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●寝子ヶ浜海岸
(なんでこんなことになったんだ……)
堤防で、眼前に広がる海を見て、今さらながら
中山 喬
は思う。半ば、途方に暮れた思いだ。
本当ならこの春休みは、ずっと秋冬商品のデザインを考えて過ごすつもりだった。自分に課したノルマはデザイン帳2冊を埋めること。密架にも伝えてある。だから必然的に、訪ねてくる紗那の相手は密架がすることになる、はずだった。
(見抜かれてたんだろうな)
ため息をつく。と。
「あらあら。どうしたんですの? 中山さま。そのようなお顔をされて」
やけに明るい声で、
毒島 虹子
が後ろから話しかけてきた。
「……おまえか」
「ごきげんよう、中山さま。今日はいい釣り日和ですわね♪」
輝く笑顔で、見るからに上機嫌だ。そんなになるほど何かいい事が彼女にはあったのだろうが、その明るさは、今の喬からしてみれば、かなりうっとうしい。
喬はますます重いため息をはき出し、重い肩を無意識にさすりながら振り返った。
「なんでおまえまで来てんだよ。こういう生臭くって汚れるのは、おまえみたいなお嬢は嫌いだろ」
なのにしっかり釣り竿やクーラーボックスまで持って。
「あら。それは偏見というものですわ」にっこり笑って喬の視線を追い、クーラーボックスを持つ手を上げる。「これはお嫁入りした後、主人が釣りを好きになるかもしれないとお嫁修行の一環として揃えてみたものですわ」
「そうか。じゃあ大事に使うんだな」
いかにも無関心といった様子で言うと、喬はデザイン帳を手に歩き出した。
「どこへ行かれるんですの?」
「どこか適当な岩場でも見つけて仕事する」
「まあ。釣りに来たんですのよ? 密架さんもおっしゃっていたでしょう?」
「いちいちあいつの思いつきにつきあってられるか。大体、あいつは昔から――」
はっとして、そこで言葉を止める。
「……とにかく。釣りがしたけりゃあっちへ行け」
喬が指さしたのは紗那だった。釣り道具を手に、ほかの者たちと何か話し合っている。
そちらに目を移している隙に、どんどん離れて行こうとしていた喬を引き留めようとUVパーカーを掴んだ。
「っ! 放せよ! 服が伸びんだろーが!」
「あーん、折角こうやってお会いしたんですから、少しくらい付き合ってくださったっていいじゃありませんかあ」
「そうよ。それに、妹さんをひとり置き去りにするのは感心しないわね」
腕組みをした
仙藤 紫
が、いつの間にか前に回り込んでいた。
「ひとりじゃないだろ」
肩越しに見た視線の先で、紗那は紫の妹の
仙藤 蒼
と笑顔で話していて、楽しそうに見える。
「それでもよ。きのう出会ったばかりの者たちに囲まれて、緊張しないはずないでしょう?」
その言葉に、ああと思いあたる。
きのう紗那を見つけた店に行ったときに見た顔だ。
「……なら、きっとおれよりあいつと過ごしてるよ」
虹子の手から上着を抜き、横をすり抜ける。ポケットに手を突っ込み、岩場のほうへ下りて行く後ろ姿に、紫は深々と息を吐いた。
「まったく。これは根が深そうね」
きのうのことについては蒼からある程度聞いていたし、密架からの提案を聞いたとき、何かありそうだとはうすうす感じていた。
ふつう、釣りは初めてとはいえ、見知らぬ者たちを集めて放り込んだりはしないだろう。わざわざ本土から会いに来たのだから兄や、伯母の密架と過ごしたいと考えるはずだ。
だからここへ来るまでの道中、紫は注意深くふたりの様子を観察していた。それで分かったことだが、ふたりは不自然なまでに一切口をきかない。
喬が無口なのはいつものことだが、その後ろを歩く紗那も、話しているのは蒼や周囲の者たちとだけで、兄に話しかけることは一度もなかった。
今も、紗那のほうはどうかと見ると、蒼と話しながら離れていく喬をちらちら伺ってはいても、呼び止める気はないようだ。
ふたりの間に何かあるのは確実だが、完全に修復できないはずのものではないはずだ。もしそうなら、密架は自分たちに託したりはしないはず。
「ひとの事情を根掘り葉掘り聞く趣味はないけど、何があったかくらいは聞いておいた方がいいかもしれないわね」
ひとまず紗那のほうは蒼に任せることにして、紫は喬を追って行った。
