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のんべえエアー注意報!
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卯木 衛
はふわふわしていた。
まあ、恋人の
壬生 由貴奈
の部屋に入った時からふわふわしていたのだが(……だって、『彼氏』として入ったんだぜ!)、由貴奈から貰ったお茶を1口飲んだ途端、とんでもなくふわふわしてしまった。
―――なぜなら、のんべえエアーに吹かれたから。
勿論、衛は酔っぱらってることなんか気付いていなかった。ただひたすらにふわふわと幸せな気持ちなことが嬉しかった。
(んー……なんでだー?)
衛は口をむにむにさせながら考える。いや、考えるふりをして実はちっとも頭は回っていなかったのだが、考えた気になって前を向き……納得した。
(ああ、なんだ。由貴奈さんがいるからか)
「そっかー。そりゃそっかー」
衛はぐるんぐるんする頭で1人頷く。そして改めて目の前の自分の恋人になってくれた人を眺めた。
柔らかそうな赤茶色の髪。垂れ目の黒い瞳はとてもキュートで、頬は綺麗な桜色になっている。そしてその血色のいい少し濡れた赤い唇を見た時、衛に衝動が駆け抜けた。
どうしよう。俺、今すごい幸せで……由貴奈さんにキスしたい。
由貴奈はほんの少しだけ緊張していた。
いつも傍にいてくれた年下の可愛い男の子は、ゆっくりとした時を経て恋人になった。
それでも何が変わる訳はないと思っていたのだが、いざそうなってみると意外に意識する自分がいて、由貴奈自身少し驚いていた。
それでも衛にはそれを悟られたくはなくて、何でも無いように振る舞っていたのだが……由貴奈は自分が用意したお茶を飲み、その眉を微かに寄せた。
(……これ、お茶だよねぇ?)
飲んだ途端、体がぽかりと温かくなってふわふわし始めたのだ。突然の自分の変化に、由貴奈は首を捻る。お茶に何か変なものでも入っちゃったかな?
ただ、そこまで息苦しくもないし大したことはなさそうだ。けれど。
(うーちゃんは?)
さっき同じお茶を出してしまった衛が気になり、由貴奈は顔を上げる。そしてそのまま固まってしまった。
衛が身を乗り出し、至近距離で自分をガン見していたのである。
「ど、どーしたのうーちゃん」
突然狭められた距離に驚いた由貴奈は思わず少しのけぞる。しかしそんな距離を打ち消すように衛はもっと由貴奈に体を寄せ、熱い瞳を向けた。
「ねえ由貴奈さん」
「はい」
「俺、由貴奈さんとちゅーしたいです」
「は……ええっ?!」
由貴奈のいつも眠そうな瞳がこの時ばかりは零れんばかりに大きくなった。
「え、ちょっ、どーしたの急に?」
後ずさる由貴奈。いつもよりちょっと……いやかなり大胆な衛に、由貴奈は思い切り混乱した。けれども衛は負けじと距離を詰め、畳みかけるように訊いてくる。
「ちゅーしていいですか?」
「いや、いきなりそんな言われても、その……心の準備が」
可愛いわんこだと思っていた少年が突然目の前で狼に豹変し、のんきな由貴奈もさすがに慌てる。だって、一応乙女だし、
前初めてしたあのキス
だって実はとってもドキドキしたし、何かこんなにぐいぐいせまられるとうーちゃんもやっぱ男なんだとか思っちゃうし……ってうまく思考が纏まらないよぉ!
