this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
《彼とぼくらの百鬼夜譚》 月魄の姫君 1
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
…
10
つぎへ >>
その日も
曖浜 瑠樹
はいつも通り家を出て寝子島小学校へ向かっていた。
歩行に合わせ、背中のランドセルでラピちゃんとサンマさんストラップが揺れている。
(そういえば……孝明おにいさんは、寝子小卒業して中学生になったんだよねぇ……元気してるかなぁ?)
寝子島小と寝子島中はとなり同士だが、意外と登下校で一緒になることがなかった。校内で偶然顔を合わすということもなく、一緒の学校じゃないというのは思っていたより全然違うのだなぁとしみじみ思う。
毎日通っている道だからと、つい無意識で歩いていた瑠樹は、あと半歩も進めば電信柱にぶつかるというぎりぎりのところで足を止めた。
「えっ?」
こんな所に電信柱なんかあったっけ? 首を傾げる瑠樹の目に、電信柱に貼られた金属の板に書かれた文字が飛び込んだ。
『寝子島署まで五十米』
「……え? ええー……?」
(寝子島署、って、確か旧市街……)
シーサイドタウンにいたはずなのに?
「それに、太陽が西に、って……」
わけが分からない。
「とにかく、だれか探して、聞いてみよう」
言葉に出してつぶやいて、うん、とうなずいた瑠樹は歩き出した。
ここが旧市街なら道は分かる。まずは大きな道に出て、それから商店街のほうへ行ってみよう。
それから……。
(なんだろ? 花のにおいがする……何の花かなぁ?)
花だというのは分かるが、種類までは分からない。
でも、すごくいいにおいだ。
人を探して、たくさん人のいそうな所を目指して歩いていたはずが、知らないうちに花のにおいをたどるようになっていた瑠樹は、自分を呼ぶ孝明の声ではっとわれに返った。
声のした方を向くと、学生服姿の孝明がこちらへ走ってくるのが見える。
「孝明おにいさん……」
「「どうしてここにいるの?」」
同時に同じ言葉を口にしていた。
「……ああ、そっか……。瑠樹くんも同じなんだ……」
「なーんや坊主。おまえもここ来てもうたんやな」
孝明の後ろから、遅れて青年が歩いてくる。もうひとり、知らない男性の姿も見えた。なぜか歩きながら弁当箱のおにぎりをモシャモシャ食べている。
(向こうの人は知らないけど、こっちは見覚えのある人だ……ええと……)
「この前学校に来てた、占い師のお兄さん!」
指さして言われたことに、友幸はかっくり頭を落とした。
「……ああ、うん……まあ、ええよ、それでも……」
「えっ? えっ?」
何この人? 落ち込んでる?
「孝明おにいさん、オレ、何か悪いこと言っちゃった?」
「ううん、瑠樹くんは何も悪くないんだよ。でもできたら、華徳井さんって呼んであげてくれるかな」
こしょこしょと孝明から小さな声で言われて、瑠樹はあらためて友幸を見上げた。
「ええと。華徳井さん。華徳井さんや孝明おにいさんに会えて、オレ、うれしい。ここって旧市街? オレ、シーサイドタウンにいて、学校へ向かってたはずなんだけど、一体何が……」
「ぼくたちも分からないんだ」
答えたのは孝明だった。
「気付いたら周りがこんなふうになってて。
それで、このにおいのする所へ向かっている途中なんだけど、瑠樹くんも一緒に行ってくれる?」
「いいよぉ」
瑠樹は二つ返事で了承した。
「ほな行くで」
と先に立って歩きだした友幸について、西日に照らされた坂を上っていく。
だが、やはり行けども行けども道を歩く者はいなかった。
道の両側、その裏の細道の先に続く家々も廃屋という感じはせず、玄関先にはよく手入れされた花壇や鉢植えの木が並び、子どものオモチャなどが転がっていたりするのに。
「だれもいないのかなぁ?」
ぽつっとつぶやく瑠樹がさびしそうに見えて、孝明も何か言ってやりたかったが、かける言葉が思い浮かばない。
そのとき、にゃあんと猫の鳴き声がした。壁の上に白黒ぶちの猫が座っている。
「あ。ねえ見て瑠樹くん。猫がいるよ?」
「にゃんこだぁ!」
瑠樹はうれしくなって、タタタっと壁に走り寄った。猫は逃げずに瑠樹を見下ろしてにゃあんとまた鳴き、後ろ足で首を掻く。もこもこの毛の奥で、鈴がチリチリと鳴った。飼い猫なのだろう。
「かわいいね」
「ねえ! にゃんこがいるってことは、わんこもいるってことだよねえ?」
「おるで。もちろん人間もな」
道の真ん中に立ち、ふたりが戻ってくるのを待ちながら、友幸が答える。
「え?」
「家から出てないだけや。しっかり家んなかには気配あるわ」
「そうなのか?」
とは勘三郎。
「あ、弁当ありがとな。うまかった」
最後のひとかけらまできれいに平らげて、にこにこ笑って空の弁当箱を孝明に返す。
「いいえ。お口にあってよかったです。おばさんに伝えておきますね」
孝明はうれしそうに受け取り、弁当箱をかばんに戻した。
「んで。家んなかには人がいるんだって話だったよな。
玄関たたけば出てくるかな」
「かもな。けど、あっちが先や。なーんや、先客もおるみたいやしな」
先客、と言われて、瑠樹たちは友幸が見上げる道の先を見た。
勘三郎はカラス姿のときに空から一度見ていたが、近くで見ると細部まで観察ができる。
生垣の向こう、横道を挟んだ反対側には黒い鉄柵が続いていた。鉄柵の向こう側は密集した木が目隠しとなっていてよく見えないが、木を越えた部分、ドーム型になったガラスの天井みたいな物と、白い洋館の2階~屋根部分が見える。屋根の色は紺色だった。
ごく普通の、何の変哲もない洋館だが、今までずっと日本家屋が続いてきたせいか、そこだけ突然洋風になっていることに少し違和感を感じなくもない。
(洋館……かぁ。星ヶ丘とかにありそうな洋館だけど、旧市街に洋館ってあったかねぇ……?)
