文（ふみ）書かばや｜リアクション

文（ふみ）書かばや

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　今日も健康的にきらめきステップ☆
　生まれた時から天使の美貌を持ち、成長と共に更なる美の階段を自然と昇っているわけだが（※本人談）、そこにビューティフル努力☆の文字を刻むのが花椿涼太郎たる個人をより輝かせている。
　プロポーション維持の華麗ウォーキング、別名「祖母に頼まれたお使い」を済ませキラキラ笑顔で店へ戻って来た涼太郎。
　その黒水晶のような瞳に、店先に普段無いはずのモノが映り込んだ。

「おや、僕宛のお手紙？
　……は！　もしや美しき僕へのファンレター！？　古来より美とは罪だよね、はーっはっはっは！」

　絶好調な思考の下早々に結論づけては、それでもどこか嬉しそうにいそいそと、丁寧に開封してみる。
　すると　な　ん　と　い　う　こ　と　で　し　ょ　う　。
　正しくラブレターではないか。涼太郎の全力ポジティブ思考も時には的を射ることもあるのである。

「どうしてか妖精さんからのビックリ視線を感じる気がするけれど、きっと僕が麗し過ぎるから驚いているんだよね☆」

　別次元の電波も舞うようにキャッチしつつ。
　可愛らしい花柄の便箋。開けば最初の一文に、宛名と同じようにたどたどしい字で『りょうたろうさまへ』と書かれていた。
　そして後の行には、気付けばいつも涼太郎の姿を追っていたこと、キラキラと星を振りまく仕草や笑顔がとてもとても羨ましいと思っていた事、どうしたらそんなふうになれるのかという事など、一生懸命考えながらだったのだろう、何度も消しては書き直した跡の上にしたためられていた。

「差出人は書いてなかったけど、いつでも渡せるようにお返事書いておこうかな☆」

　手紙片手にそわそわと、目当ての品を見つければちゃんと祖母へとお代を払ってから自室へと向かい、迷うことなくシャキーンッとペンを掲げる。
　彩り豊かな縁どりの星模様がたくさん散りばめられた便箋へといざ、お返事の文を綴っていく。

「手紙を書くのは久しぶりだね……！　こんな日のためにサインの練習はよくしていたのが早速役に立つよ！」

　はーっはっはっはっは！　と店の2階から高らかに声が響いていた。

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