とにかく距離を取りたい、時間が欲しい。けれども後ずさりしようにももう由貴奈の後ろは壁だった。それでもどんどんせまってくる衛に、由貴奈は思わず両の掌を上げた。
「まあうーちゃんちょっと落ち着いて……」
「やだ」
一言だけ言うと、狼は由貴奈の手を握り軽く引っ張り、少し強引に唇を合わせた。
「―――むぐっ……!?」
目を閉じる暇なんかない、奪われるようなキス。瞬きも忘れた由貴奈の唇から嵐が去るまで、数秒かかった。
顔が、離れる。薄い金茶色の睫が上がり、蜂蜜色の瞳が真っ直ぐに自分を見つめた時、由貴奈はその熱にドキリとする。すると衛の顔がへにゃと崩れた。
「……へへ、俺いまたぶん世界で1番幸せです」
そう言うと衛は由貴奈に向かって倒れ込み……スースーと寝息を立て始めた。
「……うーちゃん?」
由貴奈は自分を抱きしめるように寝てしまった衛の背をとんとんと叩く。が、反応はない。
由貴奈はふうと天井を仰ぐと、衛を静かにずらして自分の膝に頭を乗っけてやった。
幸せそうに寝息を立てる衛。それはいつもの衛で、あのぞくりとするような熱を持つ男の子はいなかった。
ようやく、由貴奈は体に入っていた力を抜く。そして自分の膝で眠る、子犬のような衛の頬をちょんとつついた。
「ほんとにびっくりしたんだからねぇ……起きたら覚悟してよぉ?」
*******
「―――すいませんでした!!!」
リビングで、冷や汗をだらだらと流しながら土下座をする衛の姿があった。
視界の端にソファに座る由貴奈の組んだ脚がちらりと入る。恐ろしくて、それ以上顔を上げられなかった。
「……むー、うーちゃんに無理やり……されたんだよぉ」
頭上から、声が降ってくる。衛の頭が益々垂れた。
「もー、まるで酔っぱらってるみたいだったよぉ、覚えてる?」
「いや……あの……その……」
衛は俯き縮こまりながらも、ハッキリと返事が出来ない自分を殴りつけてやりたい気分だった。
中途半端に覚えてるのだ。お茶飲んで、ふわーっとなって、何か色々呟いて……由貴奈さんにせまった気が、する。
(気がするってなんだよーっ)
心の中でダンダンと床に拳を打ち付けて衛は悔しがる。せめて、全部覚えてればもっとこう、清々しく腹も括れるのに。
1番宙ぶらりんで損臭い状態だが、許される訳ではない。衛は改めて頭を下げた。
「ほんと……すいませんっ」
実際は数秒だったが、衛にとっては恐ろしいほど永い沈黙の後、由貴奈の静かな声がした。
「……ごめんで許されると思ってるのー? まったくもう」
「は、はいっ」
……怒ってる。これは怒ってる。
衛は瞬きも忘れてカーペットを見つめたまま緊張に口を引き結んだ。
「ちゅーしたいって迫ってきたのはまだビックリしただけだったけど、『いいよ』って言ってないのにしてきて……」
「いや……もう、はい」
「……最後のうーちゃんの言葉は、本音?」
「え?」
微かに変わった風向きに、衛は弾かれたように顔を上げる。目の前の由貴奈は……少し困ったように微笑んでいた。
本音か。
由貴奈の問いに、衛は真剣に頷いた。それは、しっかりと覚えている。俺は彼女の顔を見て確かに言った。世界で1番幸せだと。
由貴奈は衛の真面目な表情に、微笑んだまま小さく息をついた。
「……まぁ、うちといれて幸せって言ってくれたのは嬉しいし、うちもうーちゃんと一緒にいれて嬉しいよ」
「由貴奈さん……!」
叱られてしょぼくれていた子犬の表情がぱあっと明るくなる。その様子に由貴奈は思わずくすりと笑ってしまった。
ほんとに……可愛いんだから。
由貴奈は組んでいた脚を解き、まだ不安げな色が残る衛の瞳を優しく見つめて頬を染めた。
「だから、うん……うちだって嫌がったりしないから、ちゅーしたいときはちゃんと言ってね?」
ドクンと衛の心臓が跳ねた。
それは、あの時飲んだお茶みたいだ。けれども、今は違う。
―――俺が飲んだのは、由貴奈さんの甘い言葉。
衛は真っ赤になりながら由貴奈に大きく頷くと、ひたと彼女を見据えた。
「今度は由貴奈さんの返事を貰ってからするから……だから」
衛は由貴奈に手を差し出す。その手を取った由貴奈はそのまま衛に引っ張られ……彼の腕の中に収まった。
もう逃げられない、逃がすつもりのない距離。衛は見事に由貴奈の視線を絡め取った。
「ねえ由貴奈さん……もう1回、ちゃんとキスしていいですか?」
吐息が、かかる。由貴奈は礼儀正しい狼を前に、観念して目を閉じた。
「……はい、どーぞぉ」
2人の顔がゆっくりと近付く。直前に由貴奈が呟いた。
「……うちも、したいなとは思ってたんだよ」
「よかった」
幸せな唇が、重なった。
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あとがき
担当マスター:
KAN
ファンレターはマスターページから!
KANです。
ご参加の皆様、ありがとうございました!
……この、酔いどれ天使ども~!(褒めてます)
巻き込まれてしまった方を含め、存分にエアーを楽しまれているアクションで、書いているこちらが羨ましくてちょっぴり晩酌したのは内緒です(笑)
またいつのんべえエアーが吹き荒れるとも限りません。
皆様、ゆめゆめ油断なされぬようにして下さいね……♪
それでは。
また皆様にお会いできること、楽しみにしています!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年06月25日
参加申し込みの期限
2017年07月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年07月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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