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■
北里 雅樹
と
椎井 莉鳥
、最後の春休み
形ある者はいずれ壊れるという。
幼なじみの腐れ縁で、いちどは彼氏彼女の関係ですらあった雅樹と莉鳥という二人の関係にもまた、決定的な離別が訪れる時が来る。
たとえば春休みの終わり。高校を卒業する頃。雅樹は島を出て進学するという。
彼が島を出る日。
今生の別れでもあるまいに。こうまでその日を意識してしまうのはなぜだろう。
雅樹にとって、彼女はどんな存在だろう。
莉鳥にとって、彼はどんな存在だろう。
恋人ではない。親友とも違う。幼なじみでは済まない。
もはや二人にしか、そして二人にすら分からない、きわめて奇妙な関係性。
猫鳴寮には日当たり差別がある。
朝陽が綺麗に入って日中ぽかぽかの部屋もあれば、西日はやたら入るくせに昼間は妙に薄暗い部屋もある。
雅樹の部屋は後者だ。春休みのぽかぽか陽気だっつってんのに部屋は上着必須なくらいにひんやりしている。
よほど理由が無ければ部屋に引きこもることなどない。
「どっか行くか」
雅樹はきわめて漠然と、ただただ部屋にいたくねーなーという理由だけで外に出た。
財布とケータイとこの身があれば、島で退屈はするまいて。
野暮用というのは本当に野暮ったいもので、予定にキッチリ組み込まないといけないくせに案外スパッと終わってしまって気づけば半日暇になるなんて目にあうことがある。
とはいえすっぽかすワケにはいかないのが野暮用の野暮たる最大のゆえんである。
……などと、莉鳥はかなりどうでもいいことを考えながらシーサイドタウンの中をぼんやり歩いていた。
こんなことを考えてしまうのも、野暮用が済んですっかり暇になったがゆえである。
だが幸いにもここは寝子島。
景色もよくて生活も便利というやけに恵まれた土地である。
折角の暇をうまいこと使ってみようと、莉鳥は日の当たる町をぼんやりしたまま散歩することにした。
財布とケータイとこの身があれば、島で退屈はするまいて。
見慣れた道をゆっくりと行く。
「今日はなんか予定あったかな……」
外に出てから言うのもナンだが、雅樹は自分の予定表を頭の中に引っ張り出した。
やるべきこと……とくになし。
やっときたいこと……とくになし?
「なし?」
疑問系なのが気にかかった。
なにかあっただろうか。
やっておきたいこと。
例えば……。
「あ、椎井」
遠くに、見知った後ろ姿があった。
よくアニメや漫画で聞く、『人の気配がする』とかいうやつ。
あれをリアルに言う人はちょっとどうかしている、と莉鳥は思う。
物音がするとか、痕跡があるとか、光が動いたとか、そういう話なら分かるが……気配って。そんなファンタジックかつ漠然としたものを感じるなんてどうかしている。
絶対音感みたいに訓練の末身につく実在の感覚であるというところまで込みで、どうかしていると思う。
ゆえに。
「雅樹の気配がする」
とか思えてしまうのは、どうかしているのではなかろうか。
こう、なんていうか。身になじんだ感覚というか、それでいて奇妙な距離感があるというか、そのくせ警戒がないというか、けれど目に見えない壁があるというか、なんというか……。
とにかく、総合して雅樹の気配である。別名雅樹感である。
まあこれがただの思い過ごしや気の迷いであればいいのだが、ショーウィンドウのガラス越しに後ろを確認してみたら案の定雅樹がいたから仕方ない。
なんなのよ雅樹感って、とか思いつつ……もう一つの感覚にも耳を澄ましてみた。
椎井莉鳥は奇妙な人間だ。
女性としての際だった感じもさることながら妙に身の回りで起きていることを敏感に察したりすることがある。
こっちが声をかけようと思ったら先回りしてきたり、やたら暇になった時にでくわしたり、言って欲しいことを言ってきたり、はたまたその逆だったりである。
「椎――」
「何か用?」
偶然だなこんなところでなにしてんだ? 今暇? 俺も暇! どっかいかないか? つっても別に行きたいところもないんだけど……的なことを言おうとしたら急に先手を打たれた。
椎井あるあるである。
背後から声をかけようとした瞬間をつくように、180反転して言う莉鳥。
雅樹の背丈が180近いがゆえにまだいいが、170センチある莉鳥がわずかに顎をあげてこちらを見ているという光景はなかなか威圧的なものがあった。
「お、おまえ……開口一番で『何か用』はないだろ」
「そう?」
莉鳥は腰に片手を当て、どこかアンニュイな表情をした。
「特に用がない、って雰囲気だけど」
「返す言葉が無ぇ」
頭をかりかりとかいて、雅樹は苦笑した。
莉鳥は依然としてクールなままだ。
昔からずっとこうだ。
これからもずっとこうだろう。
自分とこんなやりとりをする人間が、この先ひとりでも現われるだろうか。
雅樹と莉鳥の間に、もしかしたら言葉はいらないのかもしれない。
春休みのある日、街角で出くわしても、特に言葉を交わすでもなく川の流れが交わるようにごく自然と二人で歩き、まるでいつも通りにCDショップとか入ったりして、気づけば時間が過ぎていて、『じゃあ』とだけ言ってそれぞれ家に帰ったりして。
もしかしたら、雅樹が島を出るその日ですら、そんな風に別れるのかもしれない。
十年くらいまるで音信不通でも、今日の日のように、まるで当たり前のように過ごすのかもしれない。
恋人ではない。親友とも違う。幼なじみでは済まない。
もはや二人にしか、そして二人にすら分からない、きわめて奇妙な関係性。
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担当ゲームマスター
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月10日
参加申し込みの期限
2017年05月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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