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春風の妖精の活躍 ~春の訪れを告げに~
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【新しい関係】
ヨハン・プレストン
は旧市街にある自宅で、ペットの世話をしていた。
生まれて間もない子犬であるジョンは眠っている時間が長いが、目を覚ますとなかなかやんちゃで手が放せない。
クラリックは基本的に「食う・寝る・遊ぶ」の3つしか行動パターンが存在しない典型的なハムスターだ。
どちらも一般的にいうなら「可愛いペット」の部類である。
食べる時にしか口を使わないと噂されるほど無口で眼光鋭いヨハンが、至極真面目にこの2匹のペットの面倒を見ている様子は、クラスメイトたちには想像できないだろう。
開け放った縁側で、ジョンが小さなしっぽを振りながら、使い古したゴムボール相手にじゃれている。
……気持ちいい風が入ってくるが、ジョンが不用意に外に出ると危険だろうか。
そう考えたヨハンが、縁側に面した障子を閉めようとした時だった。
「ッ!」
「きゃぁあああぁああ!」
突然現れた今まで感じたことのない気配に、ヨハンは反射的にジョンをかばいつつ、その「存在」を投げ飛ばした。
およそ異常な手応えだった。
柔らかな感触があるにもかかわらず、体重がほとんど感じられない。投げ飛ばした反作用もなく、まるで羽でできた人形を相手にしたかのようだ。
油断なく相手を見定めるヨハンの前には、あられもない姿でひっくり返っている少女がいた。
大きな翼を背から生やし、羽毛を飛び散らせている段階で、明らかに普通ではない。
「……いたぁい。ひどいですぅ。あたしが一体何をしたっていうんですかぁ」
ただでさえ無口なヨハンにしてみれば答える必要性など微塵もないが、あえて口にするなら「存在自体が怪しい」である。
少女はヨハンの心のつぶやきを察したかのように、傷ついた表情で起き上がった。
そこでやっと自分の姿に気がついたようで、頬を赤く染めあげる。
めくれ上がったさくら色のワンピースの裾を直し、金色の髪の毛を手櫛で整え、白い翼をはためかせて散りかけた羽毛を取り払うと、あらためてニッコリと笑顔を浮かべた。
しかし、もちろんヨハンはその鋭い眼光を緩めたりしない。
「あ、あれ? あれれ? この国では『営業スマイル』をすれば、大抵の人がにこやかに相手をしてくれるって聞いたのに、なんでぇ?」
日本文化に対する大いなる偏見を漏らす少女に、ヨハンのほうが困惑する。
「……何が目的だ」
「あの、あたし、春風の精でして、皆さんに春を届けに来たんですぅ。あなたが望む春ってなんですかぁ?」
「……」
ますます訳が分からなかった。ヨハンは内心、こめかみを押さえる。
春を届けるとは一体何だ。しかも望んだ春をどうやって叶えるというのか。
聞いた限りでは疑わしいことこの上ない。
しかし、彼女が人ではないということは分かった。翼という見た目ではなく、先程の身体の抵抗感の無さから判断して、生命体として存在が希薄過ぎる。
また観察する限りでは、格闘術や暗殺術に長けている様子も見られなかった。
最後の決め手はジョンだ。
ヨハンの背後から一目散に飛び出すと、少女を見上げて尻尾を振りまくっている。
どうやら、ジョンは彼女のことが気に入ったようだった。
半ば口を開けてヨハンとジョンを交互に見る少女の様子に、気づかれないほど小さなため息をこぼしつつ告げる。
「……この二匹の世話を頼む。元からおとなしいから問題はない」
「え、あ、はい! がんばりますぅ!」
とりあえず、ジョンに免じて信じることにしよう。
そう考えたヨハンだったが、その直後に落ち込むことになった。
「あはは! ジョンさんって言うんですか。あたしはカルミアっていうんですよぅ。よろしくお願いしますねぇ」
「クラリックさん、それ美味しいですかぁ? わわ、そんな、おすそ分けなんていいんですよぅ」
なにやら1人と2匹で和んでいる。
どうやら、カルミアと名乗る謎の少女は、あっという間にペットたちと打ち解けたらしい。
ジョンは飼い主であるヨハンにもしないような懐き方を見せている。「食う寝る遊ぶ」のクラリックまでが、今まで見たことのない反応を示していた。
……これは俺がやはり怖がられているのだろうか?
