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のんべえエアー注意報!
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今、
篠宮 六花
の星ヶ丘寮の自室には、珈琲の香りが漂っていた。端正な佇まいで丁寧に淹れているのは六花の友人
神嶋 征一郎
。この部屋の主人の六花は楽譜を手に、所在なげにリビングのソファに座っていた。
偶然街で出会った2人。征一郎は六花の姿を見て眉をひそめた。何だか生気が薄れている気がしたのだ。もうどちらかと言えば妖精に近いような。
(放っておくと碌に食事取らなそうなんだよな)
……一度、きちんと生活しているか確認した方がいいかもしれない。
征一郎は半ば強引にこの幼馴染みの部屋を訪れる事に決めた。丁度買ったばかりの珈琲豆を持参して。
征一郎の予感は的中した。六花の住まいには何もなく、片付いているというよりかは生活感自体がなかった。
「……本当に此処に住んでるのか? 殺風景にも程がある」
征一郎はキッチンに珈琲豆の入った紙袋を置くと、食器棚に目をやる。そこに目立つのはコップ類ばかり。箱に入ったままの食器もあるようだ。そのまま横の冷蔵庫を開ければ、見事なまでに空っぽだった。
「せ、征一郎?」
後ろからちょっと背伸びをして覗くように言う六花に、征一郎はくるりと振り向いて言った。
「最低限必要な物を今度買いに行くから覚えとけ」
「あ……うん」
「……珈琲淹れてやるから楽譜読んで座ってろ」
「は、はい」
征一郎の強い瞳に気圧されるようにこくりと頷くと、六花はリビングに回れ右をする。その薄い背中に征一郎は溜息を1つついた。
そして征一郎が淹れたての珈琲を持ってリビングにやって来た。珈琲カップなんてあったんだなぁと言いながら六花がそれを受け取る。その台詞に征一郎がまた呆れ、そんな彼の視線から逃げるように六花が珈琲を口にする。そして隣に座った征一郎も遅れて珈琲を口にした時……のんべえエアーが吹き抜けた。
*******
「……あれ、熱い?」
六花は頬を桜色に染め、思わず呟いた。
「悪ぃ、熱すぎたか?」
征一郎が六花を見る。が、すぐ自身のカップに視線を戻し首を傾げた。……この珈琲、いつもと違う。
「ううん、そうじゃなくて」
六花はゆるゆると首を振った。そうじゃなくて、体が熱いのだ。頭もぼんやりとする。
「征一郎、なんか……これ、おかしい……くるしい……」
体の熱さが止まらない。六花はたまらずカップをテーブルに置くと、ソファにもたれ着物の合わせを緩めた。
「おい、大丈夫か?」
征一郎は驚いて六花に手を伸ばしたが、くらりと眩暈がして思わず頭を押さえた。
「……何だ? 確かに熱い」
六花を助けなければいけないのに、うまく思考が纏まらない。
(熱い!)
