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釣りしましょう
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「これでいいの?」
「うん。で、リールだが、上のほうを先にはさみ込む。それから下を差し込んでロックすればいい」
分解されていた竿をケースから抜き、傍らで
仙藤 蒼
がしているのを見よう見まねで継いだ
紗那
に、
旅鴉 月詠
が淡々と指導する。
「次にリールから引き出した糸を順に竿のリングに通していって――」
との月詠の指示に従って、紗那はなんとか組み立てを終える。それを見て
「紗那ちゃんの竿、立派」
蒼が言った。
「そうなの?」
釣りをするのは初めてで、釣り竿なんてまともに見たこともないから蒼や月詠が持っている竿との違いが全く分からない。
「うん。ほら、私のとちょっと違う」
「ほんと」
2つ並べて釣竿を見合っていると、突然ひょいと脇から手が伸びた。
「ふむ。こっちはちょい投げ用と言われているやつでごさるな」
「わっ!」
驚いてそちらを向くと、寝子高の制服姿の女の子が立っていた。
夏神 零
は正確には男の娘で性別は男子だが、外見的にはまるっきり女子だ。
そして紗那たちと同じく、手には竿が入っていると思われるロッドケースとクーラーボックスを下げていた。
「こんにちは」
「こんにちは。
おぬしたちも釣りでござるか?」
「はい。あの、わたし中山 紗那っていいます。あなたはどなた?」
「拙者か。拙者はただの釣り好きの神主、零だ」
「なんだ、零か」
そう言ったのは月詠だった。手には、組み立てを終えた自分の竿を持っている。
「おおう、月詠殿か。おぬしも参ってたでござるな」
声のしたほうを振り向いて、月詠に気づいた零はにぱっと笑う。
「お知り合いですか?」
「クラスは違うでござるが、同じ学年の芸術科クラスなのでござるよ」
こくこく、と月詠もうなずいて見せる。
「しかしこんな所で会うとは、うれしいでござる。月詠殿も釣りをされるのでござるな。今度一緒に船を借りて、沖釣りに行ってみないでござるか?」
随分古風な話し方をする人だな、と思う。そしてにこにこした笑顔や言葉が人懐こくって、なんだか話しやすかったので、紗那は訊いてみることにした。
「それで、ちょい投げ用って何です? それでないと駄目だったんでしょうか。私、分からなくて……これ、父が渡してくれた物なんです」
見てみると、月詠が持っているのも蒼と同じような竿だ。自分のやつの3分の2ぐらいしかない。
紗那が恐縮しているのを見て何か言ってやりたかったが、蒼も釣りは初めてなので何と言えばいいか分からなかった。レンタルショップで店員にきょうのことを言ったら、これがいいとお勧めされたのだ。
「ちょい投げというのは海釣りのスタイルのひとつで、それに適した竿というだけでござるよ。紗那殿のはそれより遠くへ投げられる遠投用の竿でござる。拙者の物と同じでござるな」
話しながら組み立てた零の見せた竿は、紗那の持つ竿と同じくらいの長さがあった。
「本格的な物でござるから、初心者には少し扱いづらいかもしれないでござるな。
この道を少し行けば釣り具屋があるでござる。そこでちょい投げ用を買ってくるのも手でござるよ」
どうする? と見られて、紗那は自分の竿を見た。
おそらく父親もよく知らないで買ったのだろう。仕事一徹の真面目人間で、こういう遊びには疎い人だから。
そういう人が、自分のことを気にして買ってきてくれた物だ。
紗那は「ううん」と首を振った。
「わたし、これでやってみる」
「であるか。
では、いざ参ろうぞ、われらが戦場へ!」
楽しそうに目をきらきらさせて、零は防波堤の先を指さした。
「これつけた方がいい。日差しが強いから」
ついて行こうとする紗那に、月詠は自分がしているのと同じサングラスを差し出す。
「貸してくれるの? ありがとう」
「あと1時間くらいしたら引き潮になるでござる。こういうときが意外と食いつきがいいのでござるよ」
先端に着き、場所を確保した零はクーラーボックスを開けて、さっき道沿いの釣り具屋で買ってきたばかりの釣りエサを取り出した。
「長いと思ったらちぎって使うでござる」
「……うぇえええーっ」
よくあるビニールパックの中に、ごそごそと多脚のミミズというか色白のムカデというか、それに似た生き物が複数絡み合いながらうごめいているのを見て、蒼は生理的嫌悪感にかられ、思わず顔をしかめる。紗那はどうかと伺うと、青ざめて声も出ない状態で固まっているようだ。
その横にうずくまって、月詠は黙々と自分のピニールパックからアオイソメをつまんで針につけていた。指でつままれたアオイソメは、キシャーっと抵抗するように歯をむいていたが、月詠は全く気にせず針を刺す。
そして見ているだけで動かない蒼と紗那を見て
「虫は苦手か?」
と訊いた。
