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不思議な「アート」―芸術とは何か?―
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学校の課題を終わらせた帰り道、桜並木を歩く
夜海霧 楓
に呼びかける声があった。
「お兄さん、お兄さん」
「?」
声につられて振り向くと、何やら小さな人影(?)が。
「お兄さん、アートする人でしょ? 何か食べさせて~」
「腹減ってんのか?」
「だいぶお腹に溜まってきたけど、まだ足りないの~」
お腹を抑えて妖精が言う。
「つっても、何も持ってないぞ?」
「ボクはアートの妖精だから、芸術作品を鑑賞させて貰えればいいんだよ」
「アートつってもなあ……」
夜海霧が芸術科を選んだのは、課題さえ提出すれば他より楽だからで、正直なところを言えば専門でもなんでもないのである。
困ったな、と首をひねっていると――。
「お」
すぐ近くを
御剣 刀
が通るのが見えた。
「アートかどうかは分からんが、ちょっと面白いものなら見せてやれるかもな」
「?」
「まあ、見てろ。おーい、御剣ー!」
声をかけられた御剣が反応してこちらを向く。
御剣も夜海霧だと分かったようだ。
そんな御剣に夜海霧は木刀を1本投げつけた。
御剣が投げつけられた木刀をパシッと受け止めるのを見届けると、夜海霧は木刀を構えて斬りかかった。
「!?」
突然のことだったが、そこは剣に生きる御剣である。
素早く構えて夜海霧の剣撃を受け止めた。
「突然、なんだ?」
「御剣。竜と虎、どっちがいい?」
「だから何のことだ?」
「いいから答えろよ」
鍔迫り合いをしながら睨み合う両者。
「竜か虎なら竜だ」
「そうか……よっ!」
押し合い、ばっと離れる夜海霧と御剣。
間髪入れず、夜海霧は再び間合いを詰めた。
地を這うようにした一撃。
それはさながら、爪牙を研ぎ地を駈け跳ぶ――。
(つまり虎か。じゃあ、こっちは竜として――)
瞬時に意味を悟った御剣は空から斬りつける。
木刀と木刀がぶつかり合い、激しい音が桜並木に響き渡る。
(剣舞、殺陣の真似事なんで殺気は必要ないが……)
御剣が相手なら本気でやっても大丈夫だろう、と夜海霧は全力で木刀を振るう。
とは言え、太刀筋は粗方見切れるように大ぶり主体に。
体当たりなど、かち合わせるのも少なめに。
目的は飽くまで剣舞。
妖精が遠目で見ても分からないような細かな体捌きはせず、相手に合わせて動く。
(竜虎相搏つって意味だろうな、決着をつけるのは面白くないか)
そんな風に相手の意図を半ば確信して、御剣も夜海霧の斬りつけに完全に合わせて動く。
木刀を振るっては切り結び、軽やかにステップを踏むように身をかわす。
夜海霧の意図を尊重するなら、防御に回るだけではダメだと判断する。
かわす動作から繋げるように、流れるような太刀筋で木刀を振るう。
もちろん御剣も、夜海霧が防御が出来るように配慮をしている。
(さすが御剣。こっちの体力が持たねえな)
夜海霧とて傭兵・衛兵仕込みの戦闘術に長けた戦士だが、こと剣術にかけてはやはり御剣に一日の長がある。
「御剣、これで〆だ!」
「!」
鍔迫り合いで剣戟を鳴らした後、距離を取ると2人は抜き――いわゆる居合の構えを取った。
「せりゃあっ!」
「おぉぉっ!」
木刀と木刀が空気を切り裂いて打ち合わされる。
交差した木刀の下で、はらり、と桜の花弁が二つに切れて散った。
しばらく残心した後、2人は戦闘態勢を解いた。
「いきなり悪かったな、御剣」
「知らない奴なら問答無用で斬ってたぞ……」
「今度何か奢る」
「それはいいから、説明してくれ」
それがな、と夜海霧は妖精を手招きした。
「こいつがアートを見せて欲しいんだと」
「なんだ? 妖精……?」
寝子島で不思議な体験に慣れている御剣の目にも、妖精の存在は珍しく映ったようだった。
「どうだ? 何も創作活動だけがアートって訳でもないだろ?」