変な熱と高揚感が全身を包む。征一郎はくらくらしながらも耐えきれず自身のシャツのボタンを思い切り外した。
すると胸に柔らかい感触がした。だるい体で隣を見れば、くすくす笑いながら六花がぺたぺたと征一郎のはだけた胸を触っていた。
「んん……征一郎、なんか色気が……えろ? ふふ……いやらしい」
「色気? えろって何言っ」
少し早まっている自身の鼓動を感じながらも征一郎は六花の手を握る。その手はぽかりと温かかった。
「六花?」
「あ、妖艶……」
自分を見つめてきた蒼く美しい切れ長の瞳を、六花は受け止めた。
征一郎は昔から綺麗な子だった。その涼しげな蒼は、何にも染まることはない。そう、あの頃はこんな風に囃したっけ……。
「……もげろ? ……もげ郎?」
「んだそれ誰の事だ? てめ、意味分からねぇ……不意打ちすんな」
どうも六花の言葉が征一郎のスイッチを押したらしい。六花の華奢な手を握りながら、征一郎は顔を背けてくつくつ笑う。六花も嬉しそうに笑いながらもう片方の手を征一郎の頬に伸ばした。
「こら……笑うなら顔見せろ」
「いやだね」
「見せろってば」
笑いながらソファでじゃれ合う2人。その時、征一郎がバランスを崩した。
「―――っぶね!」
征一郎は慌ててソファの背に手をつく。横を向けばすぐ六花の顔。熱い吐息がかかるその近さに、お互いの瞳が見開いた。
どのくらい、見つめ合っていたのだろう。ふと征一郎の顔が苦しげに歪んだ。
「征一郎……?」
六花は驚いた。自分を見つめる征一郎の瞳が揺れている。征一郎は絞り出すように言った。
「何であの時約束破った」
「……やくそく」
六花は征一郎の美しい瞳の奥を見ながら、確かめるように言葉を紡いだ。
六花には征一郎が何を言っているのか分かっていた。
確かにあの時、お前としたな。……約束。
征一郎と過ごした小学校の音楽室。あの幸せな時は本当にあったのだろうか。遠く、遠くなり果ててしまった。
「……待ってたんだ。卒業してもずっと。一緒に弾けると思ってたから。……過去に何があった」
征一郎は言葉を続ける。六花は小さく首を振ると、彼の縋るような瞳にほわりと笑った。
「だって……だめだろ。征一郎は優しい、から……だめだろ?」
「何が駄目なんだ?! 自分は優しくねぇが心配ぐらいはする」
(ほら、やっぱり)
六花は嬉しくなった。征一郎のこういう所は羨ましいくらいあの頃と変わらない。
「な、心配するだろ……? だから、だめ」
「黙って消えなきゃいけねぇ理由、あったんだろ? それだけでいい。教えて、くれ」
征一郎は引かなかった。すぐ目の前の六花の顔が小学生の頃の面影と重なる。今まで胸の奥に秘めていた想いが迸った。
―――大事だったんだ。本当に本当に大切だったんだ。
「……嫌われたかと思ったんだ」
征一郎は消え入るように言うと、六花の柔らかな銀髪に顔を埋めるようにその首筋に頬を寄せた。
自分の肩に感じる幸せな重みに、六花は微笑んだ。俺が征一郎のことを嫌う訳ないのに。
六花は優しく征一郎の頭を抱いて言った。
「両親が離婚、叔父に引き取られた……それだけ」
それだけ、だけど、それから。
俺の記憶は暗闇の記憶になった。
俺は多分、全てを放棄したんだ。
生きる事にも足掻く事にも飽きてしまったのかもしれない。
嫌だったのに、暗闇が俺の居場所になった。
それでも。
お前のその抜けるような空を思わせる青だけは、あのおぞましい場所に持ち込みたくなかったんだ。
俺の宝物、だったから。
六花は征一郎の頭を何度も撫でる。体が芯からぽかぽかと温かい。それは征一郎の体温のせいだろうか。心を壊死させるような凍てつく記憶も、彼が触れている所から溶けていくようだった。
と、征一郎の頭が六花の肩から離れた。六花は思わず手を伸ばした。せっかく、温かくて気持ち良かったのに。
だが、さ迷う六花の手は征一郎の手に受け止められた。
「―――今はその答えで満足しておく」
強い瞳が六花を捕らえる。六花はこくんと頷くと、安心したように征一郎の胸に凭れかかった。
俺はどこまで話したかな。どこまで伝わったかな。ああ、征一郎の鼓動が聞こえる……。
「……ごめんな」
薄れいく意識の中で六花は小さく呟く。そしてそのまますうすうと寝息を立て始めた。
六花を抱きとめながら、征一郎は彼の寝顔に呟いた。
「……謝るな」
征一郎は六花の手を静かに置くと、その柔らかく光る銀色の髪に触れた。六花の長い睫がぴくりと動く。けれどもあの優しげな紅い瞳は見えなかった。
「六花」
征一郎は囁きながら六花の薄い唇にそっと触れた。
もう大丈夫。今、お前は自分の腕の中にいるから。
―――もう、離れないよな? 六花。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年06月25日
参加申し込みの期限
2017年07月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年07月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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