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のんべえエアー注意報!
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「まったくもー、すおーさんちに荷物届けろなんて……パパもイジワルですねっ」
星ヶ丘にある
如月 蘇芳
の自宅前に、可愛らしい女の子がいた。いやごめんなさい、金から毛先に向かってピンク色に染まるくるくるツーサイドアップの髪を揺らし、ハートが浮かぶピンク色の瞳を持つ
天宮城 因
は男の子です。だって。
荷物を持っていない方の手でインターホンを押しながら、因は表情を豹変させ黒い顔で呟いた。
「チッ、嫌がらせでもして帰るか……」
ガチャリとドアが開き、モデルをこなすほど端正なマスクを持つ蘇芳が顔を出した。
「……へえ、因君じゃなか。驚いた、君がうちに来るなんて」
「こんにちは、すおーさん♪ すおーさんのおうちにお届け物ですっ♪」
先程までの黒い顔はどこにいったのだろう。因はとびきりの可愛らしい笑顔を見せながら、義父に頼まれた荷物を差し出す。蘇芳の長い指がそれを受け取った。
「届け物? ……ありがとう。じゃあ」
ガチャリ。すかさず閉まるドアの端に、因はガンッと自分の足と腕を突っ込んだ。
「ええ、せ~っかく因がわざわざ届けに来てあげたのに、すおーさんときたらお客様におもてなしも出来ないんですかぁ?」
ニコニコニコッ。因が極上の笑顔で毒を吐く。因の言葉に蘇芳はその美しいルビーのような瞳を少し大きくした。
因が鋭い爪を隠し持っている可愛らしい金色の虎だとしたら、蘇芳は白銀の鱗を持つ龍だ。光る爪で相手を弱らしていく虎に対し、白銀の龍は……その美しい体で獲物をぎりぎりと締め上げていくのだ。艶めかしい体全体でじわじわと、容赦なく。
「……はあ」
蘇芳は大きく溜息をつく。そしてはらりと落ちた自身の白い髪をそっと耳にかけ直すと、ドアを開け、腕を組んで因を見下ろした。
「じゃあ、入れば? 珈琲くらいなら出してあげる」
「ふふ、お邪魔しまーっす♪」
軽やかに蘇芳の横をすり抜ける因。そのミニスカートの後ろに見えた気がした悪魔のシッポを、蘇芳はぐんっと掴まえた。……さあ、どうしてくれようか。
―――パタン。外界へ続く扉が閉じられた。
「はい、どうぞ。ブラックで良いよね?」
蘇芳の手から芳しい香りの珈琲が因の前に置かれる。因はカップを持ちながら首を傾げた。
「因には砂糖もミルクも出してくれないってことですかぁ? 別にいーですけどぉ」
そのふわふわキラキラの見た目に反し、因は本当は甘い物は苦手だ。だからこの場合ブラックなのはありがたいのだが……蘇芳の落ち度になりそうな事には取りあえずツッコんでおく。
しかし蘇芳は微塵も気にしていないようだ。
「ああ……お子様な因君には珈琲の味がわからないんだね。ごめんごめん」
そう言いながらも砂糖もミルクも用意し直すこともなく、蘇芳もカップを持ち、その香りを楽しむ。そして2人がにっこり笑い合って珈琲に口をつけた時―――のんべえエアーが吹き抜けた。
*******
(ん……? 何か変だな)
自身の異変に気付き、蘇芳は静かにカップを置いた。この感覚……なんか……酔っぱらってる?
珈琲にアルコールは入れていない。でも確かにこの少しふわりとする感じは……間違いないと思う。
(どういう事だ? 俺だけか?)
蘇芳は慌てる事なく冷静に考える。元々酒に強い体質なので(なぜ知っているのかは置いておこう)、これ以上酔う事がないのは分かっていた。
蘇芳は視線を因に移し、その眉を上げた。
(へえ……これは)
目の前の因はその頬を真っ赤にさせ……据わった瞳で蘇芳をギロリと睨んでいたのである。
「……ったく、何で俺がわざわざこんなトコ来なきゃいけねーんだよ……」
因は半分以上減ったカップを置き、だらしなくソファの背にもたれた。それでも視線は蘇芳からはずさない。今、自分の目の前にあるこの顔が、因は腹ただしくてならなかった。
「ただでさえ休日に足を運んでるっつーのに、よりによってこんな奴と顔合わせるとか……」
本当だったら、パパと楽しくお喋りしてるのに。
ぐるぐるする頭で因は自分の義父の顔を思い浮かべた。孤児院から自分を引き取ってくれた大好きなパパ。パパとだったら何時間でも喋っていられるのに……よりによってすおーなんて!