あそこには何があったんだっけ、と考えてみたが、残念ながら瑠樹は思い出せなかった。
孝明に訊いてみようかとも思ったが、鉄柵の前に立つふたりの人影を見て、尋ねる機会を失った。
ほぼ同時に向こうも3人に気付いて、こちらへ駆け寄ってきたからだ。
そのふたりには瑠樹も見覚えがあった。前に異世界の小学校へ閉じ込められたとき、助けにきてくれたおにいさんたちだ。
(……これって偶然?)
瑠樹は胸をどきどきさせながら、遥斗と刀を見つめた。
「おひさしぶりです」
優木 遥斗
は礼儀正しく、まず友幸にそうあいさつをした。それから孝明と瑠樹にも声をかける。そうしてあらためて友幸に目を戻した。
「あなたがいるということは、また何かこの町で起きているのですか?」
「んー。半分当たりで半分はずれやな」
「半分?」
「何か起きとるのは確かやけど、おれがおるからやない。おれもあんたらと同じ、
巻き込まれ
や」
「そうですか」
遥斗は少し落胆したが、それを上手に隠した。坂を上がってくる友幸を見たとき、またあのときのように解決策を示してくれるのではないかと少し期待する思いがあったのだ。
だがそれでもこの異常事態にあっても平常心を失わず、何かあったら相談できそうなおとながいることは心強かった。
「やっぱ、においはここからしよるなあ」
クン、と鼻を鳴らして、友幸は鉄柵でできた門を握った。押したり引いたりしてみたが、門はガチャガチャ鳴るだけで開かない。
「鍵がかかっています」
「そこにピンポンあるけど、鳴らした?」
電動ではないので正確にはピンポンでなく呼び鈴、ドアチャイム、ドアベルと呼ばれる物だが、友幸にこだわる気はないようだ。
「はい。でも、だれも出てきませんでした」
「ふーん」鼻をこすったあと、くしゃみをした。「にしても、すっごいなー、これ。いくらええにおいでも、ここまでキツいとシャレならんわ」
友幸の言葉に、遥斗は刀と目を合わせた。3人に気付く前、ちょうど彼らも似たようなことを話していたのだ。
遥斗は、建物のどの位置から一番そのにおいを感じるか確認したかったが、発生源にここまで近づくと、もうひたすら濃いということが分かるだけで、どこが強くてどこが弱いのかまでは分からなかった。
「やはり、どうにかして中へ入って調べるしかないか……」
鉄柵の隙間から洋館を見上げたとき。
視界の隅に、坂を上ってくる少女の姿が入った。
少女・樹のほうはとうに彼らに気付いていたらしく、遥斗が気付いたことがうれしそうにぶんぶん手を振っている。そして一気に駆け上がってくると、ぴょんっと跳ねて両足を揃えて立ち止まった。
「こんにちはっ! あなたたち、もしかしてここの人ですか? 私、
新田 樹
っていいます。よろしくね!」
「ちゃうよ。たぶん、そう言うあんたと一緒。
華徳井 友幸や。まあよろしゅーな」
「
長田 孝明
……です」
友幸のとなりで孝明も頭を下げてあいさつをする。
「あ、呼び鈴」
ふたりの後ろ、門の高い位置についている呼び鈴を見つけて、樹は鉄でできたチャイムの下のハンマーを振って鳴らした。
少し待ってみたが、だれも出てくる気配がない。樹はもう一度振った。待つ。出ない。もう一度。もう一度。もう一度。もう一度……。
最後には待つこともしなくなり、ひたすら振ってリンゴンリンゴン鳴らしていると。
根負けしたのか、ついに洋館の鉄製のドアが引き開かれて、中から着物姿の腰の曲がった老女が出てきた。
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
《彼とぼくらの百鬼夜譚》 月魄の姫君 1
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
定員
15人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月30日
参加申し込みの期限
2017年08月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!