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釣りしましょう
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「で、新田妹。おまえ、なんで戻ってきたんだ?」
「あ、そうだった」
訊かれて思い出した樹は刀の提案を話す。4人は亮が戻ってくるのを待って、紗那たちと合流した。
刀が捌いた新鮮な魚の刺身に加えて、行きのコンビニで買ってきたおにぎりやお茶をみんなで分けて食べる。クーラーボックスに氷と一緒に入れていたためお茶はよく冷えていて、ほてった体にちょうど良かった。
「魚はまだまだあるでござる。食べきれない分は、持って帰るでござるよ」
零が自分のクーラーボックスを開けて、なかの魚を紗那のほうへ移してくれた。
「ありがとう」
みんな和気あいあいと食事をするなか、ほら話しかけるなら今よ、と紫が喬をひじでせっつく。
(って言ってもなあ……)
正面に座った紗那を見る。紗那は左右に座った、喬の知らない友人たちと話していて、こちらを見ようともしない。
そもそも、どう話しかけていいのかも分からなかった。
(たぶん、親父とか……
あいつ
のことでも訊けばいいんだろうが……)
知りたくない。ずっとあのまま入院していてくれ、というのが正直な気持ちで、しかもそういう考えでいるのも見抜かれているだろうから、偽善と言われるのが目に見えていた。
きっかけを掴めずにいるうちに食べ終えた樹が立ち上がって、「さあ、貝殻拾いに行きましょう!」と紗那を浜辺のほうに連れて行ってしまった。
「宝探しみたいで、とっても楽しいですよ!」
と楽しそうに話す樹や月詠や蒼たちと去る紗那を、安堵混じりの複雑な思いで見ていると。
「ほらほら。見てくださいな、中山さま」
クーラーボックスから釣り上げたなかで一番大きな魚を持ち上げて、虹子が言ってきた。
「結構大きいと思いません? これ、何の魚でしょうね?」
「さぁな。アジとかサバとか、そのへんじゃねえか」
「適当ですのね」
「……おれが知るかよ」
さっきの続きでもするか、とデザイン帳を持ち上げる。
虹子はちらりと喬の見ているほうを見て、喬がこちらに顔も向けていないことを確認すると、そおっと近づきすばやく後ろからデザイン帳を抜き取った。
「あ、おいっ!」
「よく見てくださいな。魚って鱗から形状までそれ自体がアーティスティックですし、芸術の対象として掘り下げる分野であると思いますわ。それこそ魚の皮を使った民族衣装とか……ほらほら、中山さま。せっかく男の子にお生まれになられたのなら体を使って芸術活動してみませんこと?」
取り返そうとする喬を押しやったり。最後には奪われまいとするようにデザイン帳を抱き込んで、虹子は提案をする。
「……おまえ、そうしたらおれが手を出せないと思ってるのか?」
「ええ。試してみますか?」
声を低くしてのおどしにも虹子は屈せず、ますます挑戦的に見上げてくる。
力では勝てるが、デザイン帳を引きはがそうとすれば、どうやっても胸に触れずにはできない。
「…………」
「ほーらきれいなお魚さんをゲットゲット、ですわ♪」
がっくり頭を垂らした喬に、虹子は満面の笑顔で釣り竿を握らせて引っ張って行った。
「わーお。見て見て紗那さん。あれってお兄さんの彼女ですかね?」
貝殻を探していた手を止めて、樹は堤防の先を指でさした。
指の先では喬が美女にパーカーの袖を引っ張られて歩いている。振り払いもせず、引かれるままになっている相手は、さっきとなり合わせで座っていた美女だった。美女は笑顔で、喬が命の次くらいに大事にしている(らしい)、デザイン帳を脇に抱えている。
……なんだか胸がもやもやする。
「彼女じゃないわよ。だってあの人、全然かっこよくないし、口悪いし、性格だってサイテーだしっ」
「そうですか? ……まあ、紗那さんがそう言うなら……。
あ、そういえばお兄さん、オリジナルでデザインしたアクセサリーを売ってるんですよね! ほら、このネックレス。お兄さんが作ったやつなんですよ」
樹は喜々として、首元からネックレスを引っ張り出した。
細い銀鎖にワイヤーで巻かれた石やビーズがついていて、キラキラ光っている。
「こういうの作れるの、すてきですよねー。
私もこんなアクセサリーを作ってみたいです。お兄さんの雑貨屋さんって、アクセサリー教室も開いてるんですよね。今度、私も参加して――」
「……っ!
