眠れぬ夜はどう過ごす？｜リアクション

眠れぬ夜はどう過ごす？

ここは桜花寮のとある一室。時刻はすでに夜を迎えていた。
そこに住んでいる小山内海はいつものようにベッドに横になっている。

（なんだか眠れないな……）

しかし彼女は心のなかでぼんやりとそう思っていた。
どうにも目が冴えてしまい、眠りにつくことができない。
仕方ないのでベッドでゴロゴロしながら携帯電話を取りだす。

（明日は休みだし何の予定も入ってないから、夜更かししても大丈夫だもんね）

そう思いながら携帯電話の機能を使い、興味の赴くままに検索を始めた。

（明日何しようかなぁ）

海はどこかで何か催し物がないか、とポチポチ操作して調べている。
寝子島は広いし、様々な施設がある。期待を胸に映し出される画面に目を走らせる。

（あ。あそこのお店画材のセールやってるんだ）

画材屋のホームページを閲覧しながら、セール中の商品を確認する。
海は寝子島高校の芸術科に通っている。
だからだろうか。それに関連したお店の情報に自然と興味を惹かれる。

それを見ながらふと、いくつか画材を使い切っていたことを思い出す。

（補充しないといけないし、行ってみようかな）

買わないといけない画材を思い出しながら、ホームページの商品を閲覧する。
一通り確認を済ませると、再び別のサイトへとあてもなく移動する。
すると今度は服飾店の情報が目に入ってきた。

（こっちのお店は新作の洋服かぁ）

今は３月下旬。春物を扱う店が増える時期である。
その店も例にもれず、春を意識した色合いやデザインの服が売り出されているようだった。

（もうすぐ４月だし買いに行くのもいいかも）

さっと目を通しながら、よさそうなものをチェックしていく。
それが済むと別のサイトへ行き、そこからさらに別のサイトへ……。
これを何度も繰り返しているうちに、うとうとしたのも束の間、携帯電話を片手に寝落ちてしまった。

部屋に差し込んできた朝日で少しずつ目を覚ます海。
ぼんやりとした意識のなかで片手に握られた携帯電話に目をやる。
そこには昨晩最後に開いたサイトが表示されていた。
そこでようやく寝落ちしたことに気づく。

ゆっくり起き上がるとこれからのことを思い描く。
画材のセールに行って、それから服も見にいって、その後は……。

色々なことを考える海。これから楽しい１日が始まろうとしていた。

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