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ドキドキワクワク☆2人きりの校内探索
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・
一片 桃花
&
加瀬 礼二
の場合
「あかん……もう皆ペア決まってしもうたみたいやなぁ……」
少し息を切らせながらたどり着いた体育館の中の風景を見つめ、
一片 桃花
はつぶやいた。
室内のあちこちで、ペアになった生徒たちが照れくさそうに自己紹介をしたりしている。本当ならば自分もあの中に加わっていたはずなのだけれど、開始時間に遅れてしまったせいで叶わなかった。
「楽しみにしとったんに残念やわぁ……。でもこない愚痴言うても仕方あらへんわな……」
遅れたのは何か用事があったせいではなく、完全なる自分のミスのせいだった。開始時間は把握していたのだけれど、気付いた時にはうっかりその時間を過ぎてしまっていたのだ。
はぁ、とついため息が出る。周りのはにかんだ、それでいて楽しそうな生徒たちの姿を見ると、残念な気持ちがさらに強くなった。
でもどうすることもできない。できれば今からでもどこかにペアに加わりたいけれど、遅れた自分が無理を言うわけにもいかない。
仕方がない。ここは潔く諦めよう。そう思い、桃花は気持ちを抑えて賑やかな場に背を向けようとした。
でもその時。
「どうかしましたか?」
そばから声が聞こえて、動かしかけていた足が止まった。
目を向けた先。そこに男子生徒がいた。明るい色の髪をした、細身の男子。切れ長の瞳と、口元に浮かべられた綺麗な微笑がやけに目を引く。
「何か困ったことでもありました? もしやペアの人が見当たらないとか?」
その言葉で、彼はイベントの運営側の人間なのかもしれないと思った。くじ引きが終わったのに1人でいる自分を心配して声をかけてくれたのだろう。
「いや、そうやなくて……実はうち、イベントに遅れてもうて、くじ引きに参加できんくて……」
「あぁ、そうでしたか。それなら、今からどうにかできないか調整を」
「ええんです。もう皆ペア決まってもうたみたいやし。遅れたうちが悪いんさかい、気にせんでください」
「でも、せっかくのイベントなんだから参加したいでしょう?」
「……せやかて、うちが勝手言って皆に迷惑かけるわけにもいかんし」
「そうですか……では俺とペアになるということではどうでしょう?」
「あんたはんと?」
「俺は運営側ですから、くじ引きには参加していません。だから、あなたとペアになることに支障はありません」
「でも運営の人やったら、見回りとかのお仕事があるんと違うん?」
「たしかにそうですけど、後の仕事は他の人たちで十分手は足りますから。どうですか? 気乗りしないというなら、もちろん無理強いはしませんが」
「うちに断る理由はあらへんけど……でも本当に運営の仕事のほうは平気なん?」
「もちろんです」
「……そっか。そんなら、お願いしよかな」
「では、決まりですね。1年の
加瀬 礼二
と申します。よろしくお願いします」
「2年の一片桃花や。こちらこそよろしゅう」
小さく頭を下げると、礼二は穏やかな微笑みを返してくれた。感じのいい子やな、とその笑みを見て桃花は思う。
「ほんまに嬉しいわ、参加できることになって。ありがとうな、礼二はん」
「いえ、俺としても、参加者の人には楽しんでもらいたいですから」
(ほんまにええ感じの男の子やなぁ。それにかっこええし、こんな子と一緒に歩くなんてなんだか少し照れてまうわ)
「なので一片さんが楽しめるよう、精一杯エスコートさせていただきますよ」
自然な微笑みを浮かべながら、礼二が言う。
その彼の微笑みを見ているうち、自然と桃花の顔にも笑顔が浮かんでいた。
「一片さん、段差気をつけてくださいねぇ」
音楽室前の階段にさしかかったところで、礼二は桃花に手を差し出した。すぐに桃花がその手を握り、ありがとう、とはにかみながら言葉を返してくる。こうして手を重ね合わせるのもすでに三度目なので、桃花のはにかみ具合も少し柔らかいものになっていた。
今自分たちが向かっているのは、音楽室だ。最初は理科特別教室に行き、礼二の推理でヒントの示す場所を探し当てたのだが、すでに景品は持ち去られていた後だった。
しかしその時点ではまだイベント終了まで時間があったので、ここで諦めるのも、ということで音楽室に向かうことになったのだ。
「ほんま優しい男の子やなぁ、礼二はんは。それに頭もええ。うちなんか、ヒントを見ても全然わからんかったのに」
「たまたまですよ。それに女性に気を遣うのは当然のことです」
運営側には景品の隠し場所を知っている生徒も当然いたが、礼二は知らなかった、聞けば教えてもらえたのかもしれないが、推理を楽しみたいという気持ちもあって、イベントが終わるまで聞かないことにしていたのだ。
「ほんま年下とは思えんわ。もし礼二はんみたいな子がうちの部に入ってくれたら、女の子たくさん入ってくれるやろなぁ」
桃花は柔道部に入っているということだが、部員数はすこぶる少ないらしい。おっとりとした印象の彼女が武道をやっていると聞いた時は、礼二も少し驚いた。
「僕も是非、先輩の力になりたいですが」
「あぁ、気にせんでええよ。言ってみただけやから。礼二はんに柔道っていうのはなんか違う気もするし」
言いながら、桃花が表情全体に愛らしい笑みを浮かべる。それはおっとりとした口調と相まって、とても魅力的な表情に見えた。
慣れていないせいかな、と胸の中で礼二は思う。桃花のようなタイプの異性にはあまり接したことがなかった。だから近づいたわけではなく、ペアを申し出たのは純粋に運営側の役割としてだったが、こうしてそばにいるうちにだんだんと彼女への興味が出てきていた。
ただそれがどんな類の興味かはまだわからなかった。急いで理解することもないとも思う。
やがて音楽室にたどり着いたが、中には誰もいなかった。終了時間も迫っているので、もう皆探し終えた後なのかもしれない。
「えぇと、音楽室のヒントはこの2つやから……うーん、やっぱりわからんなぁ……」
桃花が音楽室をキョロキョロと見回す。そしてウロウロという感じでピアノに近付いたた時。
ダァァン!!
