- 0
- 0
- 種族
-
- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【入学式】ぴっかぴっかの１年生！
――ぴっかぴっかの入学式！（４）
皆の《新入生の誓い》を耳に、パトリシア・プロウライトは内心わたわたとしていた。
（みっ、皆の前で目標とかなんか喋るのっ！？ どうしよ！？）
パトリシアには、この学園生活で目指すところがある。あるのだが、
（ちょーかわいい寝子高の制服を満喫するなんて個人的な目標、言っちゃっていいのかな？）
なんて葛藤しているうちに、パトリシアの元にもマイクが回ってきてしまった。
（うわわわ、もう順番だ～！ どうしよー！！）
混乱に目をぐるぐるさせながら、何とかマイクを受け取って立ち上がる。
寝子高の制服ってめっちゃカワイイですよねっ！？
言ってしまってから、我に返るパトリシア。
講堂内が、ちょっとだけざわついている……ような気がした。
（はっ、思わず本音が。えーとえーと）
考えて考えて――やがて、パトリシアはぱっと晴れた顔を上げる。
寝子高の制服、凄くかわいいしかっこいいしで、私大好きです
で、で、ここから見てても、それを着てるみんなが、すっごく素敵だなって思います！
私はいっぱい素敵な制服見て、それを着てるみんなといっぱい仲良くして
ええと、私も素敵になりたいな！ です！
言い切って、ぺたんと席に着けば、お気に入りの制服の裾がふわりとした。
興奮しきり、犬耳帽子へ――マルクへと小声で話し掛けるパトリシア。
「うひゃー！ 言っちゃった！ ね、マルク、どうだった！？」
『まあ、上々じゃねぇか？ お疲れさん』
ざわめきの中、返るマルクの声にパトリシアは「えへへ♪」と笑った。
（へえ、新入生の誓いなんていうのがあるのね）
こうなったら、しっかりと誓いを立てるわよ！ と伊藤 美緒はやる気満々。
親戚の伊藤 佳奈と違って、美緒はあがり症ではないのだが、
（緊張したりはしないと思うけど、しっかり応援してあげよう）
と、胸の前でぐっと手を握った佳奈は、
「しっかり～！ 美緒ちゃん！」
と、美緒にマイクが回るや、２階席から声を張った。
声援に、美緒の頬がかぁっと赤く染まる。
（あれ？ 急に顔を真っ赤にしちゃった……逆効果だったかな？）
なんて心配する佳奈だったが、美緒は、
（――いいわ、ここで思いっきり宣言してやるんだから！）
と、いっそ火が付いたようにマイクを手に大きく息を吸い込むと、
１年９組、伊藤美緒
美緒はある人に今まで剣道の試合で０勝２２敗
一度も勝った事がないの。だから
と言い放って、２階席の佳奈をビシッと指差した。
美緒がちゃんと喋り始めたことにほっとしていた佳奈が、突然のことにくるりと目を丸くする。
けれど、もう美緒は止まらない！
伊藤佳奈！ 美緒は今度こそ貴方をコテンパンに倒してやるんだから！
美緒の勝ち星を先行させて、美緒の方が強いって証明してあげる！
首を洗って待ってなさいよね！
もう悔しくて悔しくて美緒の事しか考えられないようにしてやるんだから！
ふんすと鼻息を荒くして、《新入生の誓い》を終える美緒。
席に着く美緒は清々しいような顔をしているが、周囲の興味津々の視線を受けて、
（やめて～、美緒ちゃん恥ずかしいよ～！）
と、佳奈の方は顔を真っ赤にして、頭を抱えたまま俯いてしまう。
（そう言えばあの子、昔からやたらあたしに絡んでくるけど……）
あたし、やっぱり嫌われてるのかなぁ？ と益々項垂れる佳奈。
ちらと美緒の両親を見遣れば、「またあの子は……」という感じで額に手を当てている。
注目は次に《新入生の誓い》を行う新１年生へとすぐに移り、佳奈へと一応の安堵を運んだが、
（でも、これから一緒に暮らして同じ学校に通う訳だし……仲良くやれるかなぁ）
なんて、佳奈は今度は胸の内に不安を過ぎらせながら、美緒へと視線を遣った。一方の美緒は、
（うわ～、言っちゃった～！）
と、傍から見える澄まし顔とは裏腹に、内心ドキドキとしていて。
（でもそうよ。佳奈お姉ちゃんは美緒の事だけ考えてたらいいんだからね）
これから一緒に暮らすんだし、楽しみだな♪ と、美緒は２階席を見上げるのだった。
と、その時だ。
講堂が、それまでとは比べものにならないほどにざわざわとした。
次いでマイクを受け取ったのは――生徒会長志波 武道だ。
くるりとマイクを回し、壇上での挨拶の時とは別人のように、にっと白い歯を見せる武道。
改めまして自己紹介！ 寝子高三年、志波武道だ！
生徒会長だろうと生徒の一員！
軽快な声が、マイク越し、生き生きとして講堂中の人間の鼓膜を震わせる。
「あれ……先輩達も、新入生の誓い……？」
不可思議な出来事を前に藍川 慶介が瞳を瞬かせる中、武道はどこまでも不敵に笑った。
皆の《新入生の誓い》を耳に、パトリシア・プロウライトは内心わたわたとしていた。
