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~いぬイヌの国~満開のさくら祭り
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「ここが、いぬさん達の国……!」
恵御納 夏朝
は、初めて見たいぬの国の光景に思わず言葉を漏らしました。
夏朝が見た事のあるねこの国では、石の建物が主流でしたが、今目に入る家の殆どは、味わい深い木と茅でできている、温かいぬくもりを感じさせるものでした。
「こんなに違うんだ……」
「──その声は、恵御納か?」
声を掛けてきたのは、体がしっかり引き締まった明るめの茶色の毛をしたシェパード。
対して、今の夏朝の姿は一般的な茶色の毛が橙色になっている、本来よりよりも豆柴に近い麻呂眉の柴犬でした。
「八神君、かな……? うん、ボクは恵御納夏朝であってるよ」
「奇遇だな、こんな所で会えるだなんて」
「興味はもちろんあったけれども……それ以上に、いぬさん達にノルマがあると聞いちゃったらつい……」
「確かに、世知辛いものを感じるな……」
八神 修
が言うように、エノコロ岬で今も恐らく行われているのであろう、1体1ノルマの苦行は、考えるだに辛いものを感じずにはいられませんでした。
「しかし、豆柴風の恵御納も可愛いな」
改めて夏朝を見て穏やかに告げる修に、夏朝は自分の手を少し見つめて。それから同じように頷きます。
「八神君も、シェパードの姿似合ってると思う」
その言葉を軽い挨拶代わりとして、二人は一緒に歩き始めます。
それからの二人は、いぬの国の散歩をしながら色々なものを見て回りました。
「ねこの国にも行ったけれども、石造りに対して木造の建物もいいなぁって」
「そうだな。だが、どちらの技術がどうのと言う訳でもなさそうだ。とても精巧な造りをしている」
そうして、お互いに交互にそれまで見て聞いてきたものを語ります。
そして、修は改めて不思議そうに言葉に紡ぎました。
「でも、一番不思議だったのが、この世界は『いぬとねこで仲が悪い』と言うのに、どのいぬもその表情に陰りがないと言うことか」
「……そうだね。張り合ってはいても、誰も相手の悪口を言っているいぬさんはいなかったね」
夏朝と修が行った事のある過去のねこの国でも、そう言えばいぬを悪く言うねこは一体もいなかった事を思い出します──
「……少し調べてみるか──いぬにもねこにも、仲良くなって欲しい」
「……ソメイヨシノとは似ているけれども違うのかしらね、このさくらは」
「せっしゃは、『ねこじま』というところとの空間がくっついてしまう前まで『そめいよしの』というものがどういうものか知らなかったでござるワン」
「……」
自分を含めた人間とらっかみのテオ以外の全てを讃えてやまない
大天使 天吏
は、同じく尊敬するいぬとの会話にも、とても心苦しい感情を抱えていました。
自分ごときが、おこがましいのではないか──本当のことをいうと、気が重たくて重たくて仕方なかったのです。
……しかし、それでも天吏には聞かなければならない理由がありました。
──天吏は、いぬが推してきた『花見』というものに身近な家庭環境ではなかった為、どのようなものか殆ど分からないのです。
今きちんと聞かなければ……そう思えば、少しずつながらも、天吏は重たい口を開きました。
「……招待していただいていて、とても心苦しいのだけれども……
花見というのは『花を観察する行為』とは違うものなのですよね?」
「そうなのでござるワン。『花見』は主に『さくらを見上げる』ものなのですワン」
「花を、見上げる……」
薄い金の毛並みをしたゴールデンレトリバーとなった天吏が、犬の中でも大柄な体で首を上げれば、咲き誇った木々の花から花びらが常に舞い零れています。
そして顔を戻せば、その樹の下にどう見ても人間界製ブルーシートを慣れない手つきで敷いている他のいぬの姿が目に入りました。
「何故、見上げるだけなのにブルーシートを敷いているのかしら……?
