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不思議な「アート」―芸術とは何か?―
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鴻上 彰尋
は
来島 アカリ
の家にいた。
誕生日に来島が演劇専攻だと聞いた鴻上は、一度一緒に読み合わせをしたいと思っていて、来島もまた鴻上がどんな演技をするのか興味があったのだ。
演劇の台本は鴻上の祖父のお古が沢山あり、その中から彼が色々と持ち込んだのだが、これがなかなかの量だった。
「おー、結構色々あるなー?」
どれがいいかなーっと、あれこれ手にとってはぱらぱらとページをめくる来島。
鴻上もしばらく同じように台本を漁っていたが、やがて一冊を選び手に取った。
「来島さん、これはどうかな?」
「ロミオとジュリエットか……」
言わずと知れた、シェイクスピアの名作である。
人々によく知られている作品であるし、どうかなと鴻上は思ったのだ。
「一人じゃできない非常に恥ずかしい台詞が多いんだけど、せっかくだしどうかな?」
「いや、話は嫌いじゃねーんだけどさ? 練習でやるたびにジュリエットにさせられるからあんまいい思い出ねーんだよ……」
来島は時おり女性と間違われるようなとても可愛らしい顔立ちをしていて、そのせいで色々と苦労も多いのだ。
「とゆーわけで! 俺ロミオやるから鴻上ジュリエットな!」
「却下」
「なんでだよー!」
「こういう時は公平にじゃんけんで」
じゃんけんぽん、とやった結果はというと――。
「むー、負けた……」
「来島さんがジュリエットだね」
がっくりと肩を落とす来島と、おおらかに笑う鴻上。
「ま、しょーがねーか……。やるからにはしっかりやらないと、な?」
舞台の上でなら何にでも誰にでもなれるはずだから――。
(恋するお嬢様にだってなれる……はず?)
こうして、2人きりの練習が始まった。
「ああ、ロミオ、ロミオ。どうしてあなたはロミオなの?」
かの有名な窓辺のシーン。
来島は情感たっぷりにセリフを紡いだ。
しかし、演じながらも心の中に、喉に刺さった小骨のような違和感を感じていた。
ジュリエットはロミオと両想いで、来島にはそれがどんな気持ちが分からなくて。
どうしても、役になりきれない。
ジュリエットになりきれない。
来島の逡巡を、鴻上もまた感じ取っていた。
鴻上自身はこうして誰かと練習できることがとても嬉しかった。
何度も練習して、恥ずかしくてもこういった劇を舞台の上で、役になりきり演じて、見る人の心に何かを残したい。
憧れのスポットライトの下に、自分自身もいつか、と。
だが、複雑そうな悩み顔の来島を見て、様子を窺ってみようと思ったのだ。
「うまく役の気持ちに入り込めない感じなのかな?」
恋をする女の子の役とか無茶ぶりだよな……とも思うのだ。
対する来島は、
「想い合えるなら幸せなんじゃないか、って思うんだ。でもこれ、悲劇だよな?」
想い合いつつも、辛く悲しい。
それはどんな感情のリアリティなのだろう、と思う。
2人は一旦芝居を中断して、話し合うことにした。
「たとえば、役がつかめるように、実際に好きな人のことを思い浮かべてやったらいいんじゃないかな。多分いる……よね?」
「好きな人……?」
思い浮かぶのは片思いの赤い髪の彼。
気持ちが、ざわつく。
「な、何言ってんだバカ! 今はそーゆーのはいーっつーの!」
沸き立つ想いを押さえつけながら、慌ててごまかす来島。
(うー……バレてない、よな……?)
鴻上の様子を伺うが、その内心を窺い知ることはできなかった。
(両想い、は解らない……けど)
好きな人に会えなくて、一緒に居られなくて。
それがすごく辛いということは……来島にもわかる。
(それならきっと、ジュリエットだって辛くて、苦しかったはずで……)
来島の中で、何かの歯車がかちりとはまる感触があった。
「うん、出来る気がしてきた」
「そうか」
見違えるようにいい表情になった来島に、鴻上も笑いかけた。
と、そこに――。
「ね~ね~、お兄さんたちは何をしてるの~?」
「うわ!?」
突然声をかけたのはアートの妖精だった。
来島が驚きの声を上げる。
「なんだ? 幻でも見てるのか?」
「いや……俺にも見えてる。どうも現実みたいだ。こんにちは、小さなお客さん」
「こんにちは~。で、何してるの~?」
脳天気な声の妖精に、最初は驚いていた来島も毒気を抜かれた。
「俺たちは演劇をやってるんだ」
「演劇か~。ねね、ボクに食べさせてよ」
「た、食べ?」
「小さなお客さんは、台本でも食べるのか?」
「ううん。ボクはアートを鑑賞することでお腹が膨れるんだよ~」
妖精の説明に、2人はきょとんとする。
いち早く立ち直った鴻上が妖精に問う。
「つまり、君の前で演じて見せればいいのか?」
「そういうこと~」
「ということだそうだが……どうかな、来島さん。あの小さなお客さんに、俺たちの演技を見て貰わないか?」
判断は任せる、と言ったような鴻上の口調だったが、どこか「やろう」と引っ張り上げてくれるような力強さもあって。
「……ああ、見てもらおうか」
来島も、やる気になったのだった。
「どうしてここへ、そして何のためにいらしたの? 塀は高くて、登るのは大変だし、それにあなたという人の身分柄を考えれば、もし家の者にでも見つかれば、死も同然のこの場所へ」
会いに来てくれて嬉しい。
でも、会いに来て欲しくなかった。
そんな矛盾した思いを、来島はセリフに込める。
「こんな塀くらい、かるい恋の翼で飛び越えました。石垣などで、どうして恋を締しめだすことができましょう」
対する鴻上も負けていない。
情熱的な愛を囁き、ロミオという青年の恋を精一杯演じる。
そして劇が最高潮を迎える終盤。
ロミオが毒をあおり、とジュリエットが短剣で胸を突くシーン。
そこで2人は、それぞれ不思議な光景を見た。
来島は愛しいあの人を追いかける光景を。
来島には恋のライバルがいる。
そして、現時点ではライバルの方が恋の相手の理想に近いことも知っている。
しかしそれでも、来島は彼を想い続ける。
ロミオとジュリエットのような悲恋になるかもしれないとしても、この想いは止められない。
鴻上はトップスターとして舞台に立つ光景を。
富や名声ではない。
観客に感動を与えることが出来る、真の表現者として大成する姿だ。
役になりきり、それを超えるほどの役者。
脚本家や演出家の意図を的確に汲み取り、またそれすらも超えるほどの演技力。
そんな役者として、舞台で輝く自分を見た。
その光景を見たのは数分か、あるいは数秒だったのかもしれない。
ただ、2人の胸に鮮烈な印象を残した。
「ふふ、美味しかった~。お兄さんたちの演劇にかける思い、堪能させて貰ったよ!」
じゃあね、と言って妖精は去っていった。
「……俺、幻覚を見たのかな?」
「いや、俺も見た。多分、あの妖精が何かしたんじゃないか?」
幻覚であれ魔法であれ、いいものが見れた、と2人は思う。
「もうひとさらいしとくか」
「そうだな」
その後の2人の練習には一層の熱が入ったという。
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担当ゲームマスター
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シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月20日
参加申し込みの期限
2017年04月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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