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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
現実侵食エスケイパー
■経過時間１：００～
ハンターの数は思ったよりも多い。
寝子島全域をゲームフィールドとしている以上当然だとは思うが、どこかのエリアに固まることなくばらばらに寝子島全体をネットしているらしい。
……ということが、ねこったーの情報から大体分かった。
伊藤 緑はスマホをポケットにしまうと、代わりにメモ帳とペンを取り出した。
メモを破ることでそれに似たことが起こるというろっこん能力のために日頃から持ち歩いているポケットメモである。
まるでなんでもない風をよそおって歩き出し、家族連れや学生たちの行き交うアウトレットモールへと入っていく。
「人を隠すなら人混みの中よね。問題は見つかった時なんだけど……」
ぺらりとメモを手に取る。
『鬼が私を見失う』と書かれたメモは、破ったところで効果がなかった。ハンターはろっこんによる直接的干渉すらも受け付けない何かがあるようだ。
では次にどうすべきか。
などと考えているうちに、目の前の通路からハンターがスッと現われ、こちらをむいた。
向いた瞬間全速力で走ってくるハンター。
「やばいっ！」
きびすを返して走り出す緑だが、走って逃げ切れるような体力があるとは思えない。
ゆえに。
「まだ試してないけど、これで……！」
『人混みができる』と書かれたメモを破ると、目の前にできた小さな人だかりが更に大きなものになっていった。
しめた。
緑は人混みに飛び込み、ハンターの目を逃れることにした。
さて、緑のろっこん能力を使ったとて、急にどこからともなく人が瞬間移動してくることはない。たぶんないと思う。
この現象にはまた別の人間の思惑が絡んでいた。
「そこそこ集まったかな」
日暮 ねむるはねこったーの画面と目の前の人混みを見て、満足げに頷いた。
拡散を求めるタグと共に、アウトレットモールでゲリライベントがあるむねを呟いたのだ。
この手の情報はまたたくまに拡散され、本当にやってるかどうかを確かめに来る人々がそこそこ現われる。都内のヤバいエリアだと十分もしないうちに人だかりができたりするが、寝子島では大体一時間で小さなひとだかりといった具合だろう。そこに緑の能力で後押ししてようやく人混みに発展したところである。
「どうやら俺たち、二人とも参加していたみたいだな」
後ろから声をかける八神 修。
修は上着と帽子を二セット持っていた。片方をねむるに手渡す。
「この状態でよく買い物なんかできたね」
「ちょっとした賭かな。店の中で見つかったら終わりだったけど」
「あと、お金払う時に見つかったら最悪だね」
「そんなわけだから、上着と帽子と、あとコレしか買えなかった」
ロープをリュックサックから出して見せる修。
ねむるはそれで充分だよと言って振り返る。
「着信音での誘導は？」
「全然ひっかからない。まあ、人混みの中だからね」
二人はねこったーや電話を使った連絡によって素早く合流し、思いついた作戦を片っ端から試していた。
半分くらいは効果が無かったりやる前からダメそうだと分かったりしたが、人混みに紛れて移動する作戦は今のところうまくいっている。
「このゲーム、こうして身を潜めていれば終わるかな」
「……さあ。けどゲームなら、停滞を望まないだろうね」
世の中には停滞をむしろ望む者も居る。
「またフシギ現象か……！」
トイレの入り口から顔を覗かせて、水上 桜はぎりぎりと奥歯を噛んだ。
今日はアウトレットでのんびりすごそうかと思ったやさき、この現実侵食ゲームに参加させられた桜である。
嫌ならゲームから降りればいいかと思ったが、こんな所でスヤァしたらちょっとおかしな子だと思われてしまう。クラスメイトに見られたら何かが終わりそうだ。
これから栄えある高校生活が幕を開けようという時期に……。
「私の知ってる普通の生活ってこういうのじゃあないでしょ。どうなってるのよこの世の中は」
うろうろしているハンターがそっぽをむいた隙をついて人混みに飛び込み、目立たないように歩調を合わせて移動していく。
「気が立っているな。アレが見えてるのか？」
横を歩いていた青年がそんなことを言った。
なんだこいつガッてやるぞと思って振り向くと、青年――御剣 刀は『前を向いていろ』と囁いた。
「俺もこの逃走ゲームの参加者だ」
そう言いながら、刀はポケットからどら焼きの包みを取り出して囓りはじめた。
どうやら彼も彼で何かの途中にゲームに巻き込まれたようだ。
横目で観察していると、刀は食べる手を止めた。
「……食べるか？」
「いらない」
そうか、と言って残りを頬張る刀。
「一旦状況を整理したい。まずは安全に逃げ続ける方法だが……」
そこまで語った所で、二人の視界に新たなメッセージが表示された。
『緊急ミッション！ 満員電車開放を阻止せよ！』
ハンターの数は思ったよりも多い。
