ともだち１００にんできるかな！｜リアクション

ともだち１００にんできるかな！

●新しい学校生活

　寝子島小学校始業式の日は、とても良いお天気で朝からポカポカ陽気です。

「俺も今日から２年生か」
　佐藤プリンス雄太は、可愛い女の子と知り合いになりたいと期待に胸を膨らませていました。
　雄太がこの１年で大きくなったように、クラスの女の子も成長して可愛くなっているはず。
　女の子と仲良くなる手段を考えながら学校に行くと、１匹の猫が足もとにすり寄ってきました。
「猫をきっかけに仲良くなる、という方法もあるね」
　甘えた声で鳴いてすり寄る猫を見て、ろっこんであるお願いをしました。
「俺がそばにいる時に、女の子が撫でさせてくれるようにしてくれない？」
　学校の敷地内にいるネコさんたちにお魚を用意するから、と両手を合わせて交渉をしています。
　お魚くれるならいいよ、と猫は雄太のお願いを引き受けてくれました。
「ありがとう！　仲良くなるきっかけがあると、仲良くなりやすいよね！」
　猫は「約束忘れないでね！」と言うと他の猫のところに行ってしまいました。

「春休み短いよな～」
　学校に向かいながら白石龍樹は愚痴っていましたが、学校で皆とおもいっきり遊べることを楽しみにしています。

「今日から小学４年生だよぉ」
　わくわくして早く学校に来てしまった曖浜瑠樹は、クラス替えはどうなってるか気になっているようです。
　学校に着くなりクラス替えの張り紙が張り出してあるか見に行きましたが、ありませんでした。
「あれぇ？」
　どうしてかなぁ？　と思い、廊下を通りがかった先生を見かけたので聞いてみました。
　すると、クラス替えがあるのは３年生と５年生だけ、ということでした。
「……クラス替えって、新しい３年生と５年生のクラスだけ？」
「そうだよ。来年になったら、新しいクラスになるかもしれないね」
　先生はそう言うと、職員室に行ってしまいました。
「お前、４年生はクラス替えないこと知らなかったのか？」
　先生と話しているのを見ていた龍樹にそう言われたので、瑠樹は去年、３年生になる前に転校してきたことを話しました。
「そうだったのか。残念だったな。５年生になったらあるから、そん時、楽しみにしてろよ」
　じゃな！　と龍樹は自分のクラスに行きました。

「……そっかぁ、去年のがクラス替えだったんだねぇ！」
　転校してきた去年のことを思い出し、転校早々クラス替えで新しいクラスになり、新しい友達ができたんだと思うと瑠樹は嬉しくなりました。
「おはよう、曖浜」
　そう考えてニコニコしていると、桃井かんなが挨拶をしました。相変わらずのクールさです。
「おはよう、桃井さん」
　クラス替えがない、ということは、４年生でも、かんなと同じクラスです。
「桃井さんとも、同じクラス……わぁーい！」
　同じクラスだからって喜ぶなんて、バカ男子だね。と言って呆れるかんなでしたが、本当は嬉しいようです。
　クールに振る舞っていても恥ずかしがり屋さんなので、素直に「また同じクラスで嬉しいよ」とは言えないのです。
「早く教室に行こう」
　かんなと一緒に、瑠樹は４年２組の教室に向かいました。

　龍樹もクラス替えがないので、クラスメイトは変わり映えしない顔ばかりです。
「おっはよー！」
　それでも、久々に登校してきた友達に元気に挨拶し、ゲームの話で盛り上がりました。
「お前『ねこじまクラフト』買ったのか！？　すげえ、今度やらせてくれよ！」
「いいぜ。今度、家に遊びに来た時にな」
　友達と話し込んでいると、隣のクラスに転校生が来たという噂が。
　可愛い女の子かもしれない！　と男子達は隣のクラスへ駆け込みました。

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