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不思議な街のトラブル訪問
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寝子高を卒業し、大学の準備も大方終わった
仙藤 紫
は時間的な余裕もあって、声をかけられた雑貨屋の主人の頼みを承諾した。
困っていたようだし、ほっとけなかったのもあるが。
「ありがたいねぇ」
不思議な街で見たのとは別の無邪気な笑顔を見せる主人に、紫は意外に思いながら続きを促す。
「それで私は何を探せばいいのかしら」
主人はまだ見つかっていない商品を指折り数える。
「魚に飴玉、香り袋に、自動筆記ペン、あと猫」
「場所の心当たりはあるの?」
主人はそれには首を横に振る。紫はさて、と顎に手を添えて考える。
「好きな場所ならわかるけれど」
「それよ」
主人の提案に、名案! と思いついたように、紫は上げた商品たちの場所を詳しく聞くことにした。
「魚は海、飴玉は小さい子が好き、香り袋はカップルの多い場所、自動筆記ペンは学校、猫は高いところ……かな」
一度聞けば、大体どこか当たりはつきそうな場所だ。
今、二人が会話しているのは寝子高の通学路の途中。紫の答えは出た。
「……ここから近いのは、自動筆記ペンね。それの詳しい話を聞かせてくれる?」
「自動筆記ペンは、人の想いを自動的に書き連ねる黒い羽ペンさ。学校が好きで、逃げない」
「逃げない?」
「そ、自分で動けないんだ。誰でも出入りできるところにいるはずだよ。人のいないところ、あと持ってきたヤツは高いところが好きだから、たぶん上のほうだね」
誰でも出入りできるところ、と口の中で繰り返す。
主人はその間にどこからかとりだした袋を、紫に渡した。
「見つけたらこれに入れてほしい。壊さないようにね」
「わかった。それじゃ行ってくるわ」
紫は主人に背を向けて学校に向かう。その姿を見えなくなるまで見ていた主人が、「あっ」と声を上げた。
「……触るときに気を付けろっていうの忘れたねぇ」
学校の出入りできるところは、結構多い。
しかし絞るキーワードは得ていた。上階の、空き部屋。人気のないところ。
特別教室棟と普通棟。足の向くまま、まずは普通棟に向かう。
春休みで残っていた教師に一声かけてから、紫は三階に向かった。
春風が吹き抜ける校舎は、暖かかった。
紫は春の訪れに顔に笑みを浮かべ、一つ一つ教室を確認していく。
春休みでも生徒がいる教室は除外する。自習をしているようで、騒がなければ問題ないだろう。
最後の奥の教室。覗き込むと、教卓に黒い羽ペンが立っていた。
異様な光景に思わず苦笑する。よく見つからなかったものだと思いながら。
「あった」
人がいないのを一応確認してから、慎重に羽ペンに近づく。
逃げないとは聞いていたが、何となく足を忍ばせる。
黒い羽ペンは静かに自立していた。上品だがシンプルな佇まいだ。
何故かペン先の下に白紙が一枚あるが、なぜだろう。
意思があるように見えたが、主人の逃げないという言葉を思い出すに違う気もして。
手を伸ばし、羽ペンをそっと掴む。
──と。
紫の手がペンに触れた瞬間、ふわりと逃げるようにスライドする。
そして、ペンの下にあった紙にカリカリと物凄い勢いで何かを綴り始めた。
「な、なに?」
好奇心には逆らえず、紙を覗き込む。
自動筆記ペンが綴る言葉は何だろう、そんな胸躍る好奇心だった。
『楽しかった。共にあることが嬉しくて、楽しくて。
でもどうして失ってしまったの? まだ共にいたかった。
色んなことを二人で経験して、笑いあって、時には喧嘩して、そんな幸せを続けていきたかった。
でも戻れない、だってあの人は去って。私だけが取り残されて。
悲しい。つらい。寂しい』
「ど、どういうことなの……これは……?」
見覚えはないか? ある。
去年の夏に終わったはずの恋。別れた恋人への思いが。こんなにも。
胸が締め付けられる。くすぶっていた思い。
戸惑う紫を置き去りに、ペンは綴り続ける。
ハッとした。
じわりと体に染みわたる痛み、喪失の痛みが疼痛のようにじんわりと心身に広がっていく。
動けなかった体が、心の痛みを無視して動き出す。
動く羽ペンを両手で少し乱暴に掴んだ。
ペンはまだ動き足りないように蠢いていたが、紫は無視して主人から預かってきた袋にいれた。
口を縛って逃げないようにして、紫は力が抜けたように、教卓に突っ伏す。
顔を上げると、ペンが綴った思いが目に飛び込んでくる。
思わず目を逸らして、紙を手に取ると、ビリビリと破り捨てた。
とても、残しておく気にはならなかった。
(「もう終わったのよ」)
まだかすかに痛む胸を押さえて、紫は破り捨てた紙を丸めた。誰の目にも触れないように。
紫自身からも逸らすように。
紫はゴミ箱に紙屑を棄てると風のように立ち去った。
あとはこの厄介な品を主人に渡せばいいだけだ。
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担当ゲームマスター
あおじゆう
前回シナリオ
不思議な街の雑貨屋さん
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月21日
参加申し込みの期限
2017年04月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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