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春風の妖精の活躍 ~春の訪れを告げに~
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【花咲か妖精と小さなお花見】
「っと、これでいいかな」
北里 雅樹
は駅のコインロッカーの鍵を締めて、とりあえずの安心を手にした。
この中にはカップ麺や缶詰といった食料がしまってある。つい先程、ディスカウントショップで購入してきたものだ。
いろいろな事情があって猫鳴館で寮生活をしている北里にとって、春の在庫売り尽くしセールのようなバーゲンは貴重な食糧供給源だった。
今回は有意義な買い物ができた。これであと1カ月はなんとかなりそうだ。
しかし、猫鳴館でこれだけの食料を確保し通すのは至難の業だった。
なにせ男子高校生の食欲は計り知れない。一度でも保管場所を探り当てられれば、残さず食い尽くされるのは目に見えている。寮は弱肉強食のサバンナなのだ。
だから北里は、わざわざ駅のロッカーを利用している。少々面倒だが、背に腹は代えられない。
「さて、どうしようか」
この後の予定は特になかった。
春の陽気に誘われて、近くの公園に足を伸ばす。
適当なベンチに座って空を仰ぎ見ると、とても澄んだスカイブルーが妙に眩しくて、目を細めた。
その時だった。
白く大きな翼が、視野を塞いだのは。
「なんだ? 白鳥?」
特に鳥に詳しいわけでもない北里は、とりあえず大きな白い鳥の名を口にしたのだが、その翼はそんな独り言に答えて返した。
「違いますよぅ。わたし、春をお届けに来たんですぅ」
翼を広げていたのは鳥ではなく、のんびりした口調をした赤毛の女の子だった。
セミロングの髪をなびかせて、ガーネットのような瞳をした、小学生ぐらいの少女。
北里は目を白黒させつつ、賢明にも少女の正体を追求することは避けて、目的を尋ねた。
本当なら問い質したい。「その背中の翼は本物か」とか「何者なのか」とか。
しかし、この島で起こる不思議に関わった場合、悩むだけ無駄な場合が多いのだ。
「で、その。……春を届けにきたって言ったよな?」
「そうですぅ。あなたの望む春ってなんですかぁ?」
翼をたたんだ赤毛の少女は、おっとりと問い返した。
北里は、少しだけ考えて答える。
なにができるのか分からないが、もし春を呼べるというのなら……。
「あそこにある枯れてるっぽい桜。あの木に花を咲かせることはできるかな?」
公園を彩る桜並木のなかで、一本だけ立ち枯れたような木があった。周りが華やかなだけに目立ち、それが少しだけ引っかかっていた。
もしできるのなら、あの枯れ木にも春の訪れを。
そんな夢のような話を、春風の精はこともなげに受け入れた。
「そういうことならお安い御用ですよぅ」
「え?」
北里が驚きの声を上げる間もなく、春風の精は両手を組んで祈りを捧げるように跪いた。
その背に再び翼が現れて、そよ風を起こす。
一度羽ばたくと木の肌に生気が蘇り、二度目には枝に無数の蕾が生まれ、三度風を起こしたときには、花が満開になっていた。
流石に魔法の域だ。公園にいた人々も突然の奇跡に唖然としている。
北里も思わず心の声が漏れた。
「すげー……」
「まかせて下さぁい。他には何かありませんかぁ?」
人々の驚きに満足したのか、ちょっとだけ胸を張り可愛らしいドヤ顔を見せる春風の精。
北里にすれば、これほど見事な桜の木を前にしてすることは1つしか思い浮かばなかった。
「花見、だよなぁ、やっぱり」
「お花見、ですかぁ?」
「ああ。この流れでお花見しないなんてありえない。第一日本で春といったら、やっぱり花見じゃないか?」
「むふん。だったらお花見団子をだしますねぇ」
「はい?」
再び驚く北里。
それもそのはず。赤毛の少女はどこからともなく三色団子を取り出したのだ。
指間に串をはさみ、片手に4本、合計8本。
しかし、途端に困って北里に訴える。
「お皿がありませんでしたぁ。どこに置けばいいでしょうか?」
「とりあえず半分預かるから、ちょっと待て」
小さな手では支えきれず、団子を落としそうになる春風の精から半分預かり、さきほどディスカウントショップでたまたま買った紙皿をバックから出す。
安かったし、春先には使うことが多いからと、念のために買った紙皿がいきなり役に立つとは思わなかった。
あまりのタイミングの良さに、春風の精のほうが目を丸くする。
「すごいです、素晴らしいですぅ。あなたは未来が見えていたのですかぁ?」
「そんなわけないだろ。というより、どっから出したんだ、この花見団子」
「この国では春といえば団子って聞きましたぁ。いくらでも出せますから、どうぞ召し上がってくださぁい」
「間違ってはいないけれど、すごく偏ってないか、その認識。そもそも誰から聞いたんだ……」
並んでベンチに座り、お皿に山ほど三色団子をのせて、花見を始める。
お茶は出せないらしいので、近くの自動販売機で日本茶を購入した。
意外と美味い三色団子を頬張りながら、確かにこれはこれで日本の春景色だよなぁ、なんて考えつつ隣を見ると、赤毛の少女と目があった。
「この国の春もいいものですよねぇ」
「春を届けにきたっていうより、春を満喫しに来たって感じだな」
「私、春が大好きなんですよぅ」
「見てれば分かるよ。それより食べるか喋るか眺めるか、どれか一つに絞ったほうがいいぞ」
言ってる先から喉をつまらせた春風の精に、ペットボトルを差し出す。
なんだか妙な事になったけど、まぁ、いいか。
確かにこれも春だよなぁ。団子だけど食費も浮いたし。
満腹になった春風の精がふらふらと夕暮れの空に消えるまで、小さくも不思議な花見の席は続いたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿都
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月24日
参加申し込みの期限
2017年05月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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