そんなの! 全然きれいじゃないっ!!」
ばっと突然立ち上がり、かんしゃくを爆発させて紗那は叫んだ。
びっくりして見上げてきた樹や蒼たちを見て、はっとわれに返る。
「……あ。わたし……。
……………………
ごめんなさい
……」
いたたまれず、紗那は小さな声で謝ると、身を翻して駆け出した。
「待って! 紗那!」
「……あの、すみませ……」
呼び止めようとする蒼の大声に重なって、蚊の鳴くような声がした。どん、と何かにぶつかった気がしたが、足を止めることができなくて、紗那はそのまま走り続ける。
「ああもう、危ないったら」
ぎゅっと目をつぶり、ろくに前も見ず砂浜を走る紗那を見て、やきもきしながら蒼がつぶやく。
「ど、どうしよう……私、何か悪いこと言っちゃった……?」
「ううん、あなたは悪くないわ。
私が追いかけるから、あなたは中山くんに知らせて」
ふたりが別方向に走るなか。
月詠だけは海のほうを向いていて――……波間にちらちら見え隠れしているものを見ながら、ぽりぽり頭を掻いていた。
「お上手ですわぁ」
喬が釣り上げた魚を見て、虹子は手をたたいて喜んで見せた。
さっそくクーラーボックスに入れる。喬は竿だけで――もうそれを見ただけで、釣りをする気が全くなかったのが分かるというものだが――ほかに何も持ってきていなかったので、虹子のクーラーボックスだ。
「釣りって、道楽で魚の命を弄べる遊びですてきですわね」
クーラーボックスを半分ほど埋めた魚を前に、満面の笑顔を虹子が向ける。喬は心底嫌そうに顔をしかめたが、すぐに緩めると、ふっと息を吐いて言った。
「ま、そっちがおまえらしいな」
「どういう意味ですの?」
「気持ち悪いだの、かわいそうだの、自分でしておきながらあとでギャアギャア騒ぐようなやつじゃねえってこと」
「あらあら」
ふふふっと笑ったときだ。
樹が息を切らせながら「大変大変!」と走ってくるのが見えた。
喬の前まで走ってきて止まる。
「何が大変なんだ?」
「さ、紗那、さんが……」
樹は切れた息が整うのも待てない様子で、もどかしそうに砂浜での出来事を話した。
「これを見せたら……、なんか、紗那さん、急に叫んで、走り出しちゃって……」
自分がデザインして作った物だ。喬はすぐに分かった。
目を眇め……ため息をつく。そして海へ向き直ると、おもむろにキャストした。
「あの……追いかけないんですかっ?」
「追ってるやつ、いるんだろ」
「え? ええ、まあ……」
「じゃあいい。ガキじゃないんだし、店の場所はもう分かってんだから、帰りたくなったら帰るだろ」
「えええっ!?」
驚く樹の前、喬はゆっくりとたわんだ分の糸を巻き始めたのだった。
ところで。
実はこの場にはもうひとり、人がいたことに気づいていただけていただろうか。
名を、
塔ヶ崎 璃亜
という。寝子高2年の女子だ。
彼女はめずらしくアルバイトのシフトが入っていなかったことから、家でぼんやりとしているのももったいないと、散歩がてら寝子ヶ浜海岸へ来ていたのだ。
晴れ晴れとしたいい天気と海からの気持ちのよい潮風に、気持ちをリフレッシュさせていた璃亜は、自分以外にも人がいることがうれしくて――しかも自分と同じくらいの女の子たちだ――、ついそちらへ近づいていった。
(どうやら海釣りをしようとしてるみたいですね。
海釣り……今まで考えたことありませんでしたけれど、あんなふうに自分で釣れば、食費を浮かせられるかもしれません。今度の休みにでも挑戦してみましょうか)
とはいえ、釣りのことはよく知らない。
何が釣れるのか、釣るために何が必要か、ちょっと訊いてみようと後ろから声をかけようとしたとき。
「ギャーーーーー!!」
と突然その人物は跳ね起きて、後ろの璃亜にぶつかった。
バランスを崩した璃亜は、そのまま海へどぶんっ!
防波堤に当たる波は激しく、しかもでこぼこした壁面に当たるせいで複雑に潮流を変える。璃亜は落下の衝撃で深みに引き込まれながらも必死に海面を目指し、なんとか顔を出しても、すぐまた波をかぶってなかなか助けを呼べなかった。
しかも叫び声にまぎれてしまったのか、上の人たちは気付いた様子もなく会話を続けている。楽しそうに、笑い声まで聞こえてきて……。
(たす……っ、た、たす……助け……てっ……)
がぼごぼごぼごぼごぼごぼごぼごぼごぼごぼごぶりっ
波に巻かれ、流されて。しこたま海水を飲み、沖に引っ張られそうになりながらも必死に泳いで砂浜へたどり着き、ほうほうの体で這い上がって助けを呼ぼうとしたところで、ふたたび海へ突き飛ばされた。
もう体力も残っていない。
(……ふふ、ふ……。めずらしく休みがとれたからって、ちょっと変わったことをしようとしたら、これですよ……)
もはや波に抗う気力もなくて、ぷっかりぷかぷかあお向けに浮いたまま、波に揺られてしくしく泣いている。
もちろんそんな事情など一切知らない月詠である。
泳ごうとしない璃亜を見て、あれは好きでああしているのだと結論づけて、背中を向けて立ち去った。
引き潮にされるがままにどんどん沖へ引っ張られていった璃亜が発見されたのは、その夜遅く、夜釣りのチャーター船だったという。
『釣りしましょう 了』
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あとがき
担当マスター:
寺岡志乃
ファンレターはマスターページから!
こんにちは、またははじめまして、寺岡といいます。
まずは、当シナリオにご参加いただきまして、ありがとうございました。
そして……こんなに遅くなってしまってごめんなさい!(土下座)
言い訳はいたしません。すべて自分のせいです……。
二度とない、とは言い切れないのですが、ないように精一杯努力します。
本当に申し訳ありませんでした……。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年06月29日
参加申し込みの期限
2017年07月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年07月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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