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満員?満開? むぎゅう
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●押し寄せる至福の中で
本棚を挟んですれ違う男女が一組。
片やすでに会計を済ませ、少し古くなった手押しドアへ向かう
八神 修
。
片やたった今その入口ドアを通って、本の背表紙とにらめっこし始める
恵御納 夏朝
。
後に顔を合わせる二人だが、ここではまだお互い訪れていたことには気付かない。
猫パペット、ハルくんに気になった本を引っ張り出してもらうも、その裏に付いた金額ラベルを見ればシュンと夏朝の表情が曇った。
ここ最近、夏朝は時折こうして古本屋を訪れている。落神伝説や寝子島関連の古書を探しているのだ。
寝子島で起きる怪事件の数々。誰かが傷ついたり悲しんだりする『普通で無い現象』は、それに遭遇するたび夏朝の胸を締め付けた。そうして如何に『フツウ』が大切なものなのか実感して。
その時出来うることをしているつもりだけれど、ただ遭遇するのを待っているだけの自分がじれったく、もどかしくなっては、もっと自分に出来る事や知っておけることを求めて情報を得ようとしていたのだった。
しかして予想より遥かに、この寝子島における古い歴史を記した書物は少なく、参考になりそうかなと思った本は手が出る金額で無かったりと、今日も空振りに終わりそうだと判断すれば無意識に左手の甲を抑えて溜息をつく。
「こんな時は……猫さんに癒されたいなぁ」
言葉にしてみると、無性に会いたくなって。
思い立ったが吉時とばかりに、切り替えるように顔を上げた夏朝は浮かんだ場所へと向かうべく、古書店を後にした。
* * * * * *
夏朝が思い描いていた猫スポットである、こちら神社では。
先に古書店を出た修が、帰宅する前に気になって一寸紐解いてみようと、境内の石造りの腰掛に座って本を取り出していた。
その足元や隣りには、数匹の猫たちの姿。すぐそばにある猫小屋へ、修は思い出した時に餌や古布を差し入れに来ている為、ここの猫たちとはすっかり顔馴染みである。
なので猫たちも知っている。オヤツくれるヒトだ! と。
本のページを捲る修の指に、鼻先くっつけたり器用に両の肉球でまとわりついたりと、催促する。
いつもの流れなのか、『ちょっと待ってな』と優しく声をかけてから。修は鞄からオヤツのササミをほんの少しちぎって、猫たちへ差し出してやる。
膝には書物、両脇には猫の体温。緩やかに流れる時間が、とても有意義に感じて心がほっこり。
そこへ、石段を登ってくる微かな足音に修が顔を上げると、友人である夏朝の姿が現れたのに気付いてふんわりと微笑んだ。
先客の影に一瞬足を止めそうになるも、それが修だと分かればホッとしたように表情緩めて、夏朝は猫たちを驚かせないよう静かな足取りで近寄った。
「こんにちは、八神君」
「やあ恵御納」
友達という言葉に『猫』と付いても過言ではないほど、猫好きで気が合う2人。猫が絡むことにはシンクロ率だってハンパない。
今日も良い猫日和だね、なんて思い出深いこの神社で偶然顔を合わせれば、もはや自然と受け止め会話になる、そんな素敵猫関係。
修があけてくれた隣りへ、お邪魔しますと腰掛けながら視界に入った修の手にする本のタイトルを、そっと夏朝は口にした。
「孤独な、ボウリング? 八神君、ボウリング好きだっけ?」
「ああいや、これは社会学の基本書籍の1つかな。社会関係資本っていう概念を論じた本だ」
「社会学……」
「政治ってのは経済学や社会学と不可分だろ。色々な考え方を識っておくのも大切かなって」
「……政治、興味あるんだ」
ついつい、癒し空間に口が滑らかになってしまったらしい。何気ない夏朝からの返しに、しまった、と修の心に汗がつたう。
隠しているつもりでは無いが、自然体でいられる高校生活における友人たちに、重く堅苦しい家の事情を進んで話す気にはなれなくて。
それは先日見た悪夢のせいもあるのかもしれないけれど……と一瞬考えそうになったところで、修はその思考は自ら追いやった。アレは友たちではない、内なる自分の声だ。ましてや、目の前にいる友人をあの夢と被らせては失礼というもの……。
すぐに平常心を装って、膝に載せていたもう一冊の本を夏朝に見せて肩をすくめる。
「政治に興味、というか雑食なだけだよ。ほら、こっちはまた猫の写真集買ってしま、……うわ!」
「? 八神君どうし、……わわ!」
もう一度言うがここは猫スポットである。
修と夏朝以外に、猫たちが居たわけである。
とっくにササミを食べ終えていた猫たち、一向に新たなオヤツをくれる気配が無いどころか、自分たちを見てくれていない気がしたのか。
『かまえにゃー!』と言わんばかりに、1匹が修に飛びついたのを合図かのようにして『われも、われも』と次々他の猫たちが押し寄せた。さながら猫津波のように。
どばにゃーーーっ
抵抗するすべもなく、修と夏朝は猫津波にのまれた。
「ああ……猫さん達が暖かい、ふわふわ……!」
勢い余って後ろに倒れ込んだ夏朝だったが、猫たちがクッションになってくれたようでモフリッと受け止められ、そのまま猫たちにされるがまま埋もれていく。夏朝にとってはむしろ本望であった。
上半身だけ起こせば膝に、小回りきくコは肩に、重いコでも容赦なく頭に、と全身に身を寄せてくる猫たちにふわふわむぎゅう。
目の前に垂れて揺れる尻尾が頬に触れると、くすぐったいけれど愛おしさは増していく、不思議な魅力。
やっと構う気になったにゃ? とばかりに、時折猫パンチでじゃれてくる。嬉しそうに喉を鳴らすごろごろ音、くっついたコたちから伝わる心音。
―― どれも気持ちいい……癒される……。
どこか焦っていた心がほどけていった。
と、ここで夏朝、視界から消えた友人の存在をハッと思い出す。キョロキョロッ。
「……って、八神君……八神君は大丈夫ー!?」
「こ……ここにいる。恵御納は無事か?」
「僕は全然……」
声のした方、自分が倒れ込んだ更に後方に出来た、こんもりした猫山。
動物さんに好かれやすいのは知ってたけど……僕よりもっとたくさんの猫さんたちに埋まってる!?