（みっ、皆の前で目標とかなんか喋るのっ！？ どうしよ！？）
パトリシアには、この学園生活で目指すところがある。あるのだが、
（ちょーかわいい寝子高の制服を満喫するなんて個人的な目標、言っちゃっていいのかな？）
なんて葛藤しているうちに、パトリシアの元にもマイクが回ってきてしまった。
（うわわわ、もう順番だ～！ どうしよー！！）
混乱に目をぐるぐるさせながら、何とかマイクを受け取って立ち上がる。
寝子高の制服ってめっちゃカワイイですよねっ！？
言ってしまってから、我に返るパトリシア。
講堂内が、ちょっとだけざわついている……ような気がした。
（はっ、思わず本音が。えーとえーと）
考えて考えて――やがて、パトリシアはぱっと晴れた顔を上げる。
寝子高の制服、凄くかわいいしかっこいいしで、私大好きです
で、で、ここから見てても、それを着てるみんなが、すっごく素敵だなって思います！
私はいっぱい素敵な制服見て、それを着てるみんなといっぱい仲良くして
ええと、私も素敵になりたいな！ です！
言い切って、ぺたんと席に着けば、お気に入りの制服の裾がふわりとした。
興奮しきり、犬耳帽子へ――マルクへと小声で話し掛けるパトリシア。
「うひゃー！ 言っちゃった！ ね、マルク、どうだった！？」
『まあ、上々じゃねぇか？ お疲れさん』
ざわめきの中、返るマルクの声にパトリシアは「えへへ♪」と笑った。
（へえ、新入生の誓いなんていうのがあるのね）
こうなったら、しっかりと誓いを立てるわよ！ と伊藤 美緒はやる気満々。
親戚の伊藤 佳奈と違って、美緒はあがり症ではないのだが、
（緊張したりはしないと思うけど、しっかり応援してあげよう）
と、胸の前でぐっと手を握った佳奈は、
「しっかり～！ 美緒ちゃん！」
と、美緒にマイクが回るや、２階席から声を張った。
声援に、美緒の頬がかぁっと赤く染まる。
（あれ？ 急に顔を真っ赤にしちゃった……逆効果だったかな？）
なんて心配する佳奈だったが、美緒は、
（――いいわ、ここで思いっきり宣言してやるんだから！）
と、いっそ火が付いたようにマイクを手に大きく息を吸い込むと、
１年９組、伊藤美緒
美緒はある人に今まで剣道の試合で０勝２２敗
一度も勝った事がないの。だから
と言い放って、２階席の佳奈をビシッと指差した。
美緒がちゃんと喋り始めたことにほっとしていた佳奈が、突然のことにくるりと目を丸くする。
けれど、もう美緒は止まらない！
伊藤佳奈！ 美緒は今度こそ貴方をコテンパンに倒してやるんだから！
美緒の勝ち星を先行させて、美緒の方が強いって証明してあげる！
首を洗って待ってなさいよね！
もう悔しくて悔しくて美緒の事しか考えられないようにしてやるんだから！
ふんすと鼻息を荒くして、《新入生の誓い》を終える美緒。
席に着く美緒は清々しいような顔をしているが、周囲の興味津々の視線を受けて、
（やめて～、美緒ちゃん恥ずかしいよ～！）
と、佳奈の方は顔を真っ赤にして、頭を抱えたまま俯いてしまう。
（そう言えばあの子、昔からやたらあたしに絡んでくるけど……）
あたし、やっぱり嫌われてるのかなぁ？ と益々項垂れる佳奈。
ちらと美緒の両親を見遣れば、「またあの子は……」という感じで額に手を当てている。
注目は次に《新入生の誓い》を行う新１年生へとすぐに移り、佳奈へと一応の安堵を運んだが、
（でも、これから一緒に暮らして同じ学校に通う訳だし……仲良くやれるかなぁ）
なんて、佳奈は今度は胸の内に不安を過ぎらせながら、美緒へと視線を遣った。一方の美緒は、
（うわ～、言っちゃった～！）
と、傍から見える澄まし顔とは裏腹に、内心ドキドキとしていて。
（でもそうよ。佳奈お姉ちゃんは美緒の事だけ考えてたらいいんだからね）
これから一緒に暮らすんだし、楽しみだな♪ と、美緒は２階席を見上げるのだった。
と、その時だ。
講堂が、それまでとは比べものにならないほどにざわざわとした。
次いでマイクを受け取ったのは――生徒会長志波 武道だ。
くるりとマイクを回し、壇上での挨拶の時とは別人のように、にっと白い歯を見せる武道。
改めまして自己紹介！ 寝子高三年、志波武道だ！
生徒会長だろうと生徒の一員！
軽快な声が、マイク越し、生き生きとして講堂中の人間の鼓膜を震わせる。
「あれ……先輩達も、新入生の誓い……？」
不可思議な出来事を前に藍川 慶介が瞳を瞬かせる中、武道はどこまでも不敵に笑った。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2017年06月26日
- 参加申し込みの期限
-
- 2017年07月03日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2017年07月03日 11時00分
