懐かしい遊びに触れてみよう｜リアクション

懐かしい遊びに触れてみよう

鳴神師呉が外を何気なく歩いていると、ふと、どこからか賑やかな声が聞こえてきた。
そのほうへ行ってみると、
大人や子どもが集まって『けん玉』や『おはじき』に興じている。
お互いに競ったり教えあったりと、和気藹々といった雰囲気が伝わってくる。

（懐かしいな……昔じいちゃん、ばあちゃんに教えてもらったっけ）

昔のことをぼんやりと振り返っていると、そのグループの１人から声を掛けられた。
誘われるままにグループの輪に入る。
他にも『お手玉』や『コマ』など、懐かしさを感じるものが用意されていた。
師呉はその中から、けん玉を手に取る。

（どうしても真ん中に入れられなくて何回も練習したのを思い出すな）
（あの頃はあれが普通だったけど……おっきくなってゲーム機に手をつけてから、こういう遊びしなくなったよな）

けん玉を触りながら、昔から今までを振り返る。
木でできたけん玉の感触はゲーム機には無いものだった。

玉の重さなどを確認して、いざ構える。
手首で軽く揺らして、徐々に全身でバランスを取る。

久しぶりに触ってみたが、体は意外と覚えていたようだ。
窪みから窪みへと器用に玉を移動させる。
窪みにはまったときの『カッ』という音が気持ちよくて、思わず熱中してしまう。

（今遊んでみると楽しいよな。みんなはどんな遊びしてるのかな）

周りを見てみると『あやとり』や『めんこ』、『おはじき』や『お手玉』などがある。
それらを遊んでる人たちに加わり、やり方を教わりながら色々な話を聞く。

師呉と同じく、たまたま立ち寄って懐かしさから玩具を手に取ったという人。
家族で参加していて、交流を楽しんでいる人たち。
面白そうだと思って集まってきた子どもたち。

思い出を語る人。これから思い出になる人。
そういった人たちの話を聞きながら、師呉はこの時間を楽しんだ。

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