自分も相当猫に埋まってる自覚はあったが、目の前に猫たちが積み重なるように出来た山に、文字通り猫のように目をまんまるくする夏朝。
「八神くんっ? その中にいるの?」
「んー……恵御納、」
「な、なに?」
「俺は、動物が好きだ」
「う、うん」
「俺の意図によらずとも、気付けば家も動物だらけ……嬉しい限りだ」
「うん」
「なので今も、上に横に、猫が俺をむぎゅう」
「八神くん呼吸出来てないんだよ! さ、酸素酸素ー!!」
埋まる前、猫津波に咄嗟にササミをバラ撒き回避しようとしていた修だったが。
オヤツの大元はあのヒトにゃー!! と興奮した猫たちは、ササミ主様こと修の方へとなだれ込んでしまったという、そんな顛末。
いつもより要領得ない修の言葉に、状況に気付いた夏朝は慌てて修の顔付近と思われる位置の猫たちをどかしてやる。
プハッと息をついた修の顔がお目見えすれば、夏朝はホッと胸をなでおろした。
「暖かい、柔らかい、しかしこれは重い……な」
「1、2、3……八神くんのお腹の上だけで8匹はいるみたい……すごい」
おしくらまんじゅうの如くむぎゅむぎゅ寄り集まった猫たちの愛らしさに、写真を撮りたい衝動に駆られる夏朝だったが。
―― ポケットから、スマホが取り出せない……。
春の陽射しに照らされた、夏朝の体がぬくく気持ちが良いらしく、膝の上に乗り切らなかったコたちは左右に、背中にも、ピットリ寄り添って離れなかった。
―― けど幸せ、だな。
この何気ない日常が。大好きな猫たちに囲まれて、友達とする他愛ないおしゃべりが、自分にとってはとても大事なのだと夏朝は実感する。
思えば、大好きな猫たちすらも、何度も怪現象に巻き込まれているのだ。
猫さんが降って来たり猫さんの文明があったり猫さんになっちゃったりはては猫さん星人を助けたり……。
「……うん?」
「どうした? 恵御納」
「あ、ううん。なんだか、今日は猫さん多いなーって。……この間の、にゃんこ星人さん……取りこぼしてない、よね、なんて」
「……」
「……」
「みんな帰った、……よな?」
修、思わず自分の周りの猫たちへ問いかけた。
なんのことにゃー、いいから撫でるにゃー、とマイペース猫たちは、修の頬へすりすりし出す。
ホッと安堵の色浮かべ、その首を、背中を、撫でてやる修だった。
日も傾いてくれば、すっかりオヤツと日向ぼっこを堪能した猫たちは、一匹、また一匹とどこかへ去っていく。
自分の周囲から温もりが離れていくのを、少し寂しそうにしながらも『またね』と見送って。
あまり表情を変えない夏朝の頬は、至福の熱を帯びてはにかんでいるように見えた。
―― 写真は撮れなかったけど……八神君と一緒に、奇跡的な幸せ味わえたから、いいや。
思い出を共有してくれた大切な友人へ、夏朝は声をかける。
「八神君は……猫さん沢山、どうだった?」
「………」
「…………あれ?」
「えみにゃあああ……たーすーけーてー」
「ええ!?」
自分を囲んでいた猫たちが去っていくので、てっきり彼の方もそうだと思っていたのだが。
修に撫でられるのを順番待ちしていた猫たちが、待ちきれず再び修を埋もれさせていたり。
もう駄目だ。
ぱたり、と助け求めて空を切っていた片腕が、本望とか幸せオーラとかを纏ったまま垂れたのを見れば、慌てて救助に向かう夏朝の姿があるのだった ――。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月06日
参加申し込みの期限
2017年04月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月13日 11時00分
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