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ドキドキワクワク☆2人きりの校内探索
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・
如月 庚
&
月ヶ瀬 朔夜
の場合
『それでは、ペアになった人と景品探しを開始してください。制限時間はお伝えした通り40分。何かわからないことがあれば運営部のほうへ。皆さんに新しい素敵な仲間ができるよう、有志一同祈っております』
集合場所である体育館の隅に立ちながら、マイクを持った運営側の生徒のその言葉を、
如月 庚
は微妙な感情とともに聞いていた。
視線の先では、ペアになった少年少女たちが動き始めている。楽しそうな笑顔で、あるいは緊張した面持ちで。
「……新しい素敵な友人か」
彼らを見つめながら、小さく一人ごちる。それからちらりと自分のすぐ横にいる少女、
月ヶ瀬 朔夜
に目を向けた。
「なにやら不満そうな表情ですね……如月君」
視線に気付いたようで、朔夜がそんなことを言った。愛想のない無表情に少しの不平が浮かんでいる。
「……そんなことねぇよ」
「隠さなくてもいいですよ、別に。残念でしたね、私のような無愛想な女が相手で。しかもすでに顔見知りというダブルパンチで」
朔夜の言う通り、自分たちは顔見知りだった。クラスは違うが、『寝子島☆美食クラブ』という学校非公認のクラブに所属し、会話を交わしたことも一度や二度ではない。
「だからそんなことねぇって言ってんだろ。むしろ、俺はお前とペアになってよかったと思ってる」
「えっ?」
表情のなかった朔夜の顔に、驚きが広がる。それからかすかに頬が赤みを帯びたように見えた……のは気のせいだろう。
「よ、よかったって、どうしてですか?」
「俺は交流が目的じゃなくて、景品が目的だったからな。ペアが顔見知りのお前なら、変な気を遣わずに気楽に動ける」
たぶん、こんな動機で参加してるのは自分くらいだろう。俗物だなと自分でも思うが、これが性格なのだから仕方ない。
「あぁ、そういうことでしたか……」
「月ヶ瀬のほうこそ残念だったな。ペアが俺で。もっと楽しい奴と組みたかっただろ?」
「い、いえ。そんなことはありません。全然、残念じゃありません」
「へぇ、なんで?」
「いえ、その……私も、景品が目的で参加したので」
「そうか。なら、お互いに結果オーライってことだな」
「えぇ、そうですね」
「それじゃ、俺たちも始めるか。最初は……そうだな、図書館にでも行くか。難易度も真ん中でちょうどいいし」
「そうですね。先程の正体不明の放送も気になります。慎重にいきましょう」
朔夜の言葉に頷き、2人そろって歩き出す。
(そういえば会話を交わしたことはあるが、こうして月ヶ瀬と並んで歩くのは初めてだな……)
そんなことを、歩きながらぼんやりと思う。
途端、ふとおかしな気分が胸をよぎった。ふわりとした、それでいてなんだかモヤモヤしたおかしな感覚。
「どうかしました?」
戸惑いが表情に出たのか、月ヶ瀬が聞いてくる、
「いや、なんでもない……」
「……?」
かすかに首をかしげ、朔夜が見つめてくる。同時に胸の中の感覚が少し強くなった気がした。
「……急ぐぞ。早く行かないと他の奴らに景品を取られちまう」
そう言って、胸を包むおかしな感覚を振り払うように、庚は歩く速度を早めた。
図書室への廊下を歩いている間、朔夜は大きな緊張を感じていた。
当然だった。すぐ隣に男子がいて、一緒に並んで歩いているのだから。
庚のことはよく知っている。いや、よくではない。むしろ知らないことのほうが多い。
それでも今までに何度か会話してきた。しかしだから大丈夫だなんて、とても言えなかった。
だって、今は。
(そう……普段はともかく今回は2人きり……な、何話せばいいんだろ……。あうう……)
外側には出ない本当の自分。こういう時は本当に困る。
でもなんとか、ちゃんと場を取り繕わないと。
「ひゃっ……!」
その時、いきなり足下がつるりと滑った。悲鳴とともに体勢が崩れ、後ろへと倒れる。
衝撃。そして痛み……いや、違う。痛みはなかった。それどころか衝撃もひどく小さくて……。
「何やってんだよ……大丈夫か?」
ふと見ると、すぐ近くに庚の顔があった。そして背中を触れる手の感触。
自分の体は、庚の腕に抱き止められていた。
(な、ななな……!?)
頭が混乱して、体が硬直する。そばにある彼の顔、体に回された手。こ、この状況は、いったい。
(お、落ち着いて……! 落ち着いて、私……!)
