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釣りしましょう
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「……釣れないわね」
どうやら最初の1回は、ビギナーズラックだったらしい。
あれから場所を変えるなどしてみたが、全然釣れない。それどころかあたりもこなくなってしまった。
「まあまあ。昼食用分くらいは釣れているでござるから」
ほおづえをついて深々とため息を吐き出す蒼に、なだめるように零が言う。さすがベテラン、零のクーラーボックスにはすでに10匹を超える魚が入っていた。
「それはそうだけどぉー」
やっぱり自分が釣った魚がいいわよね、と猫サブレをかじりつつ紗那のほうを向いた蒼は、堤防のほうから歩いてくる青年を見て「おや?」となった。
青年には見覚えがあった。
御剣 刀
だ。
ほぼ同時に刀も蒼や紗那に気付いたようで、目が合うと軽く会釈をしてきた。
「御剣さん、こんにちは。きのうはありがとうございました。釣りですか?」
「こんにちは。紗那さんも?」
「はい」
「何か釣れた?」
と訊かれ、紗那は首を振った。
「全然。もう1時間以上こうしてるんですけど」
「そうか。まあここは、引きのときにも食いが立つことが多いから、そのときを待てばいいよ」
刀はまさにそれを狙ってきたのだ。
「それより――」
中山は、と訊きそうになったが、この場にいないのはあきらかだった。イスや竿もなく、ちょっと席を外している、というようでもない。
(進展はなかった?)
紗那の向こう側にいる蒼に目で問うと、こくこくうなずいて、目線で向こうの岩場を指してきた。
そこには紫や虹子とともに喬がいて、何か書いている。
(なるほど)
やれやれと思いつつ、簡易イスや竿を出し、手慣れた作業で準備を整えるとさっそく釣りに入った。
ふたりに何かしら事情があるのはうすうす感じてはいたが、部外者だし、当事者同士で解決できるならそれに越したことはないと思っていた。しかし丸1日経っても変化なしということは。
(本人だけじゃ、どうしようもないってことなのかな)
ちら、ととなりの紗那を伺うと、複雑そうな表情で、巻き戻した糸の先を見ていた。
「生き餌でやってみる?」
「え? でも……」
眉をひそめてふたりの間に置かれたゴカイの入ったパックを見下ろしているのがサングラス越しにも分かる。気持ち悪くて触れないのだろう。
(確かに女の子には厳しいか)
「貸して。付けてあげるから」
ちょちょっと付けて、顔を上げると、紗那は岩場のほうを見ていた。
岩場ではいつの間にか人が増えていて、ポニーテールの活発そうな女の子が喬と話している。見た感じ、歳は紗那とそう変わらなさそうだ。
角度的に喬の様子が見えなかったが、女の子が笑顔で話しているところからして、話がはずんでいる……の、かもしれない。
きゃははっと笑う女の子の声がかすかに届いて、紗那はますます面白くなさそうにきゅっと唇を噛んでいた。
「気になるなら、行ってみれば?」
「べ、べつに、気になんか……っ」
「そう?」
「……ただ、あの人が楽しそうにしているのが、気にくわないだけ」
ぷい、とそっぽを向き、キャスティングをした。
ぽちゃん、と海に落ちて、糸が出てていくのを見守る。
「そんなに嫌い? 中山のこと」
「…………」
紗那は答えなかった。
答える気がないのだろう、と思ったころに、ようやくつぶやいた。
「大きらい。いつだってすまし顔で、人のことなんか知らないって態度で。今度だって、母さんがあんなになっちゃったっていうのに、さっさと密架伯母さまといなくなっちゃって!」
「あんな?」
「……ちょっと……入院……してたんです……。
それも、全部あの人のせいなのに! 父さんは母さんの世話をするために、会社まで変えて。わたしだって……。
いろいろ、大変だったんですよ? なのに、自分だけいなくなって、こんな所で好き勝手してたなんて!」
「そうか」
刀のつぶやきを聞いて、紗那ははっとなった。
「……ごめんなさい。御剣さんは関係ないのに……。
こんな所って、悪い意味で言ったんじゃないです。いい所だから、よけい悔しくて、腹が立つんです……」
「うん、分かるよ。
ま、 きょうはのんびりと海を眺めながら釣り糸を垂らそうよ」
本当は、ここに喬もいればよかったのだが、と刀は少し残念に思いながらあたりのきた竿を引いた。
その子は、昼食の準備をしているさなかに現れた。
「こんにちは!」
