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妄想<ウソ>が現実<ホント>になるところ。それが、らっかみ!
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【華胥之夢】
つい先日の、ホワイトデー。
鴻上 彰尋
にはひとつ、心残りがありました。
(結局、
渡せずじまい
だったんだよな……)
手のひらの上には、たっぷりのシルクオーガンジーを束ねてふわふわのリボンに仕立て上げた、とても可愛らしいヘアゴム。
七夜 あおい
へのバレンタインのお返しにと用意したものの、その時は何とはなしに、渡しそびれてしまったものです。
彰尋は思います。これがあおいのふたつに結った栗色の髪を彩ったなら、どれほど彼女に映えることでしょう……!
「……実は」
今日という日に、願いを込めて。
ついつい、彼は想いを口にしました。
「『あおいさんにヘアゴムを手渡して、身に着けてもらったんだ』……なんて、ね」
そして今、目の前では他ならぬ彼女がスカートを翻して彰尋を振り返り、ふわりと微笑んでいます。
「……あおいさん、それ」
「うん、彰尋くんにもらったヘアゴムだよ。さっそくつけてみたの、どうかな? 似合ってるかなぁ」
彼女の髪を飾っているのは確かに、彰尋があの日に手渡せなかった、ヘアゴムです。笑う彼女が返事を求めて首を傾けると、リボンは頭の上で踊りました。
「うん……もちろん。似合ってるよ。すごく」
「本当!? 良かったぁ♪」
ホワイトデーの日、彰尋が彼女に渡したのは手作りのアップルパイだけで、確かにそれを手渡すことはできませんでした。
けれど、どうして? とは、彰尋は思いませんでした。
「ずっと……その姿を、見たいと思ってた。きっと似合うだろうなって……本当に、想像のとおりで。すごく可愛らしくて……」
「あはは! やだなぁもう、彰尋くんったら。そんなに褒められたら、照れちゃうよ」
彼が願ってやまなかった姿が今、目の前にあるのです。そう思うと、理由や疑問など瞬く間にどこかに吹き飛んで、自然と口から飛び出すのは、普段なら口にすることもかなわないような、あまりにも真っすぐな言葉ばかり。
やわらかな風が吹き抜けて、リボンのヘアゴムとあおいの髪をなぞり、彼女はあけっぴろげに頬をほころばせます。
(綺麗だなぁ……)
理由をどこかの誰かに問う代わりに、彰尋は心を寄せる少女の笑みへと願いました。あるいは最初から、理解していたのかもしれません。
(幻でもいい。現実じゃなくても……今この時が、できるだけ長く続きますように……)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
イエローシナリオ(50)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
109人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年06月09日
参加申し込みの期限
2017年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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