let's go ハワイニャンランド！｜リアクション

let's go ハワイニャンランド！

■スプラッシュハワイニャーン
　ウレタンの壁から横っ飛びにジャンプして、神薙焔はライフルウォーターガンを発射。
　ころごろ転がると、マシンガンのように連射された水をよけながら別のウレタン壁の裏へと潜り込む。
「サバゲーならぬスプラゲーってところかしら。こういう試み、悪くないわね！」
　相手の射撃が止んだタイミングで飛び出し、狙い澄ましてショット。
　顔面に水を浴びせて、焔はにやりと笑った。

　さて、なんでこんなコトになっているのか説明せねばなるまい。
　サバゲーショップがなんでかしらんけど配っていたプールのチケット。日中のサバゲーは暑さとだるさにさいなまれるのでプールや温泉が恋しくなるので、まあ置いてあったら行くよねという話で……。
「このコテコテのハワイ感、なかなか楽しめそうじゃないの」
　可愛い水着に身を包み、焔はハワイニャンランドでやってきた。
　動き回っても崩れないしっかりホールドのビキニと、セットでついていた猫耳をこの際だから被っちゃって、もう気分はスペシャルシーレジャーである。
　よく海外にある『ニポン！　スシ！　サムライ！』みたいなコテコテのエセ日本感がかえっておもしろかったりするが、本場をよく知る焔からするとこのコテコテのエセハワイ感は、いかにも遊びの場という気分になれて悪くないのだ。
　さておき。
「流れるプールでぷかぷかっていうのはあたしの趣味じゃないわよね」
　きょろきょろと見回し、まずは。
「ひゅう！」
　ウォータースライダーで加速に加速を加えてスリリングに楽しみまくったり。
「せーの、っと！」
　高い飛び込み台から宙返りをかけながら華麗に飛び込んで見せたり。
　プールでここぞとばかりにスリリングな遊びに興じてみたのだが……。
「うん、まだちょっと物足りないわね。サーフィンできないのかしら？　できないわよね。うーん……ん？」
　ふと、浅いプールエリアが風変わりな様相になっていることに気がついた。
　元々は膝くらいまでの浅いプールがひろーく展開していて、ちょこちょこと吹き上がる噴水を浴びながらまあまあのんびりするためのエリアだったようだが……今はウレタンの壁が所々に設置され、美観を整えるオブジェにしては見通しの悪い状態になっている。
　まるで屋内サバイバルゲームの疑似土嚢のような……。
「はっ、まさか！」
　焔の目がきゅぴーんと光った。
　探してみればあるあるある。『レンタル百円』と書かれたウォーターガンだ。メーカーがここぞとばかりに使わせて購買意欲をあおろうとしているのだろうか。しかし広いリゾートプールに水鉄砲を持ち込んで思う存分打ち合いができるとあれば乗らぬ手は無い。
　焔は即決で飛び込んだ。

　そして。
「ふう、遊んだ遊んだ……」
　思う存分水鉄砲で遊んだ焔は、サウナでまったり身を休めるのだった。

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