夏がはじまる 僕たちの季節
青い海 青い空 風を浴びていこう
吹きぬけたあの風に別れを告げて
新しい風と新しいときめきに さぁ! 手を伸ばそう!
眩いくらいのオレンジと 一面に広がるブルー
部屋にこもってる場合じゃないよ だってだって夏なんだもん
水着で騒ぐ波打ち際 寄せて返すさざなみの 奏でるメロディに爪先が触れた
ほら、一緒だと楽しいでしょ? これって、元気になれるおまじない
桜のつぼみが膨らみ始めたとある夕方の公園。
そこで、
燕三条 輝夜は自らの作詞ノートを読み返していた。
この詩は去年の夏、
ネコミュージックフェスティバルで披露した曲につけた詞だ。
季節はそろそろ春。
春には春の、また新しい詞を書いてみたい。
創作意欲は十分。
さて、どんな詞を作ろうか、と考え始めた時――。
「うーん、お腹がすいたよー」
どこからともなく、幼い子どものような声が聴こえた。
ふと見れば、目の前を小さな「何か」がふよふよと浮かんでいた。
「あ、お姉さん、いいもの持ってるね。ボクに食べさせて?」
その「何か」は蝶のような羽を持ち、淡い光を放つ子どもの姿をしていた。
作詞ノートまで降りてくるとちょこんと座り、文章を指でなぞり始めた。
すると――。
「!?」
輝夜の周りの景色が一変した。
春に似つかわしくない、さんさんと輝く太陽と、コバルトブルーの海の光景。
風が頬を撫でる感触が頬を撫でと、さざなみの打ち寄せる音すら聞こえてくる。
(これって……)
それは輝夜が詩に込めた心象風景。
それが五感に訴える形で具現化されている。
夏の海の鮮烈なイメージは、やがて溶け消えるようにぼやけていった。
時間にすれば数分にも満たなかったかもしれないが、輝夜はそれがただの白昼夢でないことを本能的に悟っていた。
「あー、美味しかったぁ。お姉さんのアート、とっても素敵だったよ。それじゃあね!」
もっと食べたいなぁ、などと言いながらふよふよと飛ぶ「何か」は、輝夜のノートから飛び立つとどこかへ飛び去ろうとした。
「待って! あなたは一体……?」
「ボク? ボクはね――」
――アートの妖精さ。
芸術は秋だけのものとは限らない。
つづりでございます。
まずはガイドに登場してくださいました燕三条 輝夜様、ありがとうございました。
イラストもお借りしております。
この場を借りて、御礼申し上げます。
さて、この度はアートに関するシナリオをご用意させて頂きました。
芸術活動にいそしむ皆様の元に、アートの妖精がやって来ます。
妖精はお腹がぺこぺこで、芸術作品を鑑賞することを食事代わりにしています。
彼(彼女?)が作品を食べると、ちょっと不思議な現象が起こるようです。
それは皆様が作品に込めた思いの具現化。
皆様にご用意頂きたいのは「芸術活動の作品」と「そこに込められた想い」でございます。
完成品でなくとも構いません。
作成中のものでもOKです。
ガイド本文では詞でしたが、ジャンルはなんでも構いません。
音楽、美術、文学、といった王道から、果てはボディービルなんていうものだって、ひょっとしたらアートかもしれません。
芸術を学んでいる、趣味にしている、という方でなくとも、気まぐれに何かアートしてみてもいいのではないでしょうか。
季節は春ですが、特に春にこだわらなくても大丈夫です。
皆さんの発想で自由にアートなさって下さい。
なお、妖精は人間が大好きなので、話しかければ喜んで会話に参加してきます。
お話されたい方はどうぞ語りかけてみて下さい。
妖精は寝子島全体のどこにでもふらっと現れますので、場所は自由にご指定下さい。
その他、アクションの注意点についてはこちらを御覧ください。
皆様のご参加をお待ちしております。