「……すごく苦手ってわけじゃないけど、これはちょっと……」
蒼は顔を引きつらせながらも思い切って指を伸ばすが、パックのなかでうぞうぞと絡まりながら動いているアオイソメになかなか触れられない。
(絶対キモいわよ、これ……)
そのとき、業を煮やした月詠が、パックのほうを動かした。
ぴと。
「ギャーーーーー!!」
離れた岩場にいる姉の紫もびっくりな悲鳴をあげて、蒼はぱっと紗那の後ろに逃げ込んだ。
「だ、大丈夫?」
耳をつんざいた悲鳴に思わず耳を押さえながらも、紗那は肩にしがみついている蒼へと心配の手を伸ばす。蒼はきょろきょろ辺りを見回していた。
「どうかしたの?」
「さっき、背中に何かぶつかった気がしたんだけど……」
何もない。
「気のせいじゃない?」
「そうね。
あー、でも、びっくりしたあー」
ほっと胸をなで下ろした蒼は、顧みる余裕が出てきたのか、さっきの自分を思い出してくつくつ笑いだした。
「何笑ってるの」
ぷっ、と紗那も吹き出す。
「いや、だってさあ」
虫に触ったくらいで、中学生の後ろに逃げ込むなんて。
恥ずかしいやらばかばかしいやらで照れ笑っていると、零がケースを差し出してきた。
「苦手なら擬似餌もあるでござるよ」
「疑似餌?」
「あ。もしかしてこれのこと?」
荷物をがさごそして、似たケースを取り出した。竿とセットで借りたもので、なかにはオモリとかと一緒に、シリコン製エビやらミミズが入っている。蛍光カラーで見た目はまるっきりおもちゃにしか見えず、ぴんとこなかったが、これでも魚には十分ということだろう。
「それでござる」
「これでいいんだ」
紗那とふたり、ほっとして、疑似餌を取った。使用方法が分からなくて月詠の世話になったが、釣りの準備は整った。
「よーっし! じゃんっじゃん釣るわよー!
お昼は釣りたてのお魚よ、紗那!」
さっきの悲鳴はどこへやら。急に強気になって、意気揚々宣言している蒼にくすくす笑って、紗那は笑顔で返した。
「いいわよ。ただし、わたしの釣った魚でね! わたしも負けないから!」
「キャストはこうするでござるよ」
「キャスト?」
「投げ方でござる。今からするでござるから、よく見るでござる」
零は糸を竿の長さの3分の1ほど垂らして、リールのところで糸を指で押さえた状態から糸のベールをはずし、後ろを確認してから竿を振って投げた。
「思ったより振ってないのね」
「力はあまり関係ないでござるよ。肝心なのは右手の押しと左手の引きのタイミング合わせでござる。
さあやってみるでござる」
「……こう?」
零から遠投の仕方を伝授され、ぎこちなく竿を振る。
「海底について糸が出きったら、今度はゆっくり、這うようにリールを巻いて。「私は弱っちい虫です!」アピールしながらポイントを探す」
と今度は反対側の月詠から教わる。月詠がやっているのをまねて、ゆっくりと糸を巻き戻した。
「こうね」
「魚は斜面に集まりやすいんだ」
「へー、そうなの」
ふんふん、と素直に聞いて、うなずく蒼。
熟練者ふたりに挟まれてひとりだと恥ずかしいが、蒼と一緒だからかなり気が楽だ。
零と出会えたのは幸運だった。
釣りが大好きでよく通っている零はここの潮の流れをよく知っていて、魚の釣れやすいポイントを教えてくれ、そのおかげで蒼はさっそく20センチ程度の魚を釣り上げていた。
「トゲに毒のある魚もあるでござる。分からない魚が釣れたときは、訊くでござるよ」
針の抜き方を教えながら零が言う。
「分かったわ。ありがとう」
紗那はといえば、さっぱりだ。零や月詠にコツを教わっても、釣れる気配もない。その理由は、言われた場所へうまく投げ入れることができない紗那のほうにあった。
「紗那はぶきっちょね!」
竿の先で揺れる、魚のかかっていない糸を見て、にまにまと蒼が笑う。
「あの
中山 喬
の妹とは思えないな。姉から聞いたとこだと――ととっ」
しまった、仲が悪いんだっけ。
忘れてた、とあわてて口をとめ、自分の失言の影響をそろりと横目に見る。が。
「……すぐ覚えるもん」
思ったより冷静で、右のほおをぷくっとふくらませたくらいだった。
蒼は安心して、にやっと笑う。そして持ってきていた寝子島名物『猫サブレ』を取り出して、紗那に渡した。
「拗ねない拗ねない。これでも食べて、がんばりましょ」
「……ありがとう」
「まあ、そうなかなかは釣れないさ。おかげで忍耐力が鍛えられる」
エサをゴカイに変えた月詠は、独り言のようにそう言って腰を下ろすと竿をスタンドに引っかけ、スケッチ帳を取り出して描き始めた。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年06月29日
参加申し込みの期限
2017年07月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年07月06日 11時00分
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