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新年度のはじまりはじまり。芸術科編
■２年６組・ホームルーム
始業式が終わり、それぞれのクラスへと移動する。
ここは２年６組。生徒たちは、式の堅苦しさから解放されて自由に過ごしている。
「クラス替えですわ！ 新しいクラスはワクワクしちゃいますわね♪」
上下 左右は杖を片手に、期待いっぱいといった表情で教室のなかを眺める。
そこは和気藹々といった空気に包まれている。
それに溶け込むように自分も会話に入る。
このクラスでもうまくやっていけそうだと左右は感じた。
周囲を見ると、去年同じクラスだった人も何人か確認できる。
そのなかで、ひときわ目を惹く存在がいた。雨寺 凛である。
（私もいよいよ２年生かー！ 新しいクラスでも楽しく過ごせるといいなぁ）
凛はクラス中の人たちへ挨拶を交わしていく。
１年生で同じクラスだった人には「また同じクラスだねー」と。
そして新しくクラスメイトになった人には「これからよろしく！」といった風に。
そんな凛の様子を見つめる小山内 海。
視線に気づいたのか、凛が駆け寄ってきて、他の人と同じように声をかける。
（今年もよろしくね）
海はスケッチブックを取り出すと、文字で返事をした。
凛はそれを確認すると、頷いて別の人のところへ行ってしまった。
海は周囲に目をやる。
（前に一緒のクラスだった子も違うクラスだった子もいるね）
恥ずかしい気持ちはあったものの、勇気を出して隣の席に座る子に筆談で話しかける。
それに気づくと相手も簡単な挨拶を返してきた。
思い思いに過ごしていると、教室に担任の川添 かおるが入ってくる。
ジャージにサンダルという姿で、教壇へ向かっていく。
「はい皆、席についてー」
一同はどことなく戸惑いの色を浮かべつつ、それぞれ自分の席へと戻っていく。
全員が着席したのを確認すると、かおるは切り出した。
「僕は川添かおる。このクラスの担任だよ。いやぁ、まさか僕が教師として寝子高に赴任するとはねぇ」
かおるはのんびりした口調でそう語る。
寝癖の残った髪、眠そうな目。堅苦しさをまるで感じない。
（この先生……起きてますの？）
左右はやや不安げな様子でかおるを見つめている。
一方、凛は違うことを思っていた。
（あれが新しい担任の川添先生かぁ。若いし、なんだかクールな雰囲気の先生……！）
もし２人がそれぞれの感想を口にしていたなら、お互いにツッコミを入れていたことだろう。
かおるが名乗ったところで、生徒たちにも自己紹介を促す。
（おっと、自己紹介の時間だね！ 明るく元気に笑顔で！）
凛は立ち上がり、息を大きく吸いこんだ。
「雨寺凛です！ 音楽が大好きで、プロのミュージシャン目指して芸術科で勉強してます！」
「中でもロックが好きで、特技はギターの演奏！ 軽音楽部の部長もやってます！ 部員はいつでも募集中だよ！」
「みんなおしゃべりしたりするのも好きなんで仲良くしてくれると嬉しいなぁ！ よろしくお願いします！」
最初から最後までハキハキとした口調で自己紹介を終えた。
このまっすぐな言い方が、こういう場で起こりやすいぎこちなさを綺麗に払拭した。
その後に伊賀 解理、響 タルトと次々に自己紹介を続ける。
そして左右の番がやってきた。
（自己紹介、第一印象は大事ですわ）
やや意気込みながら椅子から立ち上がる。
「はじめまして、上下左右ですわ。特技は絵、楽器演奏、そして……バトンですの」
そう言った直後、手にしていた杖をくるくると器用に回す。
杖は滑らかにかっこよく宙を踊ると、最後は教室の床にひとりでに立った。
皆が驚きの表情で左右と杖を見つめている。
「皆さんよろしくお願いいたしますね♪」
そして一礼。思わず拍手を送った生徒もいた。
一通り自己紹介が済んだところで、かおるが再び口を開く。
「さすが芸術科、面白い子たちばかりだねぇ。今年１年よろしくねぇ」
「午後からレクリエーションで千年杉と美の泉へ行きます。それまで……あー、自由に過ごしてて」
そこまで言い終えて、かおるは椅子に深く座りなおした。
もうこれ以上発言するつもりはないらしい。
こうしてホームルームは終わった。
それからは生徒によって行動はまちまちだった。
自己紹介を聞いた上で、共通の趣味がわかった相手に話しかける生徒もいれば
午後に訪れる千年杉と美の泉で何を過ごそうかと考える生徒もいた。
いずれにせよ、皆が期待に胸を膨らませているのは確かだ。
始業式が終わり、それぞれのクラスへと移動する。
ここは２年６組。生徒たちは、式の堅苦しさから解放されて自由に過ごしている。
