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● 『おれ』と絵本
つづいてアカリが、散乱した本を一冊ずつ除け、本の下の床に他の文字が隠されていないかを検証した。
「血で書かれたのは『おれ』だけみたいだな……」
パイプを咥えた円が、『おれ』の文字をあっちから見たりこっちから見たりしている。なにか閃いたようでもあるが、まだ考えがまとまりきらないのか、シャボン玉の量が増えるばかりだ。
「血痕を調べるなら、ブラックライトを当てたりルミノール反応見れば一発な気もごもご」
見ていたトワがまっとうなことを言い、小学生らしからぬ知的な発言をしてしまったからか、それじゃあ話が面白くなくなるからか、あるいは両方の意味を込めてか、語尾を濁らせる。
じつは綾花も同じことを考えていた。
「たしかに理科室でルミノールや過酸化水素水などあれば混ぜて血液を光らせることもできるはず……」
そこでトワと綾花が理科室に向かってみると、とても運のよいことに、自由研究用のルミノール反応実験キットの箱が置いてあった。小袋入りのルミノールと過酸化ナトリウムの試薬を水で溶かして噴霧するだけという便利なものだ。別の棚からスプレー容器も入手する。
「これで捜査がが捗りますね」
図書室に戻り、窓を暗幕で覆って暗くすると、ルミノール溶液入りスプレーをあちこち吹きかけてみる。
「あっ。光ったデス!」
死体の周りの床に、ぽつぽつと夜空の星のように青白い光が現れる。目視では見えなかった血痕だ。
『おれ』の文字の周りにも念のため吹きかけてみるが、ほかの文字が拭き取られたようなあとはない。
「へえっ。便利だな、それ。貸してくれないか?」
衛はトワからルミノール溶液を借り受けると、絵本や本棚に血痕がないか調べ始めた。
早川先生は彼らの一歩後ろに立って、現場に手を触れないようにしつつ見守っている。
遥斗も本棚を念入りに調べる。
「早川先生。野々のまわりに散乱している本は元はどの位置にあったのでしょうか」
「ここだよ」
早川先生が指さしたのは、本棚の一番下の段であった。絵本ばかり並べられた棚で、残された本の背表紙は斜めに傾き、本来であればもっと多くの本が並べられていたことが見て取れる。
遥斗は、ののこが頭に強い衝撃を受けたのは、高い場所にあった本を取ろうとして本棚を登ろうとして落ちたのではないか、たまたまコミケの本が置いてあって一緒に落ちて運悪く頭に……等の可能性を考えていたが、本棚全体の様子から、ののこが本棚を登ろうとしたとは考えにくいという結論に至る。第一に、本棚の高さが登るほど高くないこと。第二に、絵本の上の段は児童文学の棚になっており、全集や文庫本が乱れることなく整然と並んでいて、偶然コミケパンフが置いてあったとしても、本棚自体がゆさぶられてののこの上に本が落ちたという雰囲気ではないのであった。
遥斗は図書委員である綾花に声を掛けた。
「綾辻。『うりこひめ』の貸し出し記録、パソコンで検索できないか?」
綾花は図書管理用のパソコンの前に駆けよる。
「はい……、確認しました。ここ1年以上、誰にも貸し出しされていません」
貸出人が何かヒントになればと思ったが、手がかりはないらしい。綾花は引き続き、無くなった本がないか検索したが、これもとくに不審な本はヒットしなかった。
遥斗は早川先生に向き直る。
「早川先生。なぜ『うりこひめ』が気になったのかお伺いしてもいいですか?」
「それは……」
早川先生は気まずそうに瓜山先生を見た。
疑いをかけられていると悟った瓜山先生は、珍しく眉を吊り上げる。
「『瓜の字が入っていたから』ですか? 単純すぎます。もしも私が犯人ならそんなのあからさますぎて、『うりこひめ』は持ち去りますよ」
「俺もそう思う」
遥斗の思わぬ援護射撃に、瓜山先生ははっとして遥斗を見遣った。
遥斗は瓜山先生が犯人だとは思えず、こんな推理を口にする。
「犯人は『うりこひめ』を紛れさせて瓜山先生を犯人にするつもりだったかもしれない」
「なぜそんなことを……」
瓜山先生は青ざめている。先ほど早川先生に食ってかかった時とは打って変わって、怯えた表情だ。
遥斗は「まだわからない」と言うに止めた。