いぬさん、分かる?」
天吏の言葉に、ずっと天吏と共にいた柴犬が首を傾げつつ答えました。
「花見は、そこに座って見て『綺麗だなぁ』ってするお祭りだワン。
皆長く座りたいから、食べ物と飲み物を持ってきたりもらってきたりするんだワン」
「ああ……それであの場所の上にお弁当が広げられて」
「天吏殿、体に絶対安心なのに飲むととても心が沸き立つ甘酒が配られ始める頃でござるワン。
せっしゃ取ってきますゆえ天吏殿は、ここで座って待っていて下さいでござるワンっ!」
そんな柴犬は、頑張って草莚を大きなさくらの木の下に引いて、その場を飛び出して行きました。
「甘酒……って日本では未成人が酒を飲んではいけないはずだけど……ふふ──いぬの世界での話だからいいことにしましょう。
折角招待していただいたんだから」
そう告げた天吏は、人であれば人間相手ではまず見られる事のないほど柔らかに微笑んで、走って行った柴犬の後ろ姿を見つめました。
「いぬの世界も賑やかですね」
2本足でぽてぽてと歩く一人の黒い柴犬と、濃い茶色をしたトイプードルが一緒に並んで歩いています。
「これは、わがはい達、自慢の町並みでござるワン!」
トイプードルのぽちは自慢げに大きく胸を張りました。
しかし、そのリアクションには若干似つかわしくなく、黒い柴犬──
綾辻 綾花
は言いました。
「あの……
ところで、私が人間だった時には、ぽちは私よりもっと小さいと思っていたのですが……
もしかして、今ポチの方が体が大きいと思うのは『いぬになった私が小さくなった』ということでしょうか」
「確かに小さくなったでござるワン。あそこに泉があるから一度お姿見ているといいでござるワン」
ぽちに案内されて、綾花がそこを覗けば、確かに想定していたものよりも遙かに小さい顔と手足がそこにはありました。
「わぁ……」
思わず確認するように肉球を触ります。
「足先の白い…黒い柴犬、のようですね。肉球もぷにぷにです」
池から顔を上げ、肩からずり落ちかけていたバッグを引き上げて、綾花はその中からメモ帳とペンを取り出しました。
あちこちの光景を、綾花はかなりの速筆でありながら、とても読みやすい文字で犬用のメモに控えていきます。
そして、あちこちの情報を控え、ふと小腹の空いた綾花は少し恥ずかしく思いながらも、ぽちに尋ねました。
「ぽち、この辺りの屋台でどこか──」
「わたがしーラムネーあまざけ―。
ちょこばな……chocolateなんかはないデス?」
「『ちょこれーと』は昔に、同胞が塊を喉に詰まらせて生死の境をさまよった事から、食材として使用禁止になったワン」
「でも、屋台の幕には『チョコバナナ』書いてあるマス。
チョコがナイならただの『ばなな』デスネ!」
その言葉に、のれんに人間界のものを使用していた屋台主が、何かへの敗北を確信するように、がくりと膝をつきました。
「うぅ、俺の負けでござるワン……
好きなバナナを一本持っていくといいでござるワン……」
こうして、普通のバナナに棒が刺さったものを手にしたヨークシャーテリアの
トワ・E・ライトフェロゥ
は、その辺りの光景をじっと綾花とぽちに観察されていたのに気付くと、大慌てでいぬとしても決して長くない、むしろ小さく愛らしい手を、状況を否定するように一所懸命に振りました。
「違うマス! トワは屋台制覇を狙ってるマスが、毎回こんな屋台強盗みたいな事はしてないデスよ!!」
「屋台制覇……
そうですね、美味しいものが食べたいです……」
「美味しいものマス? 味はトワは保証するマス。どれも美味しかったマス」
「それならわがはいも答えられるワンっ、任せるでござるワン!」
そして、更に食べ歩くというトワからも、おすすめの屋台を教えてもらって別れた後、綾花はそれを食べ歩くことにしました。
そして、聞いた事は全て犬用のメモ帳に控えておきます。これも、大切な思い出の一つなのです。
「あれ?
べるさる
がいない」
「あれ~、べるさるさんどこにいっちゃったんだろうー」
空きスペースの一角。手足よりも体の長さが可愛らしい2本足で立つコーギー犬の
桜庭 円
と、いぬしか入れない中で『生粋の猫からいぬ』としてチワワになってしまった、いつも円と一緒にいる猫のにゃーくんの姿がありました。
にゃーくんの体長はチワワの中でも4本足でとても小さく、いぬの円の半分ほど。
「にゃーは円おねーさんと同じ位がよかったよ~」
いじけるにゃーくんを慰めながら、円は辺りを見つめます。
今は祭りの案内をしてくれていたボルゾイ犬のべるさるとはぐれてしまったところ。にゃーくんも、不安そうに辺りを見渡します。
基本迷子はその場から動かないのが鉄則ですが、今回はお互いがいぬ混みに流されてしまったのを見ていた為、はぐれたその場に戻ることもままなりません。
そんな時──
「ご主人様、ご主人様こちらでござりまするワン!」
少し離れて空間になっていた焼きそばの屋台の向こうで、一人と一匹は、出会った時より焦っているのかずっとそわそわしていたボルゾイのべるさるを見つけることができました。
「べるさるさーんっ」
「ああ、屋台の向こう側か!」
にゃーくんが駆け出し、円が後を追って屋台に到着。人の流れから少し離れて、話ができるスペースも問題なさそうです。
「申し訳ないでござるワン。はぐれた場所に自分の屋台が近かったから、そこからじっと探した方が確実だと思いましたでござるワン」
「え、このお店べるさるがやってるの?」
「はいでござるワン。売れ行きは芳しくないでござるが、味は保証付きでござるワン」
いつの間にか、屋台の奥に潜り込んだにゃーくんが、スタイリッシュなべるさるの体にしがみついて登ろうと頑張っています。べるさるは、それをむしろ頭の上に乗せやすくしてあげるべく動きながら、丁度、今焼き上がったばかりの肉しかないやきそばを、紙皿の上に乗せました。
「ご主人様、やきそばは一ついかがかワン?」
「やきそばかー、いいなぁ。
一つ頂戴ー」
「この使ってない紙皿を……切って、丸めて……できあがりっ♪」
大分盛り上がってきた最中、甘酒を飲んでとても気分ご機嫌になった
夢宮 瑠奈
は、切り込みを入れた紙皿をくるりと丸めて──マルチーズの姿で、どう見ても人間界から持ち込まれたと思われる段ボールの上に立ちました。
その様子から何かをやるのだろうと悟ったいぬ達が自然と瑠奈の周りに集まってきます。
──そこから響いたのは、紙皿メガホンを通しての、とても明るい瑠奈の歌声。
歌だと認識した花見のいぬ達は、楽しく手拍子を始めました。
歌い流れるメロディ、サビと次の歌い出しの間に──瑠奈は盛り上がるいぬ達に大きくウインク。
一瞬にして、瑠奈を中心として綺麗な桃色のさくらの花を含んだ竜巻が巻き上がりました。
「おおおおおおっ!」
「もう一回っ♪」
ろっこん発動によるとても心地良い春の風鳴り音と共に、同じ風がもう一回巻き起こり、会場は一瞬にして瑠奈に釘付けとなりました。
「わぁ……っ! こんなに素敵じゃ、分けてもらった甘酒じゃ足りないよねっ?
