壁画通りを作ろう｜リアクション

壁画通りを作ろう

●どんなものを描こうか

　落書きを消す作業をしている間、壁画作りを希望した面々は、どのような絵を描くか話し合っていた。
「僕は……落書きを全部……可愛い猫さんにする……」
　実際に落書きを見た恵御納夏朝は、落書きした人に猫の可愛さを教えると意気込んでいる。
　描かれていた落書きをスマホに撮影し、それを他の皆に見せた。
「こんなものが……描いてあった……」
「……これはひどいわね。綺麗に消えるかしら？」
　キャットロードの路地に壁画を作ることを知った三宅葉月は、以前、別の場所で壁画を描いた経験を活かすべく協力に応じた。
「……私達で、寝子島の新しい名所を作りましょう」

「壁画か……興味深い。挑戦してみよう」
　自分の想いを形にしようとデザインし続けている桜月は、こういう形で残すのも面白そうだと参加。
　ペンキ等で描くとなると服が汚れるので、汚れてもいいような服装をと思ったが、あいにく持っていない。
　旅鴉月詠のように白衣を着よう、と思い立った月は、集まる前に貸してもらえないかと尋ねた。
「いいよ、貸してあげる」
「ありがとう。使い終わったら洗って返すよ」
　ブラウスにショートパンツをサスペンダーで吊って、月詠のように着こなしての壁画作りは楽しそうだ。
　そう思うと、月は壁画作りをしたくてウズウズした。
『がんばってかべにえをかくよ』
　小山内海は、壁画作りとか芸術家としての血が騒ぎ参加。
「張り切っているようだね。君も絵が上手いから、どのようなものを描くのか期待しているよ」
　月詠にそう言われ、あまり期待しないでほしいなと苦笑する海。
「楽しそう～♪　そういうことなら美術部の僕に任せてよ♪」
　面白そうなことに首を突っ込むのが大好きな響タルトは、これは逃せない！　と参加したクチだ。

　夏朝が撮影した落書きを見て、これが消えた箇所にどのような絵を描こうか各々考える。
「ボクは何を描こうかな～？　描くとしたら、皆が楽しめるものがいいよね。やっぱり猫かな？」
「猫は……僕も考えた……」
「キミも？　猫、いいよね～♪」
　気が合ったタルトと夏朝は、いろんな猫を描くことに。
「猫なら雄同士仲良しの絵なら問題ないしね」
　大勢の目に触れる公共の場だからＢＬは描けない。それなら、と雄猫のじゃれ合いを描くことに。
「いろんな猫さん……描こうね……」

『こういうのをかいてみたいな』
　海はこの前、友達に見せてもらったカードゲームのカードの絵、風景とかを描いてみたくなった。
　ファンタジー世界の風景という感じで面白かった、綺麗だったという印象だった。
　こんな絵を描いてみたと、その絵をラフスケッチみたいな感じでイメージをスケッチブックに描く。
「ファンタジー風の絵もいいね」
「そういった綺麗なものがあっても良いと思うよ」
　ラフスケッチを見た月と月詠はいいね、と賛同してくれた。
「……光の加減や色合いを変えれば、見栄えが良くなりそうね」
　こうすれば綺麗な壁画になると思うわ、と葉月はアドバイスを。
『そういってもらえるとうれしいな』

　葉月はもう少し下見をしてから、月詠は落書きを消している人達の様子を見てから何を描くか決めることに。

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