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春風の妖精の活躍 ~春の訪れを告げに~
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【猫さんと遊ぼう!】
「こんにちは」
「えっと、……こんにちは」
こういう超常現象になれてきたのかな? と、
恵御納 夏朝
は我が事ながらのんびりと考えていた。
旧市街を散歩している途中で、いきなり空から舞い降りてきた翼を持った少女に声をかけられたというのに、普通に対応してしまっている。
小学校低学年ぐらいだろうか。金色の髪にエメラルドグリーンの瞳。ガウンのようにゆったりした淡いピンクのワンピース姿は、白い翼と合わせてまるで天使のようだ。
体重をまったく感じさせない静かな着地をした少女は、翼をたたんで消すと柔らかな仕草で頭を下げた。
「あの、驚かせて申し訳ありません。わたし、春をお届けに来たんです。あなたはどんな春がお好みですか?」
「春を届けに来た……妖精さん?」
「はい。いろいろと説明するとわたしにもよく分からなくなるのですが、そんな感じです」
小首を傾げておっとり微笑む春風の精からは、危険な感じはない。
恵御納は過去の経験を踏まえて直感を信じることにした。
「はじめまして。……えみな・かーさ、です。こっちは……ハルくんです」
にゃー、と橙色の猫パペットと一緒に挨拶をすると、春風の精はほんわりと表情を崩した。
「はじめまして。わたしはポピーです。えみなさん、ハルくん、よろしくお願いします」
二人と一匹(?)で、ほのぼのと笑みを交わし合い、なんとなく意気投合。
さっそく「どんな春がお好みですか?」と再度問いかけてくるポピーに、恵御納は穏やかに、しかし力強く即答した。
「春といえば……のんびり日向ぼっこする猫さん」
「猫さん、ですか?」
「うん。……猫さん」
猫の魅力は、直接見なくては分からない! とばかりに、ポピーと一緒に近くの猫の集会場に赴く。
猫のたまり場の1つである寝子島神社には、すでに数匹日向ぼっこをしていた。
恵御納にしてみれば、この時点でもう癒されているのだが、今回はこの程度では済まなかった。
なにしろ春風の精がいるのだから。
「ではでは、猫さんたちを呼びますねー」
ポピーがまるで指揮者のように指を振るうと、優しい風が辺り一面を吹き抜けた。
すると。
「すごい。……猫さんがたくさん」
神社の奥や裏の林、参道の横からあれよあれよと猫が湧き出し、境内に集まってくる。
たまたまいた参拝客も驚くなか、猫達は争うこともなく、思い思いの場所でのんびりとくつろぎ始めた。
子猫もいる。恵御納のそばに寄ってきて、不思議そうに見上げている姿は愛らしかった。
「ふふ、ちょっとひと声かけてみました。私、猫さんに限らず動物さんと仲良くなるのは得意なんです」
ポピーの腕の中には、お腹を見せて喉を鳴らす猫の姿がある。
これ以上ないほど緩み抜いた、のんびりモードであることがひと目でわかった。
「えっと。……それ、ほかの子たちにもできる?」
「はい、できますよ。でも、えみなさんには必要ないかもしれませんね」
ポピーの視線は恵御納の足元に向いている。
ふくよかな三毛猫と同じ毛色をした子猫が3匹、一緒になって恵御納に身を寄せ喉を鳴らしていた。
猫好きでなくても「なにこれ、可愛い!」と叫びたくなる仕草だ。
恵御納に至っては、至福以外の何者でもない。
「では、猫さんたちに心地よい春をプレゼントー!」
ふたたびポピーが指を振るうと、爽やかな風が辺りを撫でる。
猫たちはますます四肢を緩ませ、お腹を見せてあくびをし始めた。
何度か見かけたことがある、ワイルドかつハードボイルドな雰囲気を漂わせた猫ですら、百歩譲って半熟卵状態だ。野生はいったいどこへ行った。
ただよう平和な空気。穏やかな春の午後。
恵御納に下る天啓。
地上の楽園とは、ここにあったのだ!
「ふふ、……猫さん、幸せそう」
ふにゃんと伸びた親猫の傍らで、子猫たちが互いにじゃれて丸まり、玉になっている。
恵御納が振る猫じゃらしに、夢中で追いすがる若い猫。
ポピーはなぜか大量の猫にすがられて、専用の猫タワーになっていた。
「ポピーちゃん。……それ、僕もしたい」
「いいですよー」
これも春風の精の守護なのだろうか。猫は爪をたてて登るのに、何故か痛くないし、服もほつれない。
一生懸命、肩にまでよじ登った白い子猫が、達成感を感じさせる小さな鳴き声を上げて、恵御納の頬に顔を擦り寄せる。
恵御納はポピーと視線を合わせて、互いにニッコリと笑った。
楽しい時間は過ぎるのが早い。もう日は傾き始めていた。
猫たちも夜に備えて思い思いに散っていく。
可愛い後姿を見送りながら、恵御納は春風の精に声をかけた。
「とっても癒された。……ありがとう、ポピー、ちゃん」
直後、震えそうになる声を必死に抑えなくてはならなかったけれど。
「えみなさんとハルくんに、春を感じてもらえたなら、それで十分です」
「あの……お礼におごるよ。なにがいい?」
「いいえ、お気持ちだけで嬉しいですよ。ありがとうございます」
「……お子様ランチが美味しいって、話を聞いたんだ。僕は……食べたわけじゃないけれど」
「春を感じてくれて、嬉しいって思ってくれた。それが私にとっては何よりのご褒美なんですよ」
ポピーは夕日の光に溶けるように消え始めていた。
「ねぇ……君は帰る家があるのかな」
「もちろんですよ。私たちは、ゼピュロス様のもとに戻るんです」
「そっか。……帰るところがあるならいいんだ」
帰るところがあって、春を届ける使命があるなら、これは永遠のお別れじゃない。きっとまた会える。
少なくとも、この寝子島はそんな不思議が起こる土地だから。
恵御納はとびきりの笑顔を浮かべて、見送ることにした。
「会えて嬉しかったよ。……それじゃ、また!」
「はい。また来年会いましょうね!」
ポピーと名乗った春風の精も、ステキな微笑みでそう約束してくれたから。
恵御納は再会を楽しみに、最後まで見送ることができたのだった。
「本当に……待ってるから、ね」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿都
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月24日
参加申し込みの期限
2017年05月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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