「クラス替えですわ！ 新しいクラスはワクワクしちゃいますわね♪」
上下 左右は杖を片手に、期待いっぱいといった表情で教室のなかを眺める。
そこは和気藹々といった空気に包まれている。
それに溶け込むように自分も会話に入る。
このクラスでもうまくやっていけそうだと左右は感じた。
周囲を見ると、去年同じクラスだった人も何人か確認できる。
そのなかで、ひときわ目を惹く存在がいた。雨寺 凛である。
（私もいよいよ２年生かー！ 新しいクラスでも楽しく過ごせるといいなぁ）
凛はクラス中の人たちへ挨拶を交わしていく。
１年生で同じクラスだった人には「また同じクラスだねー」と。
そして新しくクラスメイトになった人には「これからよろしく！」といった風に。
そんな凛の様子を見つめる小山内 海。
視線に気づいたのか、凛が駆け寄ってきて、他の人と同じように声をかける。
（今年もよろしくね）
海はスケッチブックを取り出すと、文字で返事をした。
凛はそれを確認すると、頷いて別の人のところへ行ってしまった。
海は周囲に目をやる。
（前に一緒のクラスだった子も違うクラスだった子もいるね）
恥ずかしい気持ちはあったものの、勇気を出して隣の席に座る子に筆談で話しかける。
それに気づくと相手も簡単な挨拶を返してきた。
思い思いに過ごしていると、教室に担任の川添 かおるが入ってくる。
ジャージにサンダルという姿で、教壇へ向かっていく。
「はい皆、席についてー」
一同はどことなく戸惑いの色を浮かべつつ、それぞれ自分の席へと戻っていく。
全員が着席したのを確認すると、かおるは切り出した。
「僕は川添かおる。このクラスの担任だよ。いやぁ、まさか僕が教師として寝子高に赴任するとはねぇ」
かおるはのんびりした口調でそう語る。
寝癖の残った髪、眠そうな目。堅苦しさをまるで感じない。
（この先生……起きてますの？）
左右はやや不安げな様子でかおるを見つめている。
一方、凛は違うことを思っていた。
（あれが新しい担任の川添先生かぁ。若いし、なんだかクールな雰囲気の先生……！）
もし２人がそれぞれの感想を口にしていたなら、お互いにツッコミを入れていたことだろう。
かおるが名乗ったところで、生徒たちにも自己紹介を促す。
（おっと、自己紹介の時間だね！ 明るく元気に笑顔で！）
凛は立ち上がり、息を大きく吸いこんだ。
「雨寺凛です！ 音楽が大好きで、プロのミュージシャン目指して芸術科で勉強してます！」
「中でもロックが好きで、特技はギターの演奏！ 軽音楽部の部長もやってます！ 部員はいつでも募集中だよ！」
「みんなおしゃべりしたりするのも好きなんで仲良くしてくれると嬉しいなぁ！ よろしくお願いします！」
最初から最後までハキハキとした口調で自己紹介を終えた。
このまっすぐな言い方が、こういう場で起こりやすいぎこちなさを綺麗に払拭した。
その後に伊賀 解理、響 タルトと次々に自己紹介を続ける。
そして左右の番がやってきた。
（自己紹介、第一印象は大事ですわ）
やや意気込みながら椅子から立ち上がる。
「はじめまして、上下左右ですわ。特技は絵、楽器演奏、そして……バトンですの」
そう言った直後、手にしていた杖をくるくると器用に回す。
杖は滑らかにかっこよく宙を踊ると、最後は教室の床にひとりでに立った。
皆が驚きの表情で左右と杖を見つめている。
「皆さんよろしくお願いいたしますね♪」
そして一礼。思わず拍手を送った生徒もいた。
一通り自己紹介が済んだところで、かおるが再び口を開く。
「さすが芸術科、面白い子たちばかりだねぇ。今年１年よろしくねぇ」
「午後からレクリエーションで千年杉と美の泉へ行きます。それまで……あー、自由に過ごしてて」
そこまで言い終えて、かおるは椅子に深く座りなおした。
もうこれ以上発言するつもりはないらしい。
こうしてホームルームは終わった。
それからは生徒によって行動はまちまちだった。
自己紹介を聞いた上で、共通の趣味がわかった相手に話しかける生徒もいれば
午後に訪れる千年杉と美の泉で何を過ごそうかと考える生徒もいた。
いずれにせよ、皆が期待に胸を膨らませているのは確かだ。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年06月18日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年06月25日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年06月25日 11時00分