「なんだ。まだ何か用か?」
喬を探して岩場の裏を覗く紫に、岩の上から声が降ってくる。逆光でよく見えないが、喬だ。
紫は手庇しをつくって、彼を見据えた。
「そうよ。あなたがどうしてそんな態度を取るか、知る必要があるわ」
「必要?」
「ええ。だって、密架さんはあなたたちに仲良くしてもらいたくてここへ送り出したのよ。あなただって気付いているでしょう?」岩に手をかけ、上っていく。「私は彼女の気持ちを尊重したいの。そのためには、知らなくては」
上がりきった紫が見たのは、眉を寄せた喬だった。しかし「帰れ」と言わないところをみると、それほど彼女の存在をうとましく思ってはいないのだろう、と見当をつけて、紫は横に腰を下ろした。
少し下では、虹子が投げ釣りをしている。
「で、あなたたちの間に何があったの?」
「……って言ってもなあ」
喬は頭を掻き、ほおづえをつく。
「何もないんだよ、マジで。同じ家に住んでたけど、口をきいたことがなかった。あいつはおれに近づいたこともないし、こっちも話しかけたことがない。……一番長く顔を合わせたのは、あいつが7つか8つのときかな。もうそのころからあいつはあんな目をしておれをにらんでた」
「思い当たることは?」
短い沈黙のあと。喬は突然こんなことを言い出した。
「『ラプンツェル』って童話知ってるか?」
「え? ええ。塔に閉じ込められたお姫さまの話ね。有名よね、映画にもなったし。
それが何?」
いきなり話が飛んだことに驚きつつも、紫は話を戻そうとしなかった。何か言いたくないことに触れてしまったのだろう、と思ったとき。
「あれ、魔法使いはどうして塔に閉じ込めたんだろうな?」
「ひとり占めしたかったからよね」
「他人から奪い取ってでもほしかった娘なのに、王子の存在を知ったとき、なんであんな簡単に放り出せた? その程度でしかなかったのに、どうして激怒できたんだ?」
「え、ええと……」
「
ラプンツェル
は想像力の欠如したばかで、とことん身勝手だ。自分のことしか考えない。だから恐ろしい
魔法使い
が何を考えているかどころか、塔以外の場所で何をしてるかなんて、考えない。
魔法使い
にも
魔法使い
のことを大切に思う家族がいて、ましてやそいつが自分のこと、どう思ってるかなんて、想像もしないんだ」
「……気付かなかったことを、責めているの?」
気付かずに親子断絶の原因となってしまっていたことが負い目か。
「悪いのは全て
魔法使い
だ。密架も親父も、医者も、そう言った」
だから喬に非はないのだと。入院している間、彼らは枕元でそう言い続けていた。
『あなたは全然悪くない』
「
ラプンツェル
はばかだっただけの被害者で、王子と塔を出られてめでたしめでたし。
童話はそれで大団円だけど、なかなかそうはいかねえよな、現実は。
……離れれば、なんとかなると思ったんだが」
現実では、愚かさは必ずしも免罪符となったりしない。
家を出るとき、「いつか時間が解決してくれるかもしれない」と密架は言った。あのときは、そんなものかと思ったが、しかし今もってそんな感じは全くしない。
紗那は紗那で、自分もあのころのままの自分だ。
「そうね。人の仲は、距離を取ったって改善しないわ。あなたの場合、相手が妹ということもありそうだけど。
これが弟だったら同性ということもあって多少はやりやすいかもしれないけれど、異性ということで分かりづらく感じているのかもしれないわね」
自分のほうを向いた喬に、紫はそう説いた上で、自分と蒼についてを話し始めた。
蒼は妹だし、姉妹だからだいぶ違うだろう。速攻で効くわけではないことは承知の上だ。けれど、少なくとも一歩は前に踏み出せるかもしれない。そうなることを願いながら。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年06月29日
参加申し込みの期限
2017年07月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年07月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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