因は遠慮なく蘇芳を睨みつける。自分の口調が男に戻っているとか、腹の中の声がだだもれだとかに気付く余裕はなかった。
因という虎は完全に酔っぱらっていたのである。
(面白い事になったな)
蘇芳はその美しい顔にサディスティックな笑みを浮かべた。因君酔っぱらってるのか……なら、俺も付き合ってあげないとね?
蘇芳は組んだ手に顎を載せ、因に向かって少し困ったように微笑んだ。
「そんなに俺の顔見るのが嫌かい? ごめんね。いつも因君には酷いこと言ってるね」
「……は? 何言ってんだ?」
因のとろんとした瞳が訝しげに細められた。蘇芳が悲しげな表情で小首を傾げた。
「売り言葉に買い言葉ってやつかな……因君のこと、もしかしたら傷つけてるかと思うと謝りたくて……いつもはなかなか素直になれなくてね」
「気色悪ぃ演技すんじゃねーっつーの」
ソファの背に片肘を置き、ガウッと因が吠える。もうすっかり普段の猫被りは消え去っていた。
「……信じてないの? 傷つくなぁ」
蘇芳がガックリと俯いた。前髪に隠れてしまったその表情は窺い知れない。因は鼻で笑って答えた。
「信じるもクソもねーだろ。そんな小学生のガキみてーなこと、誰が信じるかっつーの」
「俺は本当に悪いと思ってるよ。ただ……因君と話すのが楽しくて、意地悪しちゃってたんだ」
シュンと蘇芳は俯いたままだ。因は蘇芳の姿にケタケタ笑うと、ずいと身を乗り出した。よく分からないが蘇芳はしおらしいし、自分はとっても気分がいい。この機会にこの腹黒はきちんとシメとかないとな!
因は目の前の敵を叩きつぶすために楽しげに口を開いた。
「大体な……」
その時、俯く蘇芳から低い声がした。
「信じてくれない悪い子には……お仕置き」
「え?」
驚く因の目の前に突然蘇芳の顔が現れる。そして因はぐいと頭を引き寄せられ、そこに蘇芳の唇が近付き……因の唇を塞いだ。
(え……え?)
蘇芳と唇を合わせながら、因は美しいピンクトルマリンの瞳を大きく見開いた。
待って。今何が起こってる。俺の目の前に大嫌いな蘇芳の顔があって、唇に柔らかい感触がして。今、俺は、蘇芳に……キス。
そこに思考が辿り着いた瞬間、因は蘇芳の唇に思い切り噛みついた。
「いっつ……」
片目をつぶり笑いながら蘇芳が顔を離した。濡れた赤い唇。そこからつうっと一筋の血が垂れる。
蘇芳はそれを親指でゆっくりと拭うと、気怠そうに頭を押さえた。
「あれ……今俺、何してた?」
「……すおう……」
「え、どうしたの……?」
初めて気付いたように蘇芳が因を見る。そのピンク色の瞳は……怒りにゆらめき、赤に近い色になっていた。
因は蘇芳を睨みつけたままごしごしと手の甲で唇をこする。そして、
「……さいってー」
と一言残し、部屋を出て行った。
「……ふふ。あはは」
因が家を出て行ったのを確認すると、蘇芳は笑いながらソファに体を沈めた。
(ああ、良い顔が見れた。因君のあんな顔初めて見た)
いつものジャブの応酬ではない、本気の顔。キス1つであんな顔を引き出せるとは思わなかった。
(ふう。今回は俺の勝ち……かな?)
あっちはだいぶ酔ってたみたいだから、覚えているかは分からないけど。
そんな事を考えながら蘇芳はぬるくなってしまった珈琲に口をつける。と、その顔が小さく歪んだ。
「痛っ……」
因につけられた噛み傷に珈琲が染みたのだ。カップを見れば、薄く血がついている。
(……あの時の因君の瞳の色みたいだ)
ぼんやりと、蘇芳は思った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年06月25日
参加申し込みの期限
2017年07月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年07月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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