「ひゃあっ!」
いきなり鳴ったピアノ音に、桃花が悲鳴を上げた。
「な、なんや、今の?」
ピアノの前はおろか、室内には自分たち以外誰の姿もない。桃花の驚いた表情には、かすかに怯えも混じっていた。
(……運営側が何か仕掛けたとは聞いていない。例のヒトハという生徒の悪戯か、あるいは誰かがそれに便乗したのか……)
驚きはしたものの、桃花と違い怯えなどはまったく感じなかった。むしろこういうアクシデントは望むところだ。うまく利用すれば場を楽しむスパイスになる。いや、できる。
「今、たしかにピアノが……」
桃花がおそるおそるピアノに近付いていく。そこでふと、ピアノの近くで影が動くのが見えた。
礼二が桃花に駆け寄るのとその影が動いたのは、ほとんど同時だった。
「フルルルルリヤッヒー!!!」
死角にひそんでいた影が声を上げて桃花の前に躍り出る。ひゃあぁっ、と先程よりも大きな悲鳴を上げて、桃花が腰を抜かす。崩れそうになるその体を、寸前で腕を伸ばして支えた。そのまま片手で抱くように腕を回し、それから影の正体を確認する。
目の前にいたのは、男子生徒だった。紙袋をかぶって顔を隠しているが、制服は明らかにこの学校の男子のもの。
(ヒトハの声は女のものだった。ということは便乗犯……いや、ヒトハの協力者という可能性もあるか)
運営側として、正体を突き止めるべきだろうか。そう思った瞬間だった。
「……フルルルルリヤッヒー!」
男子生徒は先程と同じような声を上げると、そのまま走って音楽室を出て行ってしまった。
少しの間、礼二も桃花も動かずに男子生徒が消えた先の廊下を見つめていた。桃花は呆然としている。
「大丈夫ですか、一片さん?」
「えっ……? あっ……あぁ、ごめん、大丈夫や」
「立てますか?」
「うん……なんとか」
そうは言ったが、桃花の腰はまだ完全には立たないようだった。一度離れようとしたものの足が崩れそうになり、礼二の肩にすがりついてくる。
「あかん……。ごめん、礼二はん……もう少し支えててもらってもかまへんやろか……?」
「いいですよ」
にこりと笑い返し、再び桃花の体に片手を回して支え、もう片方は桃花の手を握ってやる。はたから見れば、抱き合ってるようにも見える格好だった。
「ご、ごめんな……さすがに嫌やろ、こんなん……?」
礼二は何も答えなかった。言葉の代わりに、桃花の手を握っていたほうの手の指の動かし、それを桃花の指に絡ませる。ぴくりと反応を見せて、桃花がこっちを見た。
「どうしました?」
笑みを崩さずに問いかける。桃花は戸惑うような、困ったような顔をしていた。
「と……年上をからかったらあかんよ……」
「なんのことです?」
「なんのって……うちの指に……」
「指がどうかしました?」
うぅ……と困ったように言って、桃花が押し黙る。こういうタイプのこういう反応は新鮮だった。そしてやはり可愛らしくもあった。
「ええ子やと思っとったのに……取り消さなあかんなるで……」
「どうしてです? 僕はただ一片さんを支えてるだけじゃないですかぁ」
「うぅ……もう悪い子決定や……」
桃花の頬は赤らんでいた。少しやりすぎたかな、とそれを見て思う。でも面白いからいいだろう。
それから2、3分、そのままでいた。でもやがて桃花がもう大丈夫だと言い、体を離す。絡めていた指もどちらからともなく離れ、やがて1人で無事に立つと、はぁ、と桃花が息をついた。
「大丈夫ですか?」
「うん、それにしても驚いたわ……心臓止まるかと思た……」
「たしかにいきなりでしたからねぇ。さて、じゃあ景品探しを再開しま」
言いかけた言葉が途中で止まる。そこでちょうど、イベント終了の声が流れてきたからだった。
「あっ、終わりみたいやな……残念。景品、見つけられんかったかぁ。まぁ仕方あらへんなぁ」
「楽しかったですか?」
「うん。すごく楽しかったわ。驚いたり……からかわれたり……まぁなんやらあったけど、楽しかった。これも全部ペアになってくれた礼二はんのおかげや。ありがとうな」
「どういたしまして」
桃花は笑っていた。年上とは思えない愛らしい笑み。
やっぱり興味深い人だなと、その笑みを見て礼二は思う。そしてこれからも近づかせてもらおうかなと、なんだかそんな気もしていた。
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担当ゲームマスター
北見直弥
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
推理・サスペンス
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年12月18日
参加申し込みの期限
2012年12月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2012年12月25日 11時00分
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