ともだち１００にんできるかな！｜リアクション

ともだち１００にんできるかな！

●授業風景

　４年３組の１時間目は国語。新しく習う漢字の書き取りをしています。
「俺、漢字の練習、嫌いなんだよな……」
　授業中についボーッとして、ゲームのことを考えてしまうことがある白石龍樹は先生に注意されることがあります。
「白石くん、集中して書く！」
　国語の教科書で頭をポン、と叩かれ、先生に注意されてしまいました。
（集中してって言われるけど、いつの間にか、いろいろ考えちゃうんだもんしかたねえじゃん）
　１時間目から集中できねぇよと愚痴りながらも、龍樹は書き取り帳に漢字を書きました。
「２組は体育か。いいなあ」
　教室の窓からグラウンドを見ると、４年２組の生徒が体力測定をしていました。
　身体を動かすことが好きな龍樹にとって、体育の時間はとても羨ましいものでした。

「あいつ……足速いじゃん」
　５０メートル走をしている男子を見て、桃井かんなはちょっと感心していました。
「次、桃井さんの番だねぇ。頑張ってねぇ」
　既に走り終わった曖浜瑠樹にそう言われたので「わかってるわよ」とちょぴり不機嫌そうなかんなでした。

　身体測定は、６年生から行われています。
　佐藤瀬莉は身長が少しだけ伸び、胸の膨らみが少しだけ感じられるようになってきました。
（やった！　少し背が伸びた！）
　身体測定が一通り終わると、仲の良い女の子達と「どうだった？」と結果の話で盛り上がったりしました。
　身長が伸びて嬉しい子もいれば、体重が少し増えて落ち込んでいる子もいます。
　年頃の女の子は、わずかな身体の変化に一喜一憂するようです。
　仲の良い子と話をしているうちに瀬莉が気づいたのは、自分は、皆より胸が小さかったということでした。
（……でも気にしないもん、あたしには時計職人になる夢があるんだから）
　将来はモデルとかになりたいというのでしたらスタイルは気になりますが、将来は時計職人になりたいと思っている瀬莉は気にしていないようです。
（……でもやっぱり、胸はもう少しあったほうがいいな）
　と思いきや、少し気になっているようでした。

　身体測定が終わった後の授業は、レクリエーションとして、６年生はドッジボールをすることに。
　体操服に着替えてグラウンドへ行き、体育倉庫からライン引きを持ってきてコートを作ります。
　４組は、３組と対戦しました。
「ちょ、ちょっとこっち投げないでよ！」
　指を怪我すると趣味の懐中時計いじりができなくなるじゃない！　と、瀬莉は必死でボールに当たらないようコート内を逃げ回ります。
　クラスメイトの間を掻い潜って避けたりしているうちに、いつの間にか、残ったのは瀬莉だけになっていました。
「瀬莉、頑張って！」
「佐藤、最後まで残れよ！」
　コートの外で、クラスメイト達が応援してくれています。
　皆の期待に応えるよう頑張るんだから！　とボールを避けきった瀬莉でしたが、背中に当てられてアウトに。
　残念ながら、４組は負けてしまいました。
「皆……ごめんね」
　負けてしまいましたが、次、頑張ろう！　とクラスの皆は瀬莉の頑張りを褒めてくれました。
　３組とのドッジボールで最後まで残った瀬莉に続け、と４組の生徒の奮闘の甲斐あり、次に行われた２組との勝負は勝ちました。
「やったぁ！」
　勝つと嬉しいもの。４組の皆は、ジャンプして大喜びしました。

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