もっともらってこなくっちゃ!」
岡野 丸美
は、試しにと器から少し分けてもらった甘酒にすっかり気分が舞い上がり、瑠奈の即興リサイタルが終わる前に、屋台が並ぶ方向へ全力で駆けていきました。
「ねっ、ねっ、一つくださいな! あのマルチーズさんの歌っているのを聞きながら食べたくて!」
「ああ、さっきから盛り上がっているのはそれでなのかワン。珍しいワン。いぬの国ではあまり歌が得意ないぬは少ないから『れあ』だワン。気持ちは分かるから、少し待つワン」
丸美が加減を分からず、いぬの足にわーっと押し掛かるのを必死に倒れないよう耐えていたいぬは、その言葉を置くと、屋台から、具材にオカカの入ったおにぎりと甘酒を、その場所へと運んでくれました。
「やったよぉ~!!」
こうして丸美も、食事を傍らに、思い切り高いテンションで跳び跳ねました。
「凄く、不思議……。どんな魔法かしら……?」
遠くから瑠奈の様子を4本足で見つめていた
三宅 葉月
は、巻き起こる花吹雪をしばし、じぃっと眺めていました。
心地良いさくらを含んだ風がここまで届きます。それは、まさに春風の体現のようでした。
先程まで皿に置いてもらって直に齧っていたローストビーフも、日常、行儀のよい葉月には有り得ない楽しくも斬新な体験でしたが、この光景もまた日々の中でお目にかかれるものではありません。
人間であったならば、間違いなく今の景色をスケッチブックに書き込んでいたに違いなく。しかし、4本足でまかり通らない今は、ただひたすらその様子を凝視しておきました。
それから、その場所を離れて。木造建築でできた家や、遠い剛健な造りのお城に、路地の光景──今は無理でも、後で目に焼き付けたこの記憶が、どこか別の一枚の素晴らしい絵になるのだと葉月は確信していたのです──
「この甘酒おいしーっ!」
イタリアングレイハウンドとなった
羽生 碧南
は、先程までの幸せな夢世界から目が覚めると、混み合い始めたその場所を慌てて離れて、偶然耳に『お勧めの甘酒』があるらしい、と聞いて早速それを手にするたるや、健康的に飲み干しました。
「うんっ、いい気持ち~っ。あ、でもこの世界のお金──」
「ああ、このお祭りでは今回、いぬ皇さまが全費用を負担してくれるでござるワン。太っ腹だワン」
「へぇ……」
こくこくと頷きながら、せめてもと礼を言って次の屋台へ向かいます。
屋台は途切れなく立ち並び、歩くのも大変でしたが、甘酒の成果は大きく碧南はとても心地良いままに屋台を渡り歩きました。
屋台があれば、必ずそこで食べ物を入手。食べ歩くうちに、そこで初めて『持つ』ということが『肉球に箸がついている』という極めて不思議な怪現象でできている事を実感して、更にテンションが上がったり、屋台のおもちゃ出店では輪投げを持ち前の反射神経の応用で見事に入手したり。
その都度、碧南は喜びに軽快にジャンプなどをして、周囲のいぬ達がびっくりするという現象がみられましたが、それはご愛敬というものでしょう。
「ふあぁ……もう遊び疲れちゃった……。お祭りはこれからだし、少しだけお昼寝した……い……」
そうして、限界まで自由に動き回った後、さくらの木の少ない端っこで、碧南はうとうととお昼寝を始めたのでした……
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シナリオジャンル
SF・ファンタジー
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20人
参加キャラクター数
12人
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シナリオガイド公開日
2017年04月24日
参加申し込みの期限
2017年05月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月01日 11時00分
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