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【お花見】しづ心なく花の散るらむ
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曖浜 鴻
はさくの話を聞き、10センチ大に小さくなった自分を認識してもまったく動じていなかった。
「ところでよ、さく……お前さんは空飛べるみたいだが、今の俺らは空飛べるのか?」
狼を思わせる精悍な顔つきだが、鴻の目には優しげな光がある。
「大丈夫。あなた。飛べるようなった。風に乗って。大丈夫」
鴻の目を見ながら、さくはウンウンと頷いた。
「そいつはありがたい。その魔女って連中も飛べるんだったな。こちらが飛べなきゃ、随分と不利な状況になるところだった」
という一方さくの背で、ぴこぴこ動いている羽を鴻は見逃さない。
「俺たちには羽がないようだが」
「この羽、さっき言った解除の魔法に使うくらい。飾り。飾り羽」
「なるほど飾りか……とすると……」
「あの、鴻伯父さん」
たちどころにこの状況に対応した伯父に比べ、
曖浜 瑠樹
はまず小さくなったこと、次に体に半透明になったことにまだなじめず、ふわふわな白うさぎの縫いぐるみ『ラピちゃん』を抱いたままおろおろしている。(身につけているものもちゃんと小型化するらしい)
「今日、お花見だったんだよね。お父さんお母さんたちと待ち合わせしている場所に行く途中でさくちゃんに会って……」
「ああ、すまん。瑠樹、この『さく』って子は妖精でな、住んでいる桜の木を悪い魔女に奪われて困ってるそうなんだ。その木を取り返すのを、俺たちに助けてほしいと言っている」
「お花見はどうしよう……?」
「終わってからはじめるさ。弟、いや、瑠樹のお父さんお母さんならきっと、それくらい待ってくれる」
「うんわかった……オレたち、いいものの側?」
「ああ、いいもの側だ。正義のヒーロー『覆面バイカー』みたいにな」
だけど、と前置きして鴻は言った。
「怖かったら瑠樹は、隠れていてもいいんだぞ」
しかし瑠樹は引かなかった。むしろ「怖かったら」という言い方が気に入らなかったらしく、
「大丈夫! オレだっていいものなんだから」
と胸を張るのである。
「よく言った。さすが俺の甥っ子だ」
鴻は瑠樹の頭に手を置いた。いつまでも幼児のように思いがちだが、もうじき瑠樹も10歳になるのだ。自分のことは自分で決められる。
「一緒にヒーローになろうな」
「『バイカー』みたいな?」
「そうだな」
「オレ、覆面バイカー『エグジット』みたいなのがいいな!」
「最近のか? それ知らないなあ。俺はバイカーマンのほうが好きだ」
皆、それぞれのこだわりがある。
そのとき、はい、と手を挙げてさくが言った。
「わたし、さくは『クワガ』がいい。『覆面バイカー・クワガ』、赤いの!」
「なんで知ってるの!?」
……皆、それぞれのこだわりがある。
「お前もか……」
夜海霧 楓
は、被っているハンチング帽のてっぺんを押さえた。ずり落ちそうになっていたからだ。
「オー」
トワ・E・ライトフェロゥ
は曇りひとつない、澄みきったブルーの瞳を輝かせる。
「オハナミーを回ってたらfairy に会えたデス!」
「そのオハナミーにてめーがフラフラ行っちまうから、どれだけ探したと思ってんだ」
この会話を、お互い10センチの大きさになって、お互い翔びながら交わすのだから、まあシュールな絵面ではある。
トワと楓、その両者のかたわらにはそれぞれ妖精さくがいた。
跳ぶならいささか経験があるが、翔(と)ぶというのは、さすがの楓も初体験だ。それも、花びらのごとく風に乗り、悠々と空を滑るようにして飛ぶというものである。まったくの風任せかと思いきや案外そうでもなく、一度追い風を受けて勢いを付けると、坂道を下る自転車のように、体を傾けるだけで空を舞うことが可能になるのだ。ある程度の向かい風なら、やはり自転車同様、乗り越えることもできた。
ただ問題は、無風になってしまうとまったく飛べなくなってしまうということだろうか。
「カエデもーさくを助けにきたんデス?」
「なに言ってんだ。また厄介ごとに巻き込まれて」
「え? 巻き込まれてないデスヨ? トワはー自分から妖精さんに声をかけたのデス」
「自分から関わったってのか」
「カエデは違うデスカ? 困ってる人、いえ、困ってる妖精を助けるのは人の道デス!」
やれやれ、と言うように楓は眼鏡の位置を直す。
「トワに人の道を説かれるとはな……ま、俺の目的は達成された」
楓はさく――自分の側のさくに告げた。
「俺の仕事はトワを保護することだ。こいつを連れて帰らせてもらう。悪いが、願いなら他を当たれ」
どうして、と声を上げるトワを片手を挙げて制すと、
「さく、って言ったな? この場だけであんたは二人いる。ということは他にもっといる可能性もあるってわけだ。他にも手助けを頼んだ人間がいるって予想も立つ。それなら俺たちがいなくたって大丈夫だろう」
「カエデ冷たいデス!」
トワは頭から湯気を立てて抗議するも、楓にとってはどこ吹く風だ。
「ビジネスライクと言ってもらおうか。世の中ギブアンドテイクが基本だ。ボランティア活動してる間はねーんだよ。そもそもトワ、てめーに何かあったら俺本来の仕事が駄目になる。わかったんなら、さくとやら、俺たちを元に戻せ」
さく
たち
は悄然としているものの、ぐうの音も出ないらしく口々に「戻します。私、あなたたち戻します」とか細い声で言った。同じ顔と姿で同じことを、ほんの少しタイミングをずらして言うものだから、妙な癖のあるスピーカーを使っている気分だった。
楓は話を終わらせたつもりだったが、なおもトワは
「それおかしいデス!」
と食い下がった。
「ギブアンドテイクなら、カエデ、さくに借りがあるはずデス! なぜってカエデ、この姿になれたおかげでトワと再会できたカラー」
「そうかもしれんが……」
「それに、トワはーさくを助けたいデス。デスカラ桜の樹までさくを連れてくマス!」
ちっ、と楓は舌打ちした。だったらトワの護衛役として、楓も桜の樹まで行く義務があるということだろう。
こいつ、言ってること場当たり的なようでいて……ちゃんと筋は通ってんだよな――。
「仕方ねぇ」
観念して楓は言う。
「そこのトワが樹の側まで行くんなら、俺は安全を確保しなきゃならねぇ。仕事として護衛する。ただ、さく、あほ姫から離れたら安全の保障はねえぞ。2箇所、いや3箇所か、同時に護るのは手間なんでな」
とんだ年度末だぜ、と楓は毒づいた。だが自分でも驚いたことに、そう悪い気分でもなかった。
「そうと決まれば話は早いデス! でーはーさくの樹の元まで行くのデス! とつげきー!」
……と言ったトワがいきなり明後日の方向へ向かおうとするものだから、楓はまず、彼女を止めなければならなかった。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
117人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月20日
参加申し込みの期限
2017年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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