ともだち１００にんできるかな！｜リアクション

ともだち１００にんできるかな！

●心機一転の学校生活

「ここが新しい教室なんだねぇ」
　早く来たこともあり、教室には瑠樹とかんなの２人しかいません。
　新しい教室、新しい自分の席。わくわくしながら、去年と同じクラスメイトを待ちます。
　新しい席に座って見る窓の景色は、いつもよりちょっと違って見えました。
「おはよう」
　教室に入ってきたクラスメイトが挨拶したので、景色を見るのを一旦やめ、瑠樹も挨拶を。
「おはようー！　今年も１年、よろしくなぁー！」
　ゆるっとした笑顔で、明るく挨拶をすると「４年生になっても元気だね」と挨拶した子に言われました。
「オレはいつでも元気だよぉ」

　佐藤プリンス雄太は新しい教室に入るなり、かわいい女の子がいないかを調べています。
（あ、あの子、可愛いな……）
　入学したばかりの頃は学校生活に慣れるのに必死で気づきませんでしたが、かわいい子が何人かいました。
（あの子達とお友達になれるかな……）
　女の子達を見ながら、どうしたら仲良くなれるか打診しています。
　可愛い女の子と仲良くなれるかどうかは、一年間を過ごすうえで大きな違いだと雄太は思っています。
（仲良くなるためには、エロトークは封印だ！　仲良くなる前にそういう話題を出すとひかれることが多いっていうし）
　１年かけ女の子と仲良くする勉強をした努力家さんは、ある程度仲良くなるまではひかれないように我慢、と決意しました。
　新しい教室でクラスメイト達と話をしていたりしているうちに、始業式の時間となりました。
　クラスメイトは変わりませんが、担任の先生はどうなるのでしょう。
　去年と同じ先生か、それとも新しい先生になるのか。先生になったばかりの新しい先生になるのか。
　皆、気になって仕方ないようです。

「自分も今日から５年生。新しい一年なので、新しい目標を掲げて始めたいっす！」
　５年生になったからには去年以上にしっかりして、少しでも下の子達の手本にならなきゃいけないっす！
　気合が入る剣崎一心は、その第一歩として、苦手な事を克服することにしました。
　一心は剣の腕を鍛える事ばかりやっていたせいで、女の子との交流は皆無です。
　ということもあり外見が女の相手は赤面し、恥ずかしくてまともに会話できないという弱点があるのです。
「今年の目標は『女の子への苦手意識をなくす！』っす！」
　具体的には、最近良く会う桃井かんなとちゃんと話ができるようになりたいと思っています。
（想像するだけでも恥ずかしいっす……でも、一度決めたからには覚悟を決めるっす！）

　緊張しながらクラスが替わっていないか掲示板に張り出されている紙を見て確認していると、金髪の女の子が近づいてきました。
　覚悟はしていても、都合良く女の子と会うなんてことが……さっそくありました。
（いきなり、女の子とお話することがあったっすー！？　お、落ち着くっす！）
　今こそ努力の時！　と近づいてきたトワ・E・ライトフェロゥの顔をちゃんと見て挨拶をしました。
「お、おはようっす！　自分は５年３組の剣崎一心っす！　クラス、替わったっすか？」
「class change？　クラスが替わるとー、教室と人が変わるデス？　ではトワも替わ……」
　替わるのデショウカーと言おうとしたトワでしたが、クラスが替わっていました。
「トワも５年３組デス！　同じデスね、イッシン。ヨロシクデス！」
「よ、よろしくっす……！」
　今まで女の子の顔をちゃんと見てお話できなかったり、緊張してお話できなかったりでしたが、一心なりに頑張ってトワとお話しました。
「な、何か失礼なことを言ったようなら謝るっす！　こ、これからはそんなことしないよう頑張るので、どうかよろしくお願いするっす！」
　そう言って頭を下げると、一心はダッシュで新しい教室に行ってしまいました。
　失礼なことは何もしていないのに、どうして謝るのデショウ？　と不思議がるトワでした。

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