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【お花見】しづ心なく花の散るらむ
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深縹 露草
は、そっと草陰から様子を観察した。
「これはこれは……」
それにしても半妖精姿の似合う露草なのだった。もともと浮き世離れした端正なルックスなのが、半透明になることで一段と、幽玄の狭間にいるような非現実感を与えている。10センチ大というサイズも絶妙で、フィギュアっぽい肌つやにぴったりなのである。他の半妖精に、「私、最初から半妖精でした、ふふ」と言っても通じそうだった。
「さくさん、桜の木は大変なことになっているようですね」
露草は、自分に声をかけてくれたさくに呼びかける。
「うん、大変。魔女、大変」
よちよちとさくは歩いて、露草の膝にぴとっとしがみついた。年の離れた妹のように。
「たくさんいる、から」
「あれだけいるとなると、魔女達をちょっとそこに正座ー! ってさせて、数時間くらいコンコンと説教するのも難しそうですね……ふふ」
とすると別の手段を考えざるを得まい。露草は持参品をチェックする。使えそうなものはメモ帳とペン、そして折りたたみ傘だ。
無風。
冷えた目で
サキリ・デイジーカッター
は、入院病棟の三階窓枠から中庭を見おろしている。
瞳の中心は紅色だが、それは炎ではなく凍らせた血の色だ。魔界から来たりし者を見るとき、サキリの目にはこの種類の光が宿る。
「さく」
サキリは、静かに問うた。
「あれなんだね」
半ば透明の肉体であろうと、サキリの眼光の冴えは衰えない。
「うん。あれ。魔女」
魔女という言葉の意味も時代や地域によって変遷している。とはいえなるほどあれは、そう呼ぶほかないだろう。
黒いローブをまとい三角形に尖った黒い帽子を被っており、紫ががかった顔の中央には極端な鉤鼻が鎮座し、背を丸めて節くれだったホウキにまたがり飛んでいるのである。眼球は赤一色で、白い部分がまったくなかった。キャアキャアと神経に障る声を上げながら、木の周辺を無軌道に跳び回っていた。
魔女の大きさは確かに10センチ程度だ。いまのサキリやさくと差はない。
だが問題は数が多いことだろう。中庭じゅうの桜をすべて、埋め尽くすほどこの魔女は飛び交っている。
たとえ魔女がなくても、あの桜が不健康な状態にあるのは一目瞭然だった。木々のところどころが、ホウキのようなささくれだったものに覆われているのである。
「人間みんな、あのトゲトゲ取ってくれる。でもダメ。魔女を追い払わないと、またすぐトゲトゲ出てくる」
恐ろしいのだろうか、さくは震える声で告げた。
風が出てきた。
まずは穏やかな方法を試そう、とサキリは言った。それで上手く行かなければ、次善の策を取る。
次善の策、つまり、実力行使を。
「荒っぽいやり方も僕は大好きだよ」
ふわっ、とサキリは窓枠から飛んだ。風がたちまち、彼の身に推力を与える。
安全なところで待っていて、とサキリはさくに言い残している。
「立ち退いてもらえないだろうか? そこは、君たちが穢(けが)していい場所じゃない」
魔女たちのすぐ近くまで滑空して、枝に移って告げた。
無数とも見える魔女のうち、一人(一匹?)がホウキをめぐらせてサキリと相対する。
「黙って立ち退いてくれれば、平和裏に終わると思うんだ」
魔女の返事は、指先から発した黒い稲妻だった。
「仕方がないね」
サキリは刃を握った。左右の手に。
ナイフを閃かせる。跳ぶ。狙って逃れて虚を突く。
この状況を受け入れて間もないというのに、既にサキリの戦い方には熟達の気配が現れている。
半妖精化して間もなく、サキリは空の飛び方とそのコツを見抜いていた。風頼りの飛翔法ゆえ常に空中にとどまれるという期待はしていない。むしろ飛行は二次的な手段と割り切り、枝を蹴っては枝へと移る、立体的な機動戦術を行動の中心に据えた。
右のナイフで追う。左のナイフで稲妻を弾く。半妖精化の恩恵か、魔術的な力も物理的な手段ではね除けることができる。
頭上の枝をけ蹴り急降下、風を得て空中で半回転し、背後の魔女のホウキを叩き折る。
魔女が得意とする攻撃は稲妻だけではない。黒い飛礫(つぶて)を吐き出す者もあれば、ホウキから針の雨を跳ばす者もあった。たちまち、狭い空域が飛び道具で埋め尽くされる結果となった。
頭上の魔女の背後まで一気に跳躍し一太刀浴びせてから、また枝へ転移し着地するという一撃離脱、魔女たちの戦闘意欲は高いが、サキリのように素早い相手には慣れていないのか、まともに反応できていない。
木の枝を魔女の血で汚したくない、とサキリは当初、峰打ちを主として用いていたが、想像していた事態にはならなかった。ある程度ダメージが蓄積すると魔女の体は、黒い胞子が飛び散るようにして四散してしまうのである。しかも次の瞬間には、空気に溶けるようにして消えていた。
「美しい桜の根元には死体が埋まっている、なんて話を聞いたことがあるけど……魔女ども、お前たち全員、死体になって桜の養分になりたいか? それが嫌ならさっさと魔界へ帰れ」
斬空赤刃が緋走る。刃先の残光が消える頃には、また一人、魔女が溶けて消えている。
きりがないね。
サキリはひときわ高い枝にとりつき呼吸を整えた。いくら倒そうと後から後から、蜘蛛の糸にすがる亡者のように、魔女がサキリを追ってくる。ヒッヒッヒという笑い声が耳障りだった。
こういう場合、頭を叩くのがセオリーだ。
すなわち、リーダー格の魔女を討つべきだということである。
いるとすればどの個体か。
どこにいるのか。
サキリは、冷えた目を奔らせる。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
117人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月20日
参加申し込みの期限
2017年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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