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文(ふみ)書かばや
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◆
何度も丸められたレポート用紙。
数枚目にしてようやく形になっただろうかと判断すれば、
五十士 柊斗
は購入した便箋の封をやっと切った。
先程までの走り書きとは違い、背筋を改めて伸ばして便箋と向かい合う。そうして、丁寧に丁寧に、字をしたためていった。
何度読み返しても、これが正しい気持ちなのか満足いく内容なのかは分からなかったが、綺麗に封筒へと織り込んだその表情は少し、書き始める前よりスッキリとしているようだった。
が、ここで柊斗、送りたい先である彼女の住所を知らない事に気付く。
―― ……我ながら抜けてるな……。
溜息つくも、全く思い至らず夢中で手紙を綴っていた自分を思い返して、苦笑いが浮かぶ。
手紙の中身だけではなく、彼女を想って行動する今の自分こそがありのままの自分なんじゃないだろうか。そんなふうに思えた気がした。
ならば、以前の約束を叶えるための勇気に替えよう。
柊斗は時計を確認した後、携帯へと手を伸ばした。
「……自分本位、ですね……」
闇夜に控えめに輝く月を見上げると、彼の穏やかな笑顔とその髪色がどうしたって思い出されて、
エリューシア・セリアン
は気が付けば胸の内からとめどなく溢れてくる想いを確かめるように綴っていた。
書くことで頭の中も整理できる気がして、一度も書き直すこと無く感情のままに動かしていた空色のボールペンがようやく止まれば、改めて読み直す。そうして自身が恥ずかしくなり俯いてしまっていた。
想っているだけで良かったはずなのに。どこまで自分の欲は限りがないのだろう。
―― それだけ柊斗様が……。
エリューシアは自身の文字たちから確信した気がした。
認めるように、エメラルドグリーンの瞳を長いまつ毛で伏せさせたその時、携帯着信音が彼女を振り向かせるのだった。
◇ ◇ ◇
それぞれが等身大の想いを込めた手紙を忍ばせて ――
翌日、柊斗とエリューシアは寝子電のホームで並んで立っていた。
『もし空いていたらで構わないのだけど』という柊斗からのショッピングのお誘いに、嬉しさで感極まりそうになるのを抑えたエリューシアは二つ返事で了承して。
直接顔を逢わせれば、他愛ない雑談、日用品を買う間、それだけでお互いの心はお互いへの想いで満ち足りそうになる時間を過ごす。
『資料を返しそびれていた』と、遠いからそこまで付き合わなくとも大丈夫だという柊斗の図書館への用事へも、少しでも長く一緒にいたい気持ちを必死にひた隠して彼女は言う。『わ、私も、ちょうど借りたい本があったので』と。
そうしていつの間にか傾き始めた陽射しの中で、帰路に向かう電車を待つ二つの影。影の主たる鼓動は二つとも、次第に早鐘を打っていた。
―― いざ渡そうと思うと……こんなに緊張するものなんだな……。
柊斗は情けなさそうに眉を下げて、それでも、今日の誘いは一重にこの為にあった事を自身への奮い立たせとして。
電車の来る音が聞こえる前にと、鞄を開け中から淡い水色の封筒を取り出した。
その様子に首を傾げる彼女の、澄んだ瞳の目の前に封筒を差し出し静かに口を開く。
「……話したり、メールとは違った形に出来るかなって」
「私に、ですか……?」
「うん。受け取ってもらえるかな」
彼の口からハッキリと、自分へとしたためてくれた手紙なのだと聞いて大きな瞳をこぼれ落ちそうな程に見開いた後、エリューシアは微かに手を震わせながらそれでもしっかりと、柊斗からの手紙を受け取った。
その手首に、傾く陽光色のブレスレットを視界に捉えれば、『とてもよく似合っている……』と本日何度目かの感想をこっそり心の中で呟きながら。
ありがとうございます、と囁かれた声へ柊斗は微笑んだ。
と、その柊斗の表情が彼女から似たような封筒を差し出されて、驚いた眼差しへと変化した。
「私も……実は、手紙を書いていたのです」
受け取った時と同じように手を震わせながら、まるで受け取ってもらえないとでも思っているかのように俯いて、手紙だけを柊斗の視野に入りやすいよう高々と上げている様子に柊斗の胸がきゅっと締め付けられた。
彼女を安心させるように、その小さな白い手を包み込むようにしながら感謝の言葉と共に手紙を受け取れば、俯かれた顔と瞳に笑顔が戻った。
恥ずかしそうに、家に帰ってから開けて下さいとやってきた電車の中で呟く彼女へ頷きながら、ここまで付き合ってくれたのだしせめて彼女の下りる駅まで送ろうと申し出る柊斗へ、エリューシアはしきりに『大丈夫です』と首を振った。
ただでさえ、手紙をもらったことで舞い上がっている気持ち。
これ以上一緒に居たらそれこそ、送ってくれたお礼に家でお茶でも……と引き留めてしまいかねない。
すっかり己が欲の高ぶりを理解し始めたエリューシアは、名残惜しそうに手を振りシーサイドタウンの駅で降りた柊斗を、精一杯の笑顔で見送った。
しかし彼の背中を見た瞬間、その顔色を変化させる。
早く読みたかったけれど、相手へ『家に帰ってから読んでほしい』と言った手前、自身も彼からの手紙をまだ開けずにいたことですっかり思い至るのが遅れたのだ。
……この手紙の内容が別れの言葉かもしれないのに。
遠くなっていく彼の背中が、エリューシアにそんな不安を起こさせた。
元々、渡すつもりで書いたわけでは無かった手紙。
自分の想いをただただぶつけるだけとなっていた内容を思い出して、白い頬を一際真っ白に青ざめさせては慌てて携帯を取り出す。
だがここは電車内。ハッと周りを見渡してから、ダイアルボタンを押すのを諦めてすぐに、メール画面を開いては文面をしきりに思案するエリューシア。
彼へとメール送信ボタンを押すより早く、星ヶ丘駅に到着してしまった。電車を降り暫し悩んだ末、その場のホーム備え付けのベンチへと腰を下ろした。
―― ……せめて、中を確認してから……。
必死の謝罪言葉が頭いっぱいに過ぎっていくも、意を決して封筒から手紙を取り出した。
最初に視界に入ったのは、彼らしい丁寧な字で書かれた自分の名前と、その横に羽ばたく淡い天使の羽模様。これだけで、どこか心が落ち着いた気がした。
1分……2分…………5分。
手紙を開いてから、エリューシアは固まってしまったかのように動かない。
ただその頬から、一筋の雫がつたって手紙を握りしめるように持つ自身の手の甲に、ぽたりと落ちた ――。
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担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月22日
参加申し込みの期限
2017年05月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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