「うん! お兄さんたちの戦い、胸が震えたよ!」
「しかし……もう終わったが食えたのか、アレ?」
「待ってくれ。話が見えない」
困惑する御剣に、夜海霧はこれまでの経緯を説明した。
「そんな訳で剣舞を披露したって訳だ」
「なるほどな」
「お兄さんたち、ありがとね。美味しかったよ」
妖精は上機嫌である。
「あ、忘れてた。これはお礼だよ」
そう言うと、妖精がまばゆい光を放った。
夜海霧は一人、暗闇の中にいた。
これが夜海霧の心象風景。
等価交換とギブアンドテイクが信条。
人に借りを作らない、作っても即返すことを徹底してきた彼にとって、世界は少しばかり乾いたものだった。
でも、そんな彼にだって「アート」はあるのだ。
文学や絵画、音楽など、典型的な芸術だけがアートとは限らない。
自分の「何か」が誰かの琴線を震わせられれば、それはすでにアートだ。
夜海霧はそう思っている。
その誰かが誰なのかはまだ分からない。
しかし、彼の脳裏には1人の少女の姿が浮かんでいた。
彼女との関係はそんなものではないかもしれない。
ただの護衛とその対象なのかもしれない。
でも、未来のことなど、誰にも分からない。
「どうした?」
「!?」
肩を揺さぶられて我に返ると、眼前には怪訝な顔をした御剣。
「なんか……おかしなものが見えた……」
「大丈夫か? お互い直撃はしなかったはずだけど」
「いや、多分こいつのせいだ。そうだろ?」
「えへへ。正解~。お兄さんが今見たものは、アートに込められたお兄さん自身の思いだよ」
「……」
果たして、自分はアートにそんなものを込めているだろうか。
無言で考え込む夜海霧。
「アートに込められた思い、か……。また難しいな」
「こっちのお兄さんにも、えいっ!」
妖精が再び光った。
御剣が見たのは古い記憶。
一心に剣を振るう、祖父の姿だった。
御剣はその姿に、あり方に憧れた。
自分もそうなりたい、と祖父に師事した。
以来ずっと、剣を振り続けている。
どこかの誰かが言っていたように、剣術の本質は殺人術。
泰平のこの世ではもはや必要とされないはずの技術と言っても過言ではない。
しかし御剣はこの島にやって来て、数々の出来事や事件に遭遇し、何度も剣を振るうことが必要になった。
そうしている内に、剣を振るう意味や理由は変わっていった……そんな気もする。
けど、振り返ればやっぱり変わらない。
憧れから始まったこの剣は御剣の誇りであり――彼そのものなのだった。
「お兄さんたちは、剣なんだね」
妖精の言葉に、御剣は我に返った。
夜海霧も今は落ち着いているように見える。
「お兄さんたち2人の剣のあり方はそれぞれ別ベクトルだけど、根本的な所は同じなんじゃないかなってボクは思うよ。2人ともマーシャルアーツ――武芸の体現者だから」
まあ、ボクの考えすぎかもしれないけどね、と言い残して、妖精は姿を消した。
後に残された夜海霧と御剣は、妖精の言葉をそれぞれに噛み締めていた。
「武芸……ねぇ……?」
夜海霧は自分の戦闘技術はもっと泥臭くて実践的なものだと思っているフシがある。
だから、妖精の言葉を受け入れるのにはやや抵抗があった。
「……」
御剣はまだ自分の剣が何なのか、答えが出ていない。
だからやはり、彼も妖精の言葉を受け入れるには抵抗があった。
「帰るか」
「そうだな」
2本の剣は交わり、そしてまた分かれる。
各々の武芸のあり方を迷いながら。
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担当ゲームマスター
つづり
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月20日
参加申し込みの期限
2017年04月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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