眠れぬ夜はどう過ごす？｜リアクション

眠れぬ夜はどう過ごす？

八神修は自宅２階にある私室で、横になっている。
しかしなかなか眠りに就くことができずにいた。

修は勉強が好きで夜は大抵机に向かっている。
そして日付が変わる前に趣味を少し楽しみ、眠りにつく。
今日も２２時には勉強を終えて、ロボットの動作プログラミングに興じた。

（多分……それで神経が高ぶったんだろう）

ベッドの中でゴロリゴロリとしながら自己分析。
しばらくの間、眠るための努力を試みる。

目を閉じたり、布団の中で伸びをしてみる。
深呼吸。横たわったまま瞑想を試みる。瞼の裏に一点を思念で結び、そこに意識を落としていく。

しかしどれも眠るには至らず、むしろ時計の音が次第に大きくなるように感じられた。
どう考えても意識の問題だ。

（やれやれ……交感神経が活発なままとみえる）

「よし、諦めよう。俺はグダグダ悩まない。時間の無駄はしない主義だ」

修はベッドから起き上がると、こういう日もあるさ、とスパッと気持ちを切り替える。
階下に足を運ぶと同居している動物たちが修のもとに集まってくる。

（夜更かしなのか、足音で起きちゃったのか、どっちかな？）

そんなことを思っていたら、甘えんぼのミルクが最初に寄ってきた。
ミルクを抱っこすると他の犬猫たちも寄ってくる。
そこから順番に同じように抱きかかえたり撫でたり。
ブルーにカーキー、テオテオにロング……。

「夜中なのに元気だなぁ」

修は困り顔を浮かべつつも、どこか楽しそうに微笑む。

「空の皿を叩いてもダメダメ。食事は決まった時間だからな。その代わり今晩は好きなだけ構ってやる」

思い思いの行動を取る犬猫たちから少し離れ、ブラシと猫じゃらしを持って居間に移動する。
ささっと手を動かし、彼らの狩猟本能を刺激してやる。

すると彼らの目線が修の手と、その先の猫じゃらしに集まる。
次の瞬間には猫じゃらしに飛び掛っていた。
何匹も一斉に飛び掛かったので、一ヶ所でじゃれあっているように見える。
それがとても楽しそうで、修もさらに手を動かす。

彼らと遊んだり、毛並みを整えたりと、充実した時間が流れる。
しかし、徐々に眠気が訪れる。時計を見ると、まだ朝と呼ぶには早い時間帯。
このまま起き続けるより眠ったほうがいいだろう。
そう判断した修は、彼らにおやすみを告げ自室へ戻ると、穏やかな気持ちで眠りに就いた。

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