ストリートファイトバトラーズ｜リアクション

ストリートファイトバトラーズ

■白真白　ＶＳ　夏神零
　パッケージにも大きく描かれている、ある意味ヒロイン扱いの真白。
　彼女のストーリーモードのラストステージに現われるのが、零である。
　それまでのステージを負け無しでクリアした場合に現われる隠しステージで、場面は刀の基本ステージでもある神社だ。
　しかし雰囲気が明らかに違っていて、空が真っ赤な月によって照らされていた。周囲にはヒトダマのようなものがふわふわと浮いている。
「やれやれ、また修行の者かの……」
　境内を箒で掃除していた零はため息をついて、くるりと振り返る。
　投げ捨てる箒。
「ようこそ、夏神神社へ」
　黙って構える真白。
　赤いリボンを抜くと、ピッとナイフのように硬質化して構えた。
　余談中の余談だが、白いテーマカラーを崩さない真白はキャラセレクト画面でカラーバリエーションを変えると色ではなく服装が変わることになっている。
　水着、フリルドレス、ワンピース、巫女服、夏制服といった具合である。これは舞華の超必殺技『本日のショータイム』でコスプレ姿にされた時も共通だ。
　というわけで、今回は神社にちなんで巫女服である。
「それじゃあ、いくよ！」

　――ROUND ONE!
　――FIGHT!

　早速距離を詰めてリボンナイフで斬りかかる真白。
　しかしほぼ同時に零が手刀を繰り出した。手刀なのに斬撃の音がする零の基本技である。
　両者の斬撃が衝突。パリイ状態となり両者ダメージ無し。
　からの同時バックステップ――からすかさず真白はリボンの状態をチェンジ。
　真白特有のリボンシステムはナイフモードとウィップモードを切り替えるというもの。
　対象物を硬質化できる真白の能力を活用したものである。
　かくしてウィップモードとなったリボンで中距離攻撃。
　この攻撃は出が遅い代わりにリーチが長いのが特徴だ。
　対する零もまた符を取り出して投擲。
　霊力を纏った符はリボンウィップとぶつかって相殺した。
　が、相殺されるのはここまでだ。
　零は追加コマンドによって符を連射。
　硬直の長い真白はそれらの直撃を受けてのけぞった。
　その隙をずばりとつく零。
　飛び込むように大股で距離をつめ、円月を描くように手刀を繰り出す。
　そこから怒濤のコンボである。
「まだ耐えられるだろう？」
　舞うように連続で細かく手刀を叩き込み、霊力を纏った符を突き出すようにして叩き付ける。
　一気に体力ゲージが減っていく真白。
　しかしこれ以上は続けさせないとばかりにギリギリでガード。リボンを複雑に折り曲げ盾のように硬質化させたのだ。
　そしてすぐさまナイフモードからの連撃。
　リボンを突き刺し相手をすこしだけひるませると、通常攻撃を挟み込んで切り上げて飛ばし、そこからウィップモードに切り替えて相手を引き寄せて肘を入れて浮かせ、ナイフモードに切り替えてからの切り上げからのウィップモードで対空投げのコンボである。
　切り替えのスペシャルコマンドを的確に押していかなければならないこのコンボは上級者でなければとうてい不可能な技である。
　大きく吹き飛ばされる零。だがたまった超必殺技ゲージを無駄にはしない。
　符を投げて牽制しつつ急接近をかけ、超必殺技を発動。
　突きだした符を打ち付ければ確定だ。謎の力で動きを縛られた真白。その周囲に符をまいて陣を築く。
「術式、参号、弐号、壱号」
　次々と式神が生まれ、真白を襲っていく。
「零号」
　最後に巨大な式神が真白を喰らい、画面を覆い尽くした。
「耐えられるかの？」
　背を向け、ため息をつく零。
　一方で大ダメージを受けて吹き飛ばされた真白は、体力ゲージギリギリの状態で超必殺技を発動させた。
「大技、いくよ！」
　割り込むフェイスカットイン。
　ウィップモードで飛ばしたリボンが零に巻き付き、ぐるぐるにして拘束。
　束で引っ張り出したリボンをそれぞれ硬質化させ地面に突き刺すと、一本ずつ抜いて零めがけて次々に投げた。
　ざくざくと突き刺さっていくリボンナイフ。
　最後に日本刀ほどの長さのリボンを硬質化させて駆け出し……。
　すれ違いざまに切りつけ、激しい血しぶきをあげさせた。
　がくりと膝を突くが、すぐに起き上がる。
「良いセンスをしておるな、おぬし」
　腕組みをして、札で開いた疑似扇子で自らをあおいだ。
　髪が揺れ、追って大きく風が吹く。

　――MASHIRO WIN!

　真白はリボンを通常のリボンに戻すと、髪を後ろできゅっと結んだ。
「ありがとっ、楽しかったよ！」

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