寝子島全域をゲームフィールドとしている以上当然だとは思うが、どこかのエリアに固まることなくばらばらに寝子島全体をネットしているらしい。
……ということが、ねこったーの情報から大体分かった。
伊藤 緑はスマホをポケットにしまうと、代わりにメモ帳とペンを取り出した。
メモを破ることでそれに似たことが起こるというろっこん能力のために日頃から持ち歩いているポケットメモである。
まるでなんでもない風をよそおって歩き出し、家族連れや学生たちの行き交うアウトレットモールへと入っていく。
「人を隠すなら人混みの中よね。問題は見つかった時なんだけど……」
ぺらりとメモを手に取る。
『鬼が私を見失う』と書かれたメモは、破ったところで効果がなかった。ハンターはろっこんによる直接的干渉すらも受け付けない何かがあるようだ。
では次にどうすべきか。
などと考えているうちに、目の前の通路からハンターがスッと現われ、こちらをむいた。
向いた瞬間全速力で走ってくるハンター。
「やばいっ！」
きびすを返して走り出す緑だが、走って逃げ切れるような体力があるとは思えない。
ゆえに。
「まだ試してないけど、これで……！」
『人混みができる』と書かれたメモを破ると、目の前にできた小さな人だかりが更に大きなものになっていった。
しめた。
緑は人混みに飛び込み、ハンターの目を逃れることにした。
さて、緑のろっこん能力を使ったとて、急にどこからともなく人が瞬間移動してくることはない。たぶんないと思う。
この現象にはまた別の人間の思惑が絡んでいた。
「そこそこ集まったかな」
日暮 ねむるはねこったーの画面と目の前の人混みを見て、満足げに頷いた。
拡散を求めるタグと共に、アウトレットモールでゲリライベントがあるむねを呟いたのだ。
この手の情報はまたたくまに拡散され、本当にやってるかどうかを確かめに来る人々がそこそこ現われる。都内のヤバいエリアだと十分もしないうちに人だかりができたりするが、寝子島では大体一時間で小さなひとだかりといった具合だろう。そこに緑の能力で後押ししてようやく人混みに発展したところである。
「どうやら俺たち、二人とも参加していたみたいだな」
後ろから声をかける八神 修。
修は上着と帽子を二セット持っていた。片方をねむるに手渡す。
「この状態でよく買い物なんかできたね」
「ちょっとした賭かな。店の中で見つかったら終わりだったけど」
「あと、お金払う時に見つかったら最悪だね」
「そんなわけだから、上着と帽子と、あとコレしか買えなかった」
ロープをリュックサックから出して見せる修。
ねむるはそれで充分だよと言って振り返る。
「着信音での誘導は？」
「全然ひっかからない。まあ、人混みの中だからね」
二人はねこったーや電話を使った連絡によって素早く合流し、思いついた作戦を片っ端から試していた。
半分くらいは効果が無かったりやる前からダメそうだと分かったりしたが、人混みに紛れて移動する作戦は今のところうまくいっている。
「このゲーム、こうして身を潜めていれば終わるかな」
「……さあ。けどゲームなら、停滞を望まないだろうね」
世の中には停滞をむしろ望む者も居る。
「またフシギ現象か……！」
トイレの入り口から顔を覗かせて、水上 桜はぎりぎりと奥歯を噛んだ。
今日はアウトレットでのんびりすごそうかと思ったやさき、この現実侵食ゲームに参加させられた桜である。
嫌ならゲームから降りればいいかと思ったが、こんな所でスヤァしたらちょっとおかしな子だと思われてしまう。クラスメイトに見られたら何かが終わりそうだ。
これから栄えある高校生活が幕を開けようという時期に……。
「私の知ってる普通の生活ってこういうのじゃあないでしょ。どうなってるのよこの世の中は」
うろうろしているハンターがそっぽをむいた隙をついて人混みに飛び込み、目立たないように歩調を合わせて移動していく。
「気が立っているな。アレが見えてるのか？」
横を歩いていた青年がそんなことを言った。
なんだこいつガッてやるぞと思って振り向くと、青年――御剣 刀は『前を向いていろ』と囁いた。
「俺もこの逃走ゲームの参加者だ」
そう言いながら、刀はポケットからどら焼きの包みを取り出して囓りはじめた。
どうやら彼も彼で何かの途中にゲームに巻き込まれたようだ。
横目で観察していると、刀は食べる手を止めた。
「……食べるか？」
「いらない」
そうか、と言って残りを頬張る刀。
「一旦状況を整理したい。まずは安全に逃げ続ける方法だが……」
そこまで語った所で、二人の視界に新たなメッセージが表示された。
『緊急ミッション！ 満員電車開放を阻止せよ！』
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年03月13日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年03月20日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年03月20日 11時00分