「……おい、どうしたんだよ? 立てるか?」
「え、えぇ、大丈夫です」
心臓がバクバク鳴っている中、なんとか、本当になんとか言葉を返した。
庚に支えられながら、体勢を元に戻す。彼の腕が離れても、まだ胸の高鳴りは去らなかった。
「……失礼しました。ありがとうございます」
「やられたな」
「えっ?」
「ほら、ここ。ワックスがかけられてる」
「あぁ……」
目の前の床。その部分に他の部分にはない輝きがあった。彼の言う通り、明らかに誰かがワックスで磨いた跡だ。
「ヒトハっていうのの仕業だろう。放送のすぐ後だっていうのにずいぶん仕事が早い。それとも事前に準備してたのか」
「……私としたことが、醜態です」
「まぁ、いいさ。怪我がなくてよかった」
庚が再び歩き出す。ふぅ、と一度小さく息を吐いてから、朔夜もその後に続いた。
(落ち着いて、気を取り直さなきゃ……今のはただのアクシデント……抱きかかえられたのも不可抗力……)
心の中で繰り返し自分の中に言い聞かす。そのおかげか、徐々に心臓の鼓動はおさまっていった。
やがて図書室へとたどり着き、、中へと入る。室内にはすでに何人かイベントの参加者らしき生徒がいた。
「さて、じゃあ探すか。できれば難易度4のほうを見つけたいよな」
「如月さんはよく図書室に通っていますよね。何か心当たりはありませんか?」
「『あなたを包むものの歩みの物語』か。そうだな……思いつくのは卒業アルバムとか学校沿革ってとこか」
「なるほど。じゃあ、まずはそのあたりから探してみましょうか」
庚とともに、目的の本がある場所へと本棚の間を進んでいく。でも、その途中。
「あっ」
「どうした?」
「あの本……」
すぐそばの本棚の最上段。。そこにある本の背表紙に書かれている題名。
間違いない。あれは、前からずっと読みたかった本だった。
「この本、気になるのか?」
じっと見つめていると、庚が手を伸ばして本を取ってくれた。
「ありがとうございます……」
それは天文学について書かれた本だった。少し古い物で、書店などにもなかなか売っていない学術書。
「月ヶ瀬って、天文学が好きなのか?」
「はい。好きです。天文学とか、地学とか」
「なんで?」
「なんでって……特に深い理由はありません。寝子島に来て、自然の美しさを改めて認識して……天文部に入ったのも同じような理由です」
「自然の美しさか……」
「何かを好きになるのは、ふとしたきっかけで十分なんですよ。如月君は、何か好きなものはあるんですか?」
「好きな物……本かな」
「どんな本が?」
「ジャンルで言うと、ミステリ、ハードボイルド、SFってところだ。最近は時代物も好きかな」
「時代物……司馬遼太郎などですか?」
「あぁ、よく読んだよ。池波正太郎とかも」
「他にはどんな?」
しばらくの間、庚が過去に読んだ本の話を聞いた。中には何冊か朔夜も読んだ本があり、その時はお互いに感想を言い合ったりもして。
「あの場面はよかったですね。一人生き残った切なさや悲壮感がよく表れていて」
「そこもよかったけど、俺はあの後の戦いが」
止まることなく会話は続く。なんだかとても楽しかった。楽しすぎて、時間を忘れるくらいに。
(えっ、時間……?)
『皆さん、お疲れ様でした。制限時間が過ぎましたので、今を持ちまして校内探索イベントを終了いたします。ご参加、ありがとうございました』
「……」
「……」
聞こえてきた声に、お互いに顔を見合わせる。しばらくの間どちらも動かずにそうしていて……。
「やっちまった……すっかり忘れてた……」
やがてそう言いながら、庚が頭を抱えた。
「お互い、話に夢中でしたね……」
そういう彼に静かに言葉を返し、でも内心、朔夜も頭を抱えたい気分だった。
「まぁ、別にいいか……」
「えっ?」
「なんていうか……結構楽しかったし。お前との本談義」
言われた瞬間、また胸が高鳴った。
「……そうですね。私も悪くありませんでした」
思い切って、そう言葉を返す。すると庚は小さく、でもたしかに笑ってくれた。
朔夜も同じく、少しだけ笑う。
でも楽しい時間を与えてくれた彼に対するその笑みは、いつもの無表情とは違い、決して作ったものじゃなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
北見直弥
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
推理・サスペンス
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年12月18日
参加申し込みの期限
2012年12月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2012年12月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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