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春風の妖精の活躍 ~春の訪れを告げに~
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【大切な約束】
「……え、えっと。どうしましょう?」
御巫 時子
は、目の前の天使のような少女をみつめて、おっとりと小首を傾げた。
少女は背にある白い翼をゆっくりと羽ばたかせて、辺りに心地よい風を起こしている。
集っていた小鳥たちは楽しそうに、その風とたわむれていた。
ああ、そういうことなんですね。
御巫はその自然な小鳥たちの姿を見て、納得できたように思った。
この子は本当にそういう存在。春の精霊のようなものなのですね。
「えっと、お姉様。どのような春を過ごされますか?」
ぽかぽかとしたお天道さまを彷彿とさせる微笑みを浮かべた少女に、御巫もニッコリと頷いた。
「……そうですね。皆さんと一緒に春を楽しみたいです」
「皆さんと、ですか?」
「はい。お願いできますか?」
その言葉が表している相手が分からず、首をかしげる春風の精を前に、御巫はベンチから立ち上がると優しく手を差し伸べた。
「私は
御巫 時子
っていいます。あなたのことなんて呼べばいいですか?」
「えっと、クロリスって呼ばれます」
「ふふ、よろしくお願いしますね、クロリスさん。ちょっと行きたいところがあるのだけれど、その、翼を隠すことはできますか?」
「はい、大丈夫ですよ!」
春風の精が翼をたたむと、霞のように見えなくなる。
御巫は安心して少女の手をとり、ゆっくり歩き出した。
* * * * *
「わぁ、フラミンゴさん、フラミンゴさんですよ! 時子お姉様」
「慌てなくても大丈夫ですよ、クロリスさん」
2人が向かった先は、またたび市動物園だった。
小さな動物園だから飼育している動物の種類も少ないけれど、どの生き物も元気があって、のびのびと過ごしている。
クロリスと名のった春風の精は、瞳を輝かせて動物たちを見て回った。
その様子はなんとも無邪気で、見ているだけであたたかな気持ちになる。
さらにクロリスはなにかある度に「時子お姉様!」と呼んでは頬を染めて喜ぶので、なんだかとても優しい気持ちになった。
「時子お姉様! こっちにはライオンさんがいるみたいです!」
手をひっぱる愛らしい少女に、ついつい微笑みが浮かんでしまう。
妹がいたとしたら、こんな感じなのだろうか。
「ライオンさんライオンさん、こんにちは!」
クロリスが柵越しに声をかけると、必ず動物たちが寄ってきた。しかもその親しげな姿は、まるで何年も面倒をみてきた熟練の飼育員への態度に劣らない。
御巫も話しかけてみると、『ろっこん・鳥の囀り』ほどではないけれど、なんとなく意思疎通ができることが分かった。
「お元気ですか?」
『マァネ、ワルクナイ』
「今日は暖かくていい日ですね」
『ヒナタボッコニハ、チョウドイイナ』
大あくびで答えるライオンが、まるで寝子島神社の境内で昼寝する野良猫のように見えるのが
面白かった。
ふれあい広場では、ウサギにハムスター、モルモットまでほとんど全てが御巫とクロリスの近くに寄ってくる。
お饅頭のようにまん丸になり御巫の膝の上で昼寝するウサギは、小さな鼻をヒクヒクさせて寝言を言っていた。
その横ではハムスター専用のクライミングジムと化したクロリスが、よじ登る小動物たちに気を使って身動きできず、困った顔をして笑っている。
「お姉ちゃんたちは、魔法使いさんなの?」
「そんなことないですよ。ほら、一緒にどうぞ」
広場にいた見知らぬ女の子が不思議そうに尋ねてきた。
クロリスに目配せすると、ウサギたちが女の子の足元に身を寄せ、耳をくるくると動かして愛嬌を振りまく。
嬉しそうに笑ってウサギをなでる女の子を見て、クロリスと一緒に微笑んだ。
陽の暖かさと、身を寄せる小動物の体温と、そして周囲にあふれる笑顔。
心も陽気で満ちてくる。
「時子お姉様。楽しんでますか?」
「ええ、とっても。皆さん春が来て嬉しいみたいですね」
「よかったです。皆に春を楽しんでもらえて嬉しい……」
御巫は、見るからに一生懸命なことが分かるクロリスに、何か返してあげたくなった。
こんなにも素敵な春を届けてくれたから。
こんなにもあたたかな思い出をくれたから。
「ね、クロリスさん。ちょっといいですか」
「はい、なんですか? なんでも言ってください!」
やる気に満ちている少女に、サプライズプレゼントをしてあげよう。
二人でお土産屋さんに足を向ける。
クロリスは見るもの全てが初めてのようで、キョロキョロと落ち着かなかった。
そんな様子に口元をほころばせながら、御巫はあるものを2つ手にとってレジに向かう。
店を出ると、そろそろ西の空が赤く色づき始めていた。
御巫はしゃがんでクロリスの視線に合わせると、手に持っていた紙袋を開けて、先程買った品を取り出す。
ハムスターのチャームが付いたブレスレットを、クロリスの腕につけてあげた。一緒に自分の腕にもおそろいのブレスを着ける。
クロリスは大きな目をさらに見開いて、御巫を見た。
「あの、時子お姉様。これは?」
「えっと、お礼です。すてきな春を届けてくれたクロリスさんに」
「……いいんですか?」
「もちろんですよ。私とおそろいでよかったら、受け取ってくれると嬉しいです」
少女は、御巫の腕にもある同じブレスに愛おしそうに触れると、半泣きになって言った。
「もう。もう、こんな素敵な契約の証をもらってしまったら、来年も再来年も、ずっとずっと春がくる度に訪ねちゃうんですから! いいんですか? 時子お姉様は」
御巫にはこれっぽっちの迷いもなく、はっきりと告げる。
「待ってます。来年も再来年も、また会いに来てくださいね、クロリスさん」
少しずつ姿が揺らいで消えていくクロリスに、精一杯の笑顔と一緒に。
「また来ます。また春を届けに来ますから。忘れないで下さいね、時子お姉様!」
クロリスは最後に白い翼を大きく広げ、涙をこぼしながらも暖かな笑顔を浮かべながら、そよ風に吹き消されるようにその場から消えた。
左腕に着けたおそろいのブレスにそっと触れ、御巫はもう一度呟く。
「約束ですよ、クロリスさん。また会いに来てくださいね……」
微笑みを消さないように、約束を心に刻みつけて。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿都
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月24日
参加申し込みの期限
2017年05月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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