外見から受ける印象どおり、はつらつと元気よくあいさつをする。
「えへへ。あなたが紗那さん?」
「そうだけど……」
さっき喬と一緒にいた子だと、少し警戒する紗那に、女の子はさっと手を差し出した。
「私、
新田 亮
の妹で、
新田 樹
っていーます! よろしく!」
ああ、と声を発したのは刀だった。
さっそく捌いていた魚から目を上げて、樹を見る。
「新田の妹か」
「あなたが刀さんですね! 兄がいろいろとお世話になったそうで。兄から聞いてます」
と、樹は後ろの岩場を指さした。そこには亮もいて、やはり釣り糸を垂らしている。
「よろしく。――あいにくこの状態だから、握手はできないが」
「分かってます」屈託なく樹は笑って、刀の手元を覗き込んだ。「お上手ですね」
「ありがとう。
ああそうだ。来たばかりで悪いけど、よかったらお兄さんや中山たちを呼んできてくれないか? 一緒にお昼にしないかって」
「わっかりました! 行ってきまーすっ!」
ぴしっと敬礼のまねごとをする。そして向きを変える際、紗那にウィンクを投げてきた。
「あとで一緒に貝殻拾いしましょうね!」
あははっと笑うと樹は元来た道を浜辺に向かって走り出した。
「おい。おまえの妹、またこっちへ戻ってきてるぞ」
現れて以来、どうもあの底抜けのあかるさが苦手でていよく追い払ったつもりでいた喬は、堤防から駆け戻ってくる樹の姿に辟易しつつ言った。
が、返事がない。
「新田?」
振り向くと、
新田 亮
は真剣な顔で糸の先を見据えていた。
いつになく、と言うほど亮のことを知っているわけではないが、少なくとも釣りをする顔つきではない。
「……中山さん」
「どうかしたのか?」
「暴れる気配がなかったんで、魚じゃないだろうなとは思ってたんですけどね……。
これ、どうすりゃいいんですかね?」
海から引っ張り出した糸を掴み、ぷらんぷらんさせていたのは、えっちぃ本だった。
「! おま……っ」
「ゴミですよ、ゴミ。それは分かってるんですよ」
真剣な顔はそのままに、自分の釣果を見下ろす。
「水吸ってぶよぶよだし。破れて、汚れて、見えたもんじゃないです。でもちょっと見てくださいよ、この表紙の子。Gはありますよ。太すぎず細すぎず、ほどよい肉付きでむっちりした太もももなかなか……でも一番は、この顔! すげー俺の好みど真ん中なんですよ! この唇! ちゅーしてって言ってるように見えません!?
もー、えっろえろですよ!」
むはーーー。
「知るか!!」
あほかこいつ! と肩をいからせる喬の左右で紫と虹子が凍り付くような冷めた視線を亮に向けていた。
「んなことより、おまえの妹が戻ってきてるぞ。いいのか?」
「えっ? あっ、い、いや! よくないですよ!」
兄の威厳が!
あたふた針から本をはずしていた亮の手が、本を持ってぴたりと止まる。
じーーーー。
「おい新田」
「ひゃ!? やっ、もっ、持って帰ろうとか考えてないですよっ!? ゴミだから、海に戻すわけにもいかないな、って……。
そうだ、階段の降り口のとこにゴミ箱があったんで、そこに捨ててきますねっ」
愛想笑いを浮かべてそそくさとそちらへ向かおうとした亮は、喬たちの反応を気にするあまり、よく前を見ていなかった。
「いや、そっちは――」
妹が。と忠告しようとしたが遅かりし。
前を向いた直後、どんっと亮は妹に肩をぶつけてしまった。
「いいいいつきっ!?」
亮はあわてて後ろ手に回したがもう遅い。
「おやおや。お客さん、テイクアウトですか~? いけませんねえ」
樹は兄の弱みを握ってやったとばかりに大いばりでにやにや笑っていた。
「ばっ、ばかを言うな! 俺は、ゴミを拾ったから捨てに向かってるだけだ!
ゴミ拾いも釣り人の仕事だからなっ」
ふんっと鼻息荒く、逆ギレを装ってゴミ箱へ向かう亮を、樹はにやにやしながら見送る。嘘も本音も見抜いている、といったしたり顔だ。
そのやりとりを見ていた喬が紫に言った。
「妹ってああなのか?」
「……まあ、そうね。ああいうとこも、なくはない、かしら」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年06月29日
参加申し込みの期限
2017年07月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年07月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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