その間、アカリは黙々と散らばっていた絵本の確認をし、衛は絵本以外の本棚の本を一冊ずつ手に取って捲りながら、血のついた本や文字の書かれた本がないか確認してゆく。衛の方の成果はなく、しばらくすると飽きたようで、アカリに話しかけてきた。
「ところで……ミステリーなのになんか足りないんだよな」
「なんだよ。足りないって」
アカリは絵本のリストを作りながら聞き返す。アカリが自分を見ていないのを承知で、衛は身を捩るようにして科を作った。
「具体的にはヒロインの叫び声っていうか……ほらよくあるだろ、サスペンスドラマとかでさ、可憐な女性が死体を見つけて『きゃあああ』とかいうやつ。ってなわけでアカリくんちょっとここらで一発叫ばねえ?」
「アホなこと言ってんじゃねーぞ卯木。そんなんやんねーからな」
「ちぇーダメかー」
「仕事しろ」
アカリに冷たく言い放たれ、ふたりはまた粛々と作業を続ける。
ののこの周りに散乱していたのは、『うりこひめ』『エビのこしはなぜまがったか』『ならなしとり』。この三冊が血文字の一番近くにあり、そのほかに『ふるやのもり』などの日本の昔話絵本や、『ブレーメンの音楽隊』『赤ずきん』『イソップ童話』など定番の童話絵本が十数冊あった。
「散らばってる絵本の中に、『うそつきおーかみの本』はあったデス?」
トワがアカリに尋ねる。
「うーん、その本はないけど、童話絵本の方は、狼が出てくるものが多いといえば多い、……か?」
「Picture books、ハルトが言ったように、犯人がわざと置いたデスカネー。『うそつきおーかみの本』が無いのなら、犯人は舞台の内容を知らない人の可能性だってあるマス」
「絵本は犯人が置いたわけではない、ということかもしれない」
ふむー。とトワは唸った。
「たとえばーどうしてノノコは図書室に来たんデス? 稽古を飛び出したノノコが本を読むと寝るようなノノコがわざわざ図書室に読みに来るんデスカネー?」
「ののこちゃんは図書室で調べ物をする心当たりはないですか? 怒った理由は?」
と綾花もフジコに質問する。
するとフジコちゃんがおもむろに口を開いた。
「私が怒ったのはののこに『うそつきらしさ』や『おおかみらしさ』が微塵もなかったからよ。アホでかわいいだけのマスコットキャラじゃだめだと言ったの。もしかすると、ののこが図書室に来たのは、私が『もっとうそつきおーかみらしさを勉強しなさい!』って言ったせいかもしれないわ。勉強と言えば図書室、狼と言えば童話や昔話、と思ったのかも」
「なるほど……」とアカリは思案する。「うりこひめは、アマノジャク――つまり、うそつきの話だし、イソップ童話も、狼が来たぞーっていう『狼とうそつき少年』の話が載っている、な。ほかの絵本も狼が出てくる。出てこないのは……『エビのこしはなぜまがったか』と『ならなしとり』だけか」
うそつきおーかみと関係なさそうな二冊の本。
アカリは手に取ってページを一枚ずつ捲り、内容を確認する。
すると、その両方の本のとあるページに不自然なしみを見つけたので、広げてルミノール溶液を吹きかけると、しみは青白く発光した。
それは、人間の指紋ではなく、肉球っぽい丸い跡。
「誰か、電気を」
アカリの声に応えて、春彦が電気のスイッチを入れる。
血だ。間違いない。さらにそこにこびりついていた短い毛をピンセットで摘み上げる。
血の跡も毛も、ののこの着ぐるみの手とぴったりと一致する。
「この二冊に、なにかあるの、か……?」
と、そのとき。
「わっ!」
大声と同時に背中を押され、アカリは思わず声を上げた。
「うわあああ!?」
振り返り、にやにやしている友人の顔に思わず怒鳴る。
「卯木!!!」
すると衛はアカリの悲鳴に文句を言った。
「なんでキャーじゃないんだよ! わんもあー! なーなー、もう1回ー!」
「アホ! やめろ! やんねーっつってんだろ! ったくもー……」
無邪気にじゃれ合う少年たち。
これが盛大なフラグであることを、このとき二人はまだ知らなかった――……。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月05日
参加申し込みの期限
2017年04月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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