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不思議な街のトラブル訪問
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朝鳥 さゆる
は風を切って歩いていた。
薄い靄の中に塗り込められたような虚ろな日々。
星ヶ丘の自宅を出て、最愛の人の隠れ家だったワンルームマンションに住みだしてから何日目になるだろうか。
久しぶりに外へ出た。
シャワーを浴びても頭の中の薄靄が晴れることはなく、少し薄着で身体に湿り気を微かに纏わせて、春の街を沈んだ気持ちで歩いていた。
「やぁ、久しぶり、というわけでもないが。覚えているかい?」
艶やかな黒い髪を後ろで一つにくくり、清潔な白いTシャツ、ぱりっとしたジーバンにスニーカーの二十代の女性に話しかけられた。
さゆるは、一瞬の間を置く。眉をひそめ、女性を見た。記憶の中の女性を探す。
女性からかすかに香る甘い香り。探るような目つき、所作につながり一人の女を思い出す。
「あなた、あの雑貨屋の?」
「ああ、よかった。思い出してくれて。顔見知りがいないもんでね、困ってたんだ」
「困っている?」
「実はね──」
「あたしたちの想いに触発されて、商品が逃げ出した、ということね」
「そうさ。私ももちろん探すが、手伝ってもらえるとありがたい。何せ事は一刻を争う」
ただの散歩に出ただけなのに。随分大きなことを任されるものだ。
さゆるは暇つぶしに、という言葉は飲み込んで、頷いた。少しでも気がまぎれるなら、むしろ進んで人助けしてもいいと思ったからだ。
「それじゃあ、人食い本を探しましょうか」
「頼んだよ。捕まえたらこれに入れておくれ。ああ、注意がいくつかある」
見た目は重そうだが、もってみるとそうでもない袋を主人から渡された。
一つ、二つ、と女主人は指折り数えて注意事項を述べていく。
「人食い本は本が好きだ。『詩集』の場所にあるだろう。
紐綴じの古い本で、背表紙もこちらの文字じゃない。
こちらが見つけても逃げないから、ゆっくりじっくりね。
そしてここが一番重要だよ。『目的のない人物が開くと噛み付く』」
メモもせず聞いていたさゆるは、主人が言い終わると目を伏せ、少し考えた後、問いかける。
「他に留意しておくことはある? どんなヒントでも構わない」
「ふむ、そうさなぁ。隠すとなると、『誰でも立ち入りが可能』なところだろう。隠すとすれば、首謀者しかいないからねぇ」
「ここで誰でも立ち入りできそうなところは、寝子島図書館かしら」
「図書館か。名前からしてありそうだね」
一歩、踏み出してからさゆるは主人を振り返る。
「一緒にいってもらっても、かまわない?」
「ああ。もちろん」
二人連れ立って歩く姿は、どこか異国めいていた。
日本であって、日本でない。不思議なミステリアスな雰囲気を醸し出した女性二人組に、道行く人達の目が向かった。
二人ともそんなのを気にする性格ではなく。視線は無視されることになるのだが。
しばらく歩いて、二人が向かったのは寝子島図書館。
老若男女が立ち入る島民憩いの場でもある。
人の入りはまばらだった。多少騒いだら、注意されるかもしれないが、素早くすませば問題ない。さゆるはそう考える。
建物の中に入ったさゆるは、早速、文学の棚を探す。急いでついてきた主人は物珍しそうに周囲をキョロキョロ見回していた。
「もしかして全部の棚に本が収められているのかい?」
「……ええ」
あの場所に図書館はないのだろうか。さゆるに疑問が過ぎる。
一テンポおいて、棚を探しながらさゆるは問いかけた。興味はなかったが、暇つぶしの一環と思えば。
「あそこには図書館はないの?」
「ないねぇ。本屋はある。あと図書館、という言葉自体は知っている」
と、さゆるの目に『文学』の文字が飛び込んできた。周囲を確認する。
文学の棚に人影はなく、周囲にも人影はなかった。
「ここかい?」
「多分」
素早く通路に入り、一つ一つ確認していく。さゆるは右、主人は左を。
読めない字の背表紙。細い指でなぞっていく。
「あった」
読めない背表紙。日本語に似ているが、似て非なる字。
少し躊躇してから抜き取る。表表紙も読めなかった。紐綴じのくすんだ紅色の本。
表紙を手でなぞると、ドクンと脈打った気がした。
「これが人食い本、ね……」
異様で、恐ろしく、血の匂いまで漂うような気がした。
(「本当にそうなら、この時点で自分の生を終わらせてもいい」)
そう思った。何となく、心から。本を開きかけたさゆるの手の上から、優しいしかし強い力で主人の手がそれを遮る。
つよくない甘い香り。ハッとして振り返ると、少し目線の高い女主人の紫と赤の不思議な目がさゆるを静かに見つめていた。
「ありがとうね。いやぁ、こいつ、私には容赦なく噛み付いてくるんだ」
さゆるの手から人食い本を強引に抜き取り、袋に詰め込む主人。
どうやったのか袋を縮め、手の平サイズにしてしまったのをみて、さゆるはやっと息を吐く。
主人の優しい視線がさゆるを見つめる。
「ありがとう。礼はできなくて申し訳ないんだけど、またおいで」
「またって、どうやって……?」
にやりと主人はいつもの笑みを浮かべる。
「導きがあれば、ね」
「図書館ではお静かに」
司書の柔らかい指摘に、一瞬そちらに気が向いたさゆるが、ハッとした次の瞬間には主人の姿はいなくなっていた。
強すぎない甘い香りだけを残して。
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担当ゲームマスター
あおじゆう
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月21日
参加申し込みの期限
2017年04月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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