る声で鳴き始める。
いつの間にか、縁側と庭を隔てていたガラス戸は消え去り、猫又がゆっくりと躍り出た。
漆黒の地に桜の花びらを散りばめた着物姿の、美しい女性に化身し、庭の中心に佇む。
仰ぎ見る真円の月。
手にするは虹色の扇。
たなびく烏羽色の髪。
月光の下で、舞う美しき物の怪。
誰かが息を呑む音がした。
月からそよ風のように、虹の橋が庭にまで降りてきたから。
「さぁ、いくが良い」
猫又の声が凛と響いた。
子猫たちは背を押されるようにして、一匹また一匹と虹の橋を渡っていく。
遥か彼方の月に向けて。
まるで野原を駆けるがごとく。
その場にいた人達は、ただただ見つめていた。
見送ることしかできなかった。
「さいごまでいっしょにいてくれてありがとにゃ」
そんな中、声をかけてきたのは、始めに恵御納をさらった白い子猫、ユキだった。
恵御納は、声の震えを押し殺して尋ねる。
「……君たちは、どこに行くの?」
「みんながいずれ行くところにゃ。あたしはたくさん生きたから、あっちでちょっとゆっくりするにゃ」
「『虹』って、やっぱりあの『虹の橋』かよ。……そんな気がしたんだよな」
鈴木が小さくひとりごちた。
欧米でよく表現される、ペットたちが亡くなった後に渡るあの世への橋。
「あたしの場合は、あっちにご主人もいるにゃ。やっと会えるにゃー」
「ユキちゃんも、あのにゃんこたちも、ちゃんと、ちゃんと幸せだったの?」
綾辻が微かに湿った響きを伴う問いかけをすると、ユキは当然のようにはっきり応えた。
「このひみつきちにくるネコは、みんな人間と仲が良かったネコにゃ。少なくてもあたしは幸せだったにゃ」
その答えに頷いた猫又が、静かに語りかけてくる。
「子猫の屋敷は常世へ行く前の宿。現世のしがらみと穢れを捨てて子猫の姿に戻り、虹の橋を渡る力を蓄える場所。人が好きな猫ばかり故に、時折猫を好いている人を呼び寄せるのじゃ」
「さいごまで楽しかったにゃー。でも、モモエとの追いかけっこの決着がつかなかったのが心残りにゃ。次に会うときはこてんぱんにしてやるにゃ!」
「あ、あれはあたしの勝ちでしょ! それに次って何時になるっていうのよ。あたし、そっちに行くつもりなんてないからね!」
「あったりまえにゃ! 第一、あっちじゃあたしはご主人と遊ぶのに忙しいのにゃ。モモエの相手なんて100年ぐらい先の話にゃ!」
言い合う声の響きが濡れているのは、気のせいではないだろう。
「そうね。あの子猫たち、あたしたちと遊ぶ時とても楽しそうだった。こっちのほうが和むほど、親しさを感じたわ」
真境名のしみじみとした感想に、椿が少し涙ぐみながら頷いた。
「そうですね。そうですよね! 私だってとっても楽しかったです。全力で遊び倒しましたもの! ね、シュー君」
「ああ。本当に楽しかった。それに、こんな風に見送れたことを光栄に思うよ」
締めくくる八神の言葉に、恵御納もまた懸命に優しい笑顔を浮かべて相槌を打った。
「……僕も楽しかった。だから、またこっちに生まれ変わったら、遊びに来てね」
「約束はできないにゃー。なにしろあっちでゆっくりするつもりだからにゃ。でも、また会えたら、カアサともたくさん遊ぶのにゃ!」
「ユキ、そろそろそなたも行かないと虹が消えてしまうぞ」
「にゃにゃにゃ! それは困るのにゃ! じゃあみんな、100年後ぐらいにまた会おうなのにゃー」
物悲しい雰囲気を、おどけた声で書き換えて、ユキも虹を渡っていく。
その背中があっという間に蜂蜜色の真円のなかに消えると、虹も猫又も、そして秘密基地もその姿を失っていった。
「ご苦労じゃった。気をつけて帰るが良いぞ」
猫又の深く暖かな言葉を最後にして。
時を同じくして、八十八旗はディナーの帰り道にふと月を見上げていた。
虹は見えなかったけれど、なぜかあの子猫たちの嬉しそうな鳴き声が聞こえた気がしたから。
水守は、ネットでゲーム中に、いつもなら無駄が多くて使わないような派手な魔法を連発している。
まるで、ここにいない誰かに見せつけるように。
無事に家に帰り着いた新田は、自宅の庭からなんとなく月を眺めてした。
虹はかかっていない。しかし、多分あの秘密基地からは見えているのだろう。
再び機会があったら今度は最後まで見てみたいな、と好奇心を疼かせながら見つめ続ける。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿都
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年08月05日
参加申し込みの期限
2017年08月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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