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《彼とぼくらの百鬼夜譚》 月魄の姫君 1
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ただの使用人と言うには妙な貫禄を持つ老婆だった。結い上げられた髪は真っ白で、最低でも80は軽く超えているように見える。
「当宅に何用でごさりますか」
老婆は、まだ呼び鈴のハンマーを握っていた樹をじろりと見上げて問うた。言葉は丁寧だが声は冷ややかで、面もやぶにらみの仏頂面。来客に対し愛想よく振る舞う気はないようだ。
それどころか殺気まじりの敵意がにじみ出ているのを感じ、刀は樹を背に隠すように前に出て老婆の気を引いた。
「すみません、俺たち道に迷ってしまって。寝子島駅ってどこでしたっけ?」
「……駅? そこの坂を下って、西のほうに行けば着きますよ」
うさんくさげに見上げながらも答えてくれたことから、刀はさらに踏み込んで問う。
「ありがとうございます。
ところでこの香り、すごいですね。何の花でしょうか? この館で育てていらっしゃるんですか?」
とたん、目に見えて老婆の目つきが険しくなった。
サッと袂から取り出した何かで鉄柵越しに刀を打とうとする。
「!」
刀はとっさに後ろへ退いて逃れたが、右手の甲を何かがかすめた。
「帰れッ! 何度来ようと無駄なこと。きさまらなどにおひいさまは渡さぬわッ!」
「……は?」
唐突な激昂に驚いて何も言えないでるうちに、老婆は威嚇のように持った枝で数回、宙に×印を描くように振ると、そそくさと館内へ戻ってしまった。
鉄柵に当たって落ちた葉の1枚を友幸が拾い上げる。
「月桂樹やな。太陽神の加護を持つ聖なる枝や。
これ、目隠し用か思たけど、よう見たら全部月桂樹やな」
友幸は鉄柵に沿って敷地内に植えられた木を見上げた。
「何か分かりましたか?」
「いや、まーったく」
遥斗の言葉に友幸は首を振った。
「これだけでは何も分からへんよ」
「……やっぱり忍び込むしかないか」
刀がつぶやく。門の鍵は頑丈な南京錠で、鍵なしでは開きそうにない。
「さっき腹いっぱいになったことだし」
と勘三郎はろっこんでふたたび腹ぺこガラスに変身し、あっという間に鉄柵を跳び越え、2階のベランダにちょこんととまった。ちょんちょんと跳ねて室内を確認した腹ぺこガラスは、ベランダの向こう側へ消える。
刀は荷物を下ろすとドアからは死角になる位置の、鉄柵の埋まったコンクリートへ足をかけた。ろっこんが無事発動できることを確かめていると、カラスになった勘三郎が飛び越えるのを見た樹がいかにも衝動的と分かる驚いた声で口走るのが聞こえた。
「私たちの知る寝子島じゃないとはいえ、さすがに不法侵入はまずいんじゃないですか?」
刀は答えなかった。
思わず口走ったものの、樹とてほかに良い案があるわけでもない。あの調子では、老婆はもう出てきてくれないだろうし。
倫理と好奇心、そうしなければ現状を打開できず、帰れないかもしれないとの懸念に深く葛藤した末、忍び込むことに渋々ながらも折り合いをつけた樹は、ろっこん
加速
を用いて一瞬で鉄柵を飛び越えた――ように見えた――刀のあとを追うように鉄柵をよじのぼり、どうにかこうにか向こう側へ飛び降りた。
木が遮蔽物となるおかげで館からは見えないとはいえ、用心してナフキンとマスクで顔を隠し、どこか忍び込める場所はないか探して刀とは反対方向へ向かう。
それ以上進む前にと振り返った刀に、遥斗は手振りで「自分は周囲を調べてみる」と伝えた。そして、「オレも行くよぉ」と志願した瑠樹とともに柵沿いに歩いて離れて行く。
侵入した3人の荷物番として残るらしい友幸と孝明を確認してから、刀は目的の場所へ向かって移動を開始した。それは、庭に作られたガラスの温室だった。
フランス窓から見える室内に人影がないことを確認し、木の影にまぎれて迂回しながら近づく。
温室は全面透明なガラス張りだったが、西日を浴びた木の影と落日直前のうす暗さで、外からではほとんど中が見通せなかった。
(このにおい。花の香りということは、順当に考えてここからなんだろうな)
鬱蒼と茂る葉の隙間から覗いてばかりではよく分からない。
ドアにはやはり南京錠がかかっていた。かといってガラスを割るのは短絡的だ。割れた音が響いて侵入に気付かれる可能性が高いし、中の植物に多大な影響を与えるおそれがある。
どうするべきか、刀は悩んだ。
他方、鍵のかかっていない窓を見つけてこっそりなかへ入った樹は、靴を脱いで足音を消して、そろそろと館内を歩き回っていた。
館内には使用人が何人もいて、そのだれもが年配の女性だ。こころなしか、全員あの老婆に似ている気がする。
(全員身内なのかな)
身内を推薦して雇用してもらうのはよくあることだ。
(にしても、10人以上ってすごい数な気がするけど)
とりあえず今は深く考えることはやめて、柱の影に隠れるなどして探索を続ける。そして先の老婆の声が聞こえる部屋を見つけてドアに耳をくっつけたとき。後ろから、ポン、と肩をたたかれた。
「!?」
「シッ」
勘三郎だった。
部屋のなかの声がこちらに近づいてくるのを感じ取って、ふたりはささっと花瓶を置いた棚の後ろに隠れる。
ドアが開き、先の老婆が出てきた。
「――じきに日が隠れます。くれぐれも油断しないよう、館内の者に伝えなさい」
「かしこまりましてございます」
「あの男の手の者は、ひとりたりとわが敷地内には入れません。決して」
「ご安心くださいませ、奥さま。月魄の者はあの柵を越えることはできませぬゆえ」
老婆は頭を下げると静かにドアを閉め、勘三郎たちの潜むほうとは反対のほうへ歩き去った。
「私、あのおばーちゃんのあとをつけてみますね」
こそっと勘三郎に言って、樹はそろそろと老婆のあとを追って行く。
(俺はどうすっかな)
ドアの前で頭を掻いていた勘三郎の腹が、そのとき突然くるるっと鳴った。
(――げっ!)
あわてて腹を押さえ込む。
さっきの変身のせいだ。
(まさか聞かれてないよな……)
との期待もむなしく。
「そこにいるのはだれです?」
先に「奥さま」と呼ばれた女性の声がして、ドアが引き開けられた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
定員
15人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月30日
参加申し込みの期限
2017年08月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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