いいようのない敗北感を感じつつ、ヨハンはなんとか冷静な己を保った。
「餌を持ってくる。好きに戯れていてくれ」
「はぁい、いってらっしゃいませー」
2匹もそろって鳴き、ヨハンを送り出す。
再び秘かなダメージをうけながら、ヨハンは餌を取りに行った。
「わかりましたぁ。ではジョンさんのリクエストにお応えしますねぇ」
帰ってくると、扉の向こうでカルミアの声が聞こえる。
気配を消して中を伺うと、そこには一見信じられない光景があった。
縁側から庭に降りたカルミアが、囁くような声で歌っている。聞き取れないが、ラテン語のような響きのように思えた。
犬やハムスターの可聴域には合っているのだろうか。ジョンとクラリックの後ろ姿は夢中で聞き惚れているように見える。
しかもそれだけではなかった。
いつの間にはカルミアの周りにはさまざまな動物たちが集まっていたのだ。
近所で見かける猫や犬。
警戒心が高いはずの小鳥たち。
トカゲやヤモリ、イエネズミだけでなく、蝶やハチといった虫までもが、カルミアの歌を聞いてるように見える。
これは一体何なのか。ヨハンには分からない。
ただ、なにか侵し難い雰囲気を感じていた。
こんな自分は、この場に入ってはいけない。
その権利はない。
自然にそう考え、一歩ひいた瞬間、足元に抵抗する力を感じた。
「……ジョン」
いつの間にか扉の隙間から出てきた子犬がつぶらな瞳で、ヨハンを見上げていた。
パンツの裾を噛み、こっちへ来いと訴えている。
いや、実際に呼びかけているのがわかった。
なぜか、ジョンの感情が伝わってきたのだ。
そこにあるのは恐れではなく、親愛の情だった。
一緒に居たいという、親を慕う子のような感情が小さくもはっきりと伝わってくる。
これが、カルミアの力なのだろうか。
それすらもヨハンには判断がつかなかったが、ジョンの誘いをはね除けるつもりがないことは確かだった。
「あ、おかえりなさぁい。今、ちょうど皆でお歌を楽しんでいたところなんですよぅ。ヨハンさんも一緒にいかがですかぁ」
「なぜ、私の名を知っている?」
「クラリックさんから聞きましたぁ」
なるほど。彼女は動物と意思疎通ができるらしい。
「……お邪魔する」
信じる信じないはともかく、目の前に起こっている事実を無視はできない。
ヨハンは、尻尾を振るジョンとひまわりの種をかじるクラリックと共に、少女の歌を拝聴することにしたのだった。
もし、カルミアが本当に春風の精で、私のもとに春を届けに来たというのなら。
どうやら私にとって今年の春は、ジョンとクラリックとの新たな関係が始まる時ということらしい。
そう考えたヨハンは、ほんの少しだけ唇を緩めた。
「そろそろ、あたし帰りますねぇ」
陽が傾き始めた頃、カルミアは来た時と同じく唐突に別れを口にした。
「……そうか」
ヨハンの声は変わらず冷たい。しかし、口元が少し柔らかく、それが微かだったが表情を優しく見せていた。
「また春になったら来い。ジョンとクラリックも喜ぶ」
無口なヨハンが静かに告げた言葉に、カルミアはシルクのように柔らかな笑顔で頷いた。
「はい! また会いましょうねぇ、ヨハンさん」
白い翼を大きく羽ばたかせ、少しずつ姿を消しながら天に昇っていくカルミアを見送る。
ジョンをなでながら、ヨハンは心の中で呟いた。
なんとも騒がしい春の妖精だったな、と。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿都
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月24日
参加申し込みの期限
2017年05月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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