ののこがふあーっとあくびした｜リアクション

ののこがふあーっとあくびした

　童顔巨乳少女の白真白は、何かいつもと違う感覚を感じました。
「あれ、変わってる？」
　どうやら体に関することではありません。
（なんかいきなりろっこんに変化があったようなそうでないような……気のせいなのかなあ）
　首をひねって白いロングヘアを揺らしつつ、
「いろいろ試してみればわかるよね」
　と実験してみることにしたのです。
　とりあえず、まずは今まで通りに。
　チラシの紙を手に取り、力を流し込むイメージをしてみます。
　真白のろっこん『薄いは堅い』は、紙や布のような薄いもの……厚さ5mm未満の物を硬化する能力です。
　真白の手にした紙はいつも通り、鉄のように硬化しました。
「うん、できるね」　
（つまり固くする力のままってことだね。なら何が変わったんだろう？）
　条件が悪くなったわけではなさそうです。
　ならば、と真白は、今まで硬くできなかったビニール製ポーチに力を流し込むイメージをしてみました。
　ポーチ全体の厚さは５ｍｍ以上はあります。
　けれど、力をこめれば簡単に曲げられるはずのポーチが、固くなっていました。
「なんかできた。あー、そういうことかー」
　真白の目が輝きました。
　ちなみに、真白は昔事故にあった後遺症で右目は義眼ですが、今日は青です。
　おしゃれ間隔でいろんな色を使い分けているのでした。

　真白はそれから、ほかにもいろいろ試してみました。
　薄いものだけでなく、対象に制限がなくなっているようです。
「うん、なるほどね」
　頷いて真白はつぶやきました。
「名前、変えないとなぁ」
　もう薄いものだけではないのですから。
「『鋼の如く』なんてどうかな」
　使い勝手のいい能力になってよかった